「連棟式建物を購入したいけど、ローンが組めるのか心配……」

ニッチな不動産でおなじみドリームプランニングでは、日々そんなお悩み相談をいただきます。

連棟式建物でもローン融資を受けられますが、ハードルが高いのは間違いありません。

そこで今回は、連棟式建物はじめ売却が難しい不動産の買取専門業者の社長が、連棟式建物のローンについて分かりやすく徹底解説していきます!

【この記事は、こんな方におすすめです!】

著者情報

連棟式建物でローンは組める?【住宅ローン・投資用ローン・リフォームローン等】with image|URUHOME

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人

法政大学工学部建築学科卒、中堅不動産仲介業者を経て、株式会社ドリームプランニングに入社。底地、再建築不可、市街化調整区域内の土地など、特殊な土地の売買を多く手掛ける。2020年8月より代表取締役に就任

著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、日本全国の連棟式建物や底地・借地などの特殊な不動産を専門的に買取りするため、多数の不動産トラブルの相談を受けておりました。

当サイトURUHOMEは、私達のノウハウを不動産のお悩みを抱えていらっしゃる方々の問題解決に少しでもお役に立てればと思い、「ニッチな不動産のお悩み解決サイト」として立ち上げたものです。

連棟式建物のことでお困りでしたら、
こちらからお気軽にご相談くださいませ。

  1. 【結論】連棟式建物でローンは組めます!
  2. 【予備知識】連棟式建物とは
  3. 連棟式建物で住宅ローンを組む方法
  4. 連棟式建物で投資用ローンを組む方法
  5. 連棟式建物でリフォームローンを組む方法
  6. ローンの申し込みから融資実行までの流れは?
  7. 連棟式建物を購入する前に考えておくべきこと
  8. 連棟式建物のお悩みはURUHOMEへご相談を

1.【結論】連棟式建物でローンは組めます!

結論から言うと、冒頭でもふれた通り連棟式建物でローンを組むことは可能です。

ただし、誰でもどんなケースでも簡単にローンが組める訳ではないので、注意してください。

連棟式建物でローンを組む場合、資金用途によって大きく(1)住宅ローン(2)投資用ローン(3)リフォームローンの3つがあります。

これからそれぞれのローンについて解説していくので、皆さんのニーズに合わせてご覧ください。

2.【予備知識】連棟式建物とは

タウンハウス

敷地は共有している

連棟式建物でローンは組める?【住宅ローン・投資用ローン・リフォームローン等】with image|URUHOME

テラスハウス

敷地は分かれている

連棟式建物でローンは組める?【住宅ローン・投資用ローン・リフォームローン等】with image|URUHOME

ここでまず、連棟式建物(れんとうしきたてもの)とは何か確認しておきましょう。

連棟式建物とは、棟を連ねると書くように、建物同士が隣り合わせでくっついている建物を指します。

建物がもっぱら住居にのみ使われている場合、連棟式住宅などと呼ばれることもありますが、どっちも同じ意味です。

連棟式建物は大きくテラスハウスとタウンハウスの2種類に分かれ、形状や外観は同じでも権利関係が異なるため、それぞれ解説していきましょう。

2-1.テラスハウスとは

連棟式建物のうち、テラスハウスとは敷地の所有権が各住戸ごとに明確に区分されているものを言います。

テラスハウスという名前の由来は、各住戸にテラスがついていることからそう名づけられたとか(実際には、テラスが設けられていない物件でもテラスハウスと呼びます)。

地上の連棟式建物についても所有権が分かれているため、登記上は戸建て住宅と同じです。

▲連棟式建物の登記について、徹底的に解説しています。連棟式建物を購入されるなら、必須の知識が満載です!

2-2.タウンハウス(土地共有タイプ)とは

連棟式建物のうち、タウンハウスとは敷地の所有権が複数住戸(たいてい全住戸)で共有されているものを言います。

タウンハウスという名前の語源は、一つの敷地に複数の住戸が町(タウン)のように密集しているイメージでしょうか(諸説あり)。

地上の連棟式建物は所有権が分かれているけど、敷地は共有。マンションのような形に近いスタイルです。

2-3.タウンハウス(敷地分筆タイプ)とは

タウンハウスの中でも、敷地の所有権が各住戸ごとに区分されているものもあります。

そう聞くと「え?それってテラスハウスじゃないの?」と思われる方もいるでしょう。正直、筆者もそう思いました。

調べてみると、テラスハウスとの違いは「地上にある連棟式建物の権利」にあります。

連棟式建物が各住戸の「所有権」ならテラスハウス、一棟のの連棟式建物が登記された上で、各住戸で「区分所有」している場合はタウンハウス(敷地分筆タイプ)と言えそうです。

厳密にはもっと複雑みたいですが、実務上必要ないため、その程度にご認識ください。

2-4.連棟式建物は権利関係が複雑なので、ローンが組みにくい

 テラスハウスタウンハウス(土地共有タイプ)タウンハウス(敷地分筆タイプ)
地上建物各住戸の所有権区分所有建物として登記区分所有建物として登記
敷地権利各住戸で区分各住戸で共有各住戸で区分

以上、連棟式建物についてざっくり解説してきました。

表にまとめたとおり、連棟式建物は権利関係が複雑なので、ローンが組みにくい特徴があります。

権利関係が複雑だと利活用や売買に制約がかかりやすいため、障壁を取り除くためのコストを加味すると、通常物件に比べて資産価値が下がってしまうのです。

資産価値が低いとローンの抵当に入れても(担保にとっても)返済が滞った時に差し押さえ・競売しても不良債権をペイできません。

そうした事情を加味すると、連棟式建物でローンを組むのは全体的に難しいと言えるでしょう。

3.連棟式建物で住宅ローンを組む方法

連棟式建物の性質について把握、予備知識をおさえたところで、いよいよ本題に入ります。

まずは自分で住むために連棟式建物を購入する際に使う住宅ローンを組む方法について、詳しく解説していきましょう。

3-1.連棟式建物でも新築タウンハウスは比較的ローンを組みやすい

マンションのような好立地と、戸建て住宅のような住み心地を楽しめるタウンハウスは近年人気が高まっています。

タウンハウスは権利形態的にマンションと似通っているからか、新築であれば住宅ローンを組むことが比較的容易です。

タウンハウスの建設を手がけたディベロッパーと提携している金融機関や、フラット35であれば特に問題なく住宅ローンが組めるでしょう。

※他の条件によってローン審査に通らないこともなくはないため、具体的にはディベロッパーの担当部署や金融機関へお問い合わせください。

3-2.同じ新築でも、テラスハウスのローンはどうなの?

外観上はほとんど同じでも、敷地の権利状態によってほぼ戸建て住宅のようなテラスハウスは、住宅ローンにおいてどうなのでしょうか。

実際は、新築でテラスハウスのような登記をされている事はほとんど無く、同じくディベロッパーの提携している住宅ローンを利用する形になるでしょう。

ただ、現在は一般的な登記方法ではないため、ローンは難しくなる可能性が高いでしょう。

3-3.築年数が古いタウンハウス&テラスハウスで住宅ローンを組む場合

連棟式建物に限らず、築年数が古い不動産については資産価値が下がってしまうため、住宅ローンのハードルは高くなってしまいます。

築年数が古くなっている連棟式建物で住宅ローンを組むのであれば、物件周辺にある地元の信用金庫などが候補となるでしょう。

連棟式建物は売却が難しいため担保評価が低いのですが、運よく信用金庫でローンを組める可能性もあります。

しかし、ローンを組む難易度が非常に高いため、現金購入も視野に入れる必要があります。

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4.連棟式建物で投資用ローンを組む方法

連棟式建物を自分で住むのではなく、投資用物件として購入する場合は、投資用ローンを組む必要があります。

投資用ローンを組む場合、購入しようとしている連棟式建物の他にも不動産を担保を入れることを求められるでしょう。

ローンの融資が受けられるかどうかは、担保に入れる不動産の価値次第です。融資を受ける先としては、地銀や信金、日本政策信用金庫などが候補に挙げられます。

投資用ローンの融資を受けられれば金利は1%程度におさえられることもあるため、担保物件が用意できる方にはおすすめです。

しかし投資用ローンは審査の目が厳しく、レントロール(賃貸料台帳。ここでは収支計画)作成を求められたり、担保物件を詳しく調査されたりなど時間がかかる難点があります。

4-1.担保物件がない場合でも投資用ローンは組める?

投資用ローンは住宅ローンと違って生活と直結しないため、金融機関としても「できれば組めるようにしてあげたい」という姿勢ではありません。

なので追加で入れる担保物件がない場合、金融機関で投資用ローンを組むのは難しいでしょう。

そうなると連棟式建物を現金購入するか、ノンバンクでローンを組むことが考えられます。

セゾンファンデックスなどのノンバンクは比較的ローンが組みやすいので、担保物件がない場合はスルガ銀行や三井住友ローン&ファイナンスなどのノンバンクを当たってみましょう。

金利は3%後半からになることが多く、不動産投資の利回りに影響してしまうのは仕方がありません。

合わせて近ごろは自己資金を不動産投資資金の20%以上を入れておくよう求められることも多く、自己資金の少ない方は他の資金調達も視野に検討していきましょう。

5.連棟式建物でリフォームローンを組む方法

連棟式建物をリフォームする場合のリフォームローンは、どのように組むのでしょうか。

「リフォームローン」で検索すると、金融機関のページが出てきます。

ここでは一例として、JAバンクのリフォームローンを調べてみましょう。

金利は管轄ごとに異なりますが、例えばドリームプランニングがある神奈川県横浜市中区を管轄するJAバンクでは2,150~3.275%/年(変動/保証料含む)とのことです。

借入金額は10万~1,500万円で1万円単位、借入期間は1~15年。担保は不要、保証人はJAバンクの指定保証機関の利用が条件となります。担保も保証人も用意しなくてよいのは助かりますね。

その他、詳しいことについては金融機関の窓口へご確認ください。

▲連棟式建物をリフォームする際の方法や注意点などをまとめています。合わせてどうぞ!

6.ローンの申し込みから融資実行までの流れ・必要書類・費用は?

連棟式建物でローンを組む場合、どんな手続きが必要で、どのくらいの期間がかかるのでしょうか?

ここではローンの申し込みから融資実行までのフロー(流れ)と期間を、簡単に解説しておきます。

6-1.連棟式建物でローンを組む流れは?

  1. 仮審査を申し込む
  2. 仮審査結果の通知(約1週間後)
  3. 本審査を申し込む(仮審査が通り次第)
  4. 本審査結果の通知(約10~14日後)
  5. ローン契約(金銭消費貸借契約)を締結
  6. ローン融資の実行

手続きの段取りにもよりますが、連棟式建物でローンを組むためにかかる期間はおおむね3~5週間。およそ1ヶ月前後ほどかかると見込んでおくといいでしょう。
但し、担保評価の調査などを行うので、審査が長引く可能性もあります。

ローン融資実行された後は物件の引き渡し(鍵の受け渡し)を行い、所有権と抵当権の登記をすませたら連棟式建物の取引は完了です。

6-2.連棟式建物でローンを組む際の必要書類は?

6-2-1.連棟式建物のローン仮審査で必要な書類

本人確認資料

  • 運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、健康保険証 など

収入に関する書類

  • 源泉徴収票など(給与所得者)
  • 確定申告書の写しなど(事業所得者など。約3年分)

物件確認資料

  • 物件の販売図面、公図、測量図、土地・建物の登記事項証明書など(担保評価を事前審査で行う場合)

6-2-2.連棟式建物のローン本審査で必要な書類

本人確認資料

  • 運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、健康保険証 など
  • 住民票
  • 印鑑証明書

収入に関する書類

  • 源泉徴収票、住民税決定通知書or課税証明書(給与所得者)
  • 確定申告書の写し(事業所得者など、3年分)
  • 申告所得税納税証明書(事業所得者など、3年分)
  • 事業税納税証明書(事業所得者など、3年分)
  • 法人の決算報告書、法人税納税証明書 など(法人代表者、各3年分)

物件確認資料

  • 販売図面など
  • 売買契約書、重要事項説明書、工事請負契約書などの写し
  • 土地、建物の登記事項証明書、建築計画概要書、台帳記載証明など

6-3.連棟式建物でローンを組む際の費用は?

ローンを借り入れる際には、手数料や税金などの費用が発生します。

主な費用として(1)融資手数料(2)印紙税(3)ローン保証料(4)登記費用が考えられるので、それぞれ解説していきましょう。

6-3-1.融資手数料

これはローン組む際に、金融機関や保証会社に対して支払う事務手数料です。

相場としては3~5万円、あるいは融資金額の2%に設定しているところがあります。

6-3-2.印紙税

住宅ローンの契約書に収入印紙を貼ることで納税するものです。

納税額は融資金額によって異なりますが、連棟式建物のローン(住宅ローン・投資用ローン・リフォームローン)で一般的に想定される価格帯に相当する印紙税額がこちらになります。

100万円超~500万円以下2,000円
500万円超~1千万円以下10,000円
1千万円超~5千万円以下20,000円
5千万円超~1億円以下60,000円

※参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

6-3-3.ローン保証料

これは万が一、連棟式建物のローン返済が滞ったケースに備えて保証会社へ支払っておきます。

例えば35年返済のローンでは融資金額1,000万円当たり20万円程度が相場です。

金融機関によってはローン金利に上乗せされたり、保証料ゼロだったりするので、確認しておきたいところです。

ローン保証料は繰り上げ返済した時や、ローンを借り換えた場合に返還されることがあるので、意識しておくといいでしょう。

6-3-4.登記費用

不動産登記に際して、登録免許税や司法書士の手数料などがかかります。

登録免許税は融資金額の0.1%か0.4%、司法書士手数料は5~10万円が相場のようです。

7.連棟式建物を購入する前に考えておくべきこと

ここまで連棟式建物の購入/リフォーム等にローンが組めるかどうかについて、なるべく分かりやすく詳しく解説してまいりました。

理論上はサラッと書いていますが、実際のローン審査はなかなか厳しいものがあります。

また、ローン以外にも連棟式建物を購入する前に考えておくべきことがあるので、予備知識として頭に入れておいて損はないでしょう。

▲連棟式建物を本当に買うべきか?選ぶ前に知っておいて欲しいポイントをまとめています。

7-1.連棟式建物のメリット

  • 戸建てのような感覚で住める
  • マンションなど集合住宅に比べると自由度が高い
  • 隣家とインフラを共有していることが多いため、比較的安く建てられる
  • 資産価値が戸建てに比べて低いため、安く購入できる
  • 建物がヨコ同士でつながっているため、災害時にも倒壊の危険が少ない?
  • 物件によっては、マンションのように管理規約があるため生活秩序を保ちやすい

7-2.連棟式建物のデメリット

  • 建物の側面がつながっているため、隣家の生活音が気になりやすい
  • 逆に、こっちが隣家に迷惑をかけていないか気を遣ってしまう
  • 住戸同士が密接しているため、近隣トラブル発生時が面倒
  • 権利関係が複雑なため、売却時の資産価値が低くなりがち
  • 資産価値が低くなるため、ローンを組むには他の担保も必要
  • 建物の側面がつながっているため、風通しや日当たりが悪くなる
  • 建物同士がつながっているため、建て替えが難しい
  • 建物同士がつながっているため、隣戸が火事を起こしたらまず無傷では済まない
  • 物件によっては、マンションのように管理規約で縛られる可能性がある

7-3.連棟式建物のメリット&デメリットまとめ

連棟式建物のメリットとデメリットを挙げてみましたが、こうしてみるとメリットとデメリットが表裏一体になっていることが分かります。

例えば買う時に安く購入できるということは、売る時に高く売却できないのとイコールです。

自分自身が実際に住んでから後悔しないよう、事前に入念なシミュレーションをしたり、下調べをしておくことを強くおすすめします。

7-3-1.連棟式建物がおすすめな方

  • 「向こう三軒両隣」的な古き良き人情味あふれるライフスタイルが好きな方
  • 協調性が高い方
  • 安く物件を購入したい方
  • 地面に近い暮らしをしたい方(≒高層階が苦手な方)
  • 普通に暮らせれば、細かいことはあまり気にしない方……等など

※基本的に、筆者の主観と取引経験に基づいたものです。例外も多々あるため、あてはまらない方もいるでしょう。

地に足をつけた、ご近所さんとの関係を大事にしたい方には連棟式建物がおすすめかも知れませんね。

7-3-2.連棟式建物をおすすめできない方

  • 隣戸の生活音が気になってしまう方
  • 物件の日当たりや風通しにこだわりたい方
  • ご近所づきあいが苦手な方
  • 現状の内装や間取りに満足しておらず、建て替えや大規模リフォームを考えている方
  • 他人様との権利関係などをキッチリ分けたい方……等など

※基本的に、筆者の主観と取引経験に基づいたものです。例外も多々あるため、あてはまらない方もいると思います。

良くも悪くもご近所さんとのかかわりが密接な連棟式建物は、距離感を保つのが難しいかも知れません。

今どきな表現をするなら「繊細さん」にはちょっと不向きではないでしょうか。

8.連棟式建物のお悩みはURUHOMEへご相談を

以上、連棟式建物のローンについてプロの視点から徹底解説してきました。

読者の中には既に連棟式建物を所有されていて、購入希望者にローンの案内をしている方がいるかも知れません。

しかし連棟式建物のローンを組むのはハードルが高いため、一般の方がローンを案内するのは至難の業です。

それよりはドリームプランニングに直接売却した方が手間が少なくすむでしょう。

当サイトURUHOMEを運営するドリームプランニングでは2005年の創業以来、神奈川・東京を中心に連棟式建物を多数買取りしてまいりました。

連棟式建物の買取り査定は完全無料。最速ではご連絡から2時間で査定完了、2日で売却できたケースもございます。

連棟式建物のスピード売却&現金化をご希望でしたら、ぜひともドリームプランニングへご相談くださいませ。

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