全国にある傾斜地に建っているマンション。
売却できるのか、購入して良いか、気になりますね。
別名「地下室マンション」と呼ばれるこれらは売却が難しいというお話はよく聞くかと思います。

そこで今回は、傾斜地マンションの問題点や傾斜地マンションの売却方法などを現役不動産屋社長が詳しく解説いたします

【この記事は、こんな方のために書いています】

著者情報

傾斜地(地下室)マンションは何が問題?【売却方法も解説】with image|URUHOME

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人

法政大学工学部建築学科卒、中堅不動産仲介業者を経て、株式会社ドリームプランニングに入社。底地、再建築不可、市街化調整区域内の土地など、特殊な土地の売買を多く手掛ける。2020年8月より代表取締役に就任

著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、東京・神奈川の傾斜地マンション・傾斜地・がけ地などの特殊な不動産を専門的に買取りしてまいりました。

当サイトURUHOMEは、私達が積み上げてきたノウハウを不動産のお悩みを抱えていらっしゃる方々の問題解決に役立てたいと思い、「ニッチな不動産のお悩み解決サイト」として立ち上げたものです。

ご売却にお困りの不動産がございましたら、こちらからお気軽にご相談くださいませ。

  1. 傾斜地マンション(地下室マンション)とは?
  2. 傾斜地マンション・地下室マンションの紛争
  3. 傾斜地マンション・地下室マンションの売却が難しい理由
  4. 傾斜地マンション・地下室マンションを高く売るには

1.傾斜地マンション(地下室マンション)とは?

➤ 傾斜地マンション
傾斜地マンションとは、地下室部分(天井の高さの1/3以上が地盤面下の階)にも住戸があるマンションの事です。1994年及び1997年の建築基準法の改正により、傾斜地に地下室部分を有するマンション(別名「地下室マンション」とも言います)が増加しました。

これらのマンションの多くは第一種低層住居専用地域と言われる2階か3階建てが限度の地域に建てられ、地下室を入れて5階、6階建て(若しくはそれ以上)の階数を有するマンションを作ってしまうことも多くみられます。

二度の法改正で地下室及び共用部分を含む建物の容積率が緩和され、横浜市内を中心に全国にこうした形態のマンションが建てられました。

地下室マンション傾斜地マンションのイメージ
▲ 地下室マンションのイメージ図

1-1.1994年の建築基準法改正とは

1994年の建築基準法改正以前は、地下に居室を設けることは出来ませんでしたが、基準法29条の改正により、一定の条件下で地下室にも居室を建築できることになりました。

また、建築基準法52条により、住宅の延べ床面積が1/3以下の場合、地下室を容積率に参入しないという規制緩和が行われました。

この改正によって、地下室を有する一戸建てが増えることになりました。

1-2.1997年の建築基準法改正とは

1997年の基準法の改正により、建築基準法52条5項によって、共同住宅の共用の廊下、階段などに供する床面積が参入されないことになりました。

このため、これ以降地下室マンションが急増しました。

1-3.傾斜地マンションが増加した要因

1990年にバブルが弾け地価が下落する中、様々な法律の規制緩和が行われるようになりました。

1994年と1997年の基準法改正によって、開発するには多額の造成費が必要で手つかずだった傾斜地に、目が向けられるようになりました。

中小の不動産ディベロッパーが、2度の法改正により土地価格の安い傾斜地に共同住宅を建築することで、割安感のあるマンションを建てられるようになったことが傾斜地マンションが大きな要因です。

1-4.傾斜地マンション・地下室マンションの問題点

1994年及び1997年の建築基準法の改正により、住宅の地階部分及び、共同住宅の容積率が緩和され、今までは3階までの建築が限度だった低層住居専用地域に、規制緩和を最大限に利用したような中高層のマンションが増え、紛争が頻発しました

中には盛土をして、無理やり地盤面を高くして建築された地下室マンションも建てられるようになりました。

近隣の住民にとって自然な風景の傾斜地として、景観も変わらないであろうと思って住んでいたところに、突如として圧迫感のある中高層のマンションが建てられるのであるから、当然と言えば当然の事です。

2004年ごろから、傾斜地を多く有する自治体では、条例によって傾斜地マンションの建築が厳しく制限されるようになりました。

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2.傾斜地マンション・地下室マンションの紛争

傾斜地マンション・地下室マンションでは、周辺住民が建築確認の取り消しを求めて、実際に建築確認が取り消された事例もいくつかあります。

他にも全国で傾斜地・地下室マンションに関する紛争が多発していることからも、近隣住民からはあまりよく思われていないと言えそうです。

2-1.地下室マンションが近隣住民に与えていると思われる問題点

地下室マンションに反対する市民ネットワークによると、地下室マンションの問題点は次のようなものが上げられるようです。

  低層住宅地としての景観が台無しになる。
  日照、通風、眺望などが妨げられる。
  傾斜地に僅かに残っていた緑が失われる。
  傾斜地の崖崩れが心配である。
  マンションから見下ろされる状態になり、近隣住民のプライバシーが侵害される。
  人口が過密となり、交通量増大、公園の不足、騒音の増大などが生ずる。
  住宅地としての価値が下落し、近住宅地の財産価値が低下する。

2-2.横浜市港北区で建築確認が取り消された事例

横浜市港北区で地下室マンションの建築に関して、予定地に10メートル近く「盛り土」することで地下室面積を増やし実質30メートルの高さを確保していたとして、周辺住人が横浜市に建築確認の取り消しなどを求めていた行政訴訟について、横浜地裁は建築確認処分の取り消しを命じました。

2審では「建物が完成済みであり、建築確認取り消しの訴えの利益は失われる」として、請求が棄却されました。

2-3.横浜市金沢区で建築確認が取り消された事例

横浜市金沢区の斜面地で建設中の「地下室マンション」について、東京地裁は2016年11月29日にA・B棟の2棟のうちB棟について「建築基準法に適合せず違法」として、民間の検査機関が行った建築確認を取り消す判決を言い渡しました。

検査機関は地上3階、地下2階の5階建てとして建築確認をしましたが、原告である住民側は「この地盤面が、意図的に偽装された」と主張し、裁判所も「その主張は、合理的である」と認めました。

3.傾斜地・地下室マンションの売却が難しい理由

傾斜地マンションは様々な紛争の原因となっていることなどからも、最近は新築で建てられることがほとんど無くなりました。

しかし、既に購入していて売却する場合でも、売却が難しい不動産であることに違いはありません。

ここでは、傾斜地マンションが売却しにくい理由について解説してまいります。

3-1.既存不適格であることが多い

➤ 既存不適格
既存不適格とは、建築時点では適法に建築されていたものの、その後法改正や条例の制定により、現時点の法令や条例では適法ではない建築物を指します。

傾斜地マンションの場合、建築時には合法に建てられていたものの、その後の度重なる紛争により、条例が付加された結果、現在は同規模の建物が建てられないものがほとんどです。

こういった建物は将来にわたり修繕し続けるしかないため、金融機関の担保評価も低くなる、つまりローンが組みにくいという傾向があります。

3-2.修繕費が高い

傾斜地マンションの多くは、他のマンションに比べて修繕費や管理費が高い傾向にあります。

専有部分と共有部分が一般的なマンションより広いのも管理費が高い要因となっておりますが、傾斜地に建っているので資材の搬入が難しいことや、特殊な工事が必要になることも修繕費が高くなる要因となっております。

エレベーターなどは、斜めに動くエレベーターが使われていることもあり、汎用性が低い分、工事費が高くなります。

3-3.湿気が多い

傾斜地・地下室マンションは、一方に窓が全くないことなどもあり、特に窓のない部屋については、湿気っぽくなりがちです。

また、窓を開けても風が通り抜けにくいので、そういった点でも敬遠する方は多くいらっしゃいます。

傾斜地マンション地下室マンションの売却は難しい

4.傾斜地・地下室マンションを高く売るには

傾斜地・地下室マンションを高く売るには、ニッチな不動産”URUHOME”でお馴染みドリームプランニングにお任せください。

ドリームプランニングは、2005年の創業以来、横浜、川崎、都内城南地区などを中心に、全国で傾斜地・地下室マンションの買い取り実績も豊富です。

最短2時間で査定、2日以内に現金化も可能ですので、売却にお困りの傾斜地・地下室マンションがございましたら、お気軽にご相談ください。

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