借地, 底地, 賃貸借契約

「必ず知っておきたい」地代、借地料の時効は何年?



地代、借地料の時効は何年?【時効を停止・中断(完成猶予・更新)させる方法も解説】

「最近借地人から地代を滞納されているけど大丈夫?」

「地代にも時効があるみたいだけど、中断させる方法はある」

(※現行民法ですと、時効の「中断」という概念は無くなり、時効の「完成猶予」又は「更新」という言い方になります。)

地主さんにとって、借地人の地代滞納は頭の痛い問題です。地代滞納をもとに借地権の解約を申し立てる事も出来ますが、そこまででもない場合、時効にならないか気にされてらっしゃる方も居るかと思います。

そんな方に、地代、借地料の時効を「完成猶予」「更新」させる方法について、借地、底地に詳しい「URUHOME」が解説します。

地代滞納で借地の返還を考えている方は下の記事もご覧くださいませ

1.地代、借地料の時効について

1-1.地代の請求にも時効があります

地主の方にとって地代や賃料の延滞は由々しき事態です。収益そのものが入ってこないばかりか、今後の賃料収入などの見込みも怪しくなるからです。

しかも困ったことに賃料を初めとした債権(請求権)は、一定の時間何もしないまま経過すると時効消滅し請求できなくなるリスクが高くなります。

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これを消滅時効といいますが、時効するまでの期間はそれぞれの権利の種類により異なる期間が民法で規定されています。

1-2.地代は何年で時効になるか?

この点を規定する民法169条には、「年またはこれより短い期間で定めた債権は」(定期給付金債権と呼びます)、5年で時効により消滅すると定めているのです。借地権の地代などは月払いや一年払い等が一般的なので、家賃、地代は定期給付債権に該当し5年で時効、滞納賃料請求不可となってしまいます。

年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。

引用:民法第169条 定期給付債権の短期消滅時効

2020年4月1日施行の改正民法により,定期給付債権の短期消滅時効制度は無くなりました。
消滅時効の基本自体が,権利の行使が可能であることを知った日から5年間の消滅時効にかかりますので(通常,債権者=オーナーであれば権利の行使が可能であることは知ることが出来る筈),あえて短期消滅時効とする必要がなくなりました。
なお,20202年4月1日よりも前に成立している賃貸借であれば,旧民法の適用がありますので,そうしますと旧民法169条の議論となります。

2.時効を中断(完成猶予・更新)させるには?

2-1.地代の消滅時効は完成猶予・更新させることが出来ます

せっかく法律上正当に請求できる権利を保有しているのに、借地人などが支払を延滞して開きなおったまま5年の時間が経過すれば請求権が消滅し、もはや請求できなくなるというのはあまりにも酷な話です。

そこで、民法では、「時効完成にちょっとまったをかける方法」と、「時効を停止し、ゼロからスタートさせる方法」があります。

現行民法では、時効完成に一定期間「待った」をかける制度である「完成猶予」と、確定判決を得た等,新たな時効期間がスタートする制度である「更新」があります。

民法改正前は「時効の停止」「事項の中断」という概念がありました。
「時効の停止」は「時効の完成猶予」という概念(時効の進行にちょっと待ったをかける)に代わり、「時効の中断」は「時効の更新」という概念(時効を一旦ストップさせて、ゼロからスタートさせる方法)に代わりました。

地代の延滞を認めて債務の存在を承認してもらえれば時効の更新がされますが、地代支払を延滞するような借地人が誠実な態度を見せるのは期待できません。

2-2.地代の消滅時効を完成猶予させるには

時効完成に待ったをかける一例として、内容証明による催告があり、これにより時効を一時停止させることが出来ます。しかし内容証明を送付するだけでは、最大6か月の消滅時効の猶予(改正民法第150条1項)が与えられることにとどまります。

他にも時効を一旦停止(完成猶予させる)方法がありますが、あくまで一旦停止させるにとどまりますので、注意が必要です。

  1. 裁判上の請求・支払督促・訴訟上の和解・調停・倒産手続への参加(147条1項)
  2. 強制執行・担保権の実行・担保権の実行としての競売・財産開示手続(148条1項)
  3. 仮差押え・仮処分(149条)
  4. 催告(150条1項)
  5. 権利についての協議を行う旨の書面による合意(151条1項)

時効を一旦停止させるだけにとどまらず、「時効の更新」(時効の進行を止めてゼロからスタート)をさせるには、上記の事由だけでは不十分です。

3-3.地代の消滅時効を更新させるには

地代の滞納の時効を一旦停止して、ゼロからスタートさせるには消滅時効を更新させる必要があり、消滅時効更新事由には以下のようなものがあります。

  1. 確定判決・確定判決と同一の効力を有するものによる権利の確定(147条2項)
  2. 強制執行・担保権の実行・担保権の実行としての競売・財産開示手続(148条2項)

時効の更新をさせるには消滅時効が完成してしまう前に、裁判上の請求などをして、確定判決やこれと同一の効力を有するもの(和解調書等)を得る必要があります。
そうすることで時効がいったん止まり、消滅時効は再度ゼロから始まります。

つまり、時効を一旦停止させて、ゼロからスタートさせるには、裁判をするだけではなく、確定判決や和解により調書を交わす必要があります。

賃料の支払延滞が継続すれば、信頼関係を破綻させるものとして要件に該当すれば解除もあり得るといえます。賃料や地代を回収するのはもちろん、地代を延滞するような借地人に対しては契約解除の方向性も模索しながら最終解決を図る姿勢が重要です。

著者情報

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人

法政大学工学部建築学科卒、フリーカメラマンを経て、某中堅不動産仲介業者で7年勤務、成績優秀者賞等を受賞、月間最高売り上げ1800万円。退社後、株式会社ドリームプランニングに入社、底地、借地、再建築不可、市街化調整区域内の土地など、特殊な土地の売買を多く手掛ける。2020年8月より代表取締役に就任

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