インターネットで見つけた再建築不可物件の情報。その中に「建築基準法の道路への接道義務」という言葉はありませんか?

「接道義務」とは何か?「建築基準法の道路」とは何か?疑問に感じたことでしょう。

そこで今回は、ニッチな不動産取引でお馴染みドリームプランニングの社長が「接道義務」「建築基準法の道路」など、不動産の基礎知識を分かりやすく解説してまいります。

【この記事は、こんな方向けに書きました】

著者情報

再建築不可物件と接道義務の関係は?建築基準法道路について不動産のプロが解説with image|URUHOME

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人

法政大学工学部建築学科卒、中堅不動産仲介業者を経て、株式会社ドリームプランニングに入社。底地、再建築不可、市街化調整区域内の土地など、特殊な土地の売買を多く手掛ける。2020年8月より代表取締役に就任

著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、日本全国の再建築不可物件や底地・借地などの特殊な不動産を専門的に買い取るため、多数の相談を頂いてまいりました。

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  1. 接道義務を満たさないと再建築不可物件に
  2. 再建築不可物件の接道義務を満たし、再建築可能にする方法は?
  3. 再建築不可物件の接道義務がどうしても満たせない場合は?
  4. 再建築不可物件の接道義務を満たさないで売却するにはどうする?
  5. 再建築不可物件や接道義務でお悩みならURUHOMEへご相談を

1.接道義務を満たさないと再建築不可物件に

それではさっそく始めましょう。まず、接道義務とは何なのでしょうか。

接道義務とは、読んで字のごとく「道に接する義務」を言います。

結論から話すと「2m以上『道路』に接していない土地に、建物を建ててはならない」というルールが、建築基準法に定められているのです。

▲ 再建築不可物件かどうか調べる方法を解説。合わせてお読みください

1-1.原則は「幅4m以上の道路に2m以上接している」こと

接道義務について、建築基準法ではこのように定められています。

建築基準法 第43条 【クリックで全文表示】

第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの
3 地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する建築物について、その用途、規模又は位置の特殊性により、第一項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を十分に達成することが困難であると認めるときは、条例で、その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。
一 特殊建築物
二 階数が三以上である建築物
三 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物
四 延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合にあつては、その延べ面積の合計。次号、第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物
五 その敷地が袋路状道路(その一端のみが他の道路に接続したものをいう。)にのみ接する建築物で、延べ面積が百五十平方メートルを超えるもの(一戸建ての住宅を除く。)

※参考:建築基準法|e-Gov法令検索

条文が長くてこむずかしいので、分かりやすくかみ砕いて解説しましょう。

建築基準法 第43条
第1項 道路に2m以上接していない土地に、建物を建ててはならない。
(この道路は、自動車専用道路≒高速道路と地区計画区域内の道路を除きます)
第2項 第1項の規定は、特定行政庁が安全上問題ないと認めた建物には適用しない。
第3項 自治体は、状況に応じて制限を厳しくすることができる。

ごくざっくりですが、とにかく「土地に建物を建てたいなら、その土地は幅4m以上の『道路』に2m以上接していること」と覚えておけば十分です。

▲ 再建築不可物件とは何か?分かりやすく徹底解説!

1-2.建築基準法で定める「道路」とは?(建築基準法第42条)

法42条の道路に接道していなければ、接道義務を満たしているとは言えません

建築基準法における道路とは、第42条で定義されています。見た目が道路っぽくても、建築基準法上は道路でない場合もあるということです。

建築基準法 第42条【クリックで全文表示】

第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
一 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路
二 都市計画法、土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和三十九年法律第百六十号)、都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)、新都市基盤整備法(昭和四十七年法律第八十六号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)又は密集市街地整備法(第六章に限る。以下この項において同じ。)による道路
三 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
四 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
2 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
3 特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。
4 第一項の区域内の幅員六メートル未満の道(第一号又は第二号に該当する道にあつては、幅員四メートル以上のものに限る。)で、特定行政庁が次の各号の一に該当すると認めて指定したものは、同項の規定にかかわらず、同項の道路とみなす。
一 周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道
二 地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道
三 第一項の区域が指定された際現に道路とされていた道
5 前項第三号に該当すると認めて特定行政庁が指定した幅員四メートル未満の道については、第二項の規定にかかわらず、第一項の区域が指定された際道路の境界線とみなされていた線をその道路の境界線とみなす。
6 特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。

※参考:建築基準法|e-Gov法令検索

これも詳しく解説していたら頭がパンクしてしまうので、ざっくりまとめると以下の通り。

【建築基準法 第42条】

  • 1項1号道路……道路法による道路。いわゆる公道(国道・都道府県道・市町村道)
  • 1項2号道路……区画整理法や都市計画法による道路。区画整理や宅地造成でできた道路
  • 1項3号道路……建築基準法の施行時(1950年)以前からあった道路
  • 1項4号道路……都市計画事業などで2年以内に建設予定の道路
  • 1項5号道路……特定行政庁の指定を受けて新設した道路。いわゆる位置指定道路

※参考:2-2 道路とはどのような道のことですか? 江戸川区ホームページ

さっきから特定行政庁という言葉が出てきますが、これは建築主事を設置している市町村の首長もしくは都道府県知事です。

特定行政庁も建築主事も、不動産用語としてよく出てくるので、覚えておくと便利でしょう。

1-3.道幅が4mに満たない場合も「みなし道路」になる可能性が(第42条2項)

先ほど解説したとおり、建築基準法の道路とは原則的に幅員4m以上のものを言います。

しかしこれには「みなし道路」という例外があり、建築基準法第42条第2項に規定されているため「2項道路」とも言いますが、「みなし道路」と「2項道路」はどちらも同じものです。

建築基準法第42条 第2項
2 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。

※参考:建築基準法|e-Gov法令検索

……条文を読まれた方、大丈夫ですか?
ややこしすぎて寝落ちしていませんか?

要するに「この法律などができた時点で、すでに家がたくさん建っていた道路については、幅が4mに満たなくても満たされている道路と見なす」という意味です。

敷地がみなし道路(2項道路)に2m以上面していれば、接道義務を果たしていることになるため、再建築が可能となります。

1-4.こんな時も接道義務が満たせず再建築不可物件に

その他、こんな時も接道義務を満たしておらず、再建築不可物件になってしまうので注意しましょう。

接道している路地状敷地一部でも2m未満だと接道義務を満たしていない
  • 接道部分の途中に構造物が張り出して、接道幅が2m未満になってしまう部分がある
  • 接道部分の道幅が狭くなり、2m未満になってしまう部分がある
  • 接道部分の上空に隣家の屋根などが張り出した(空中越境した)場合も同様
    ※空中越境した場合、その下まで隣家の敷地とみなされてしまうため

イメージとしては「敷地の入り口から直径2mのボールを転がして、スムーズに敷地の中央まで行ければ接道義務はほぼOK」といったところです。

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2.接道義務を満たしていない再建築不可物件の再建築を可能にする方法は?

さて、接道義務を満たさない限り、再建築不可物件の建物を建て替えることはできません。

再建築不可物件の接道義務を満たす方法はいくつかありますが、大きく分けると以下の二つになります。

2-1.接道を2m以上にして接道義務を満たす方法

再建築不可物件の接道を2m以上にするためには、隣地を一連の敷地として使えるようにしなければなりません。

以下に隣地を使えるようにして接道義務を満たす方法を解説していきましょう。

▲ 再建築不可物件の建て替えを実現する方法をまとめたページがこちら

2-1-1.隣接する土地を購入する

接道義務を満たすため、もっともシンプルかつ確実なのが、隣地を購入してしまうことです。

自分の所有権として手に入れられれば、後から接道義務が無効にされてしまう危険性を限りなくおさえられます。

隣地の購入方法は隣地を丸ごとか、資金に余裕がなければ接道義務を満たせる最低限の土地だけ譲ってもらう方法が考えられるでしょう。

ただし一部だけ購入する場合、土地を分筆するなどの手間がかかってしまうため、資金が許すのであれば隣地を丸ごと購入した方がトラブルも少なそうです。

この時、隣地の所有者が接道義務を満たしたいこちらの事情を知って足元を見たり、売り渋ったりなどのトラブルも想定されます。

もし隣地の購入を検討しているなら、所有者との関係を少しでも良好にして円満な取引を期したいところです。

2-1-2.隣接する土地の一部を借りる

隣地を借りている状態、つまり所有権を持っていなくても再建築不可物件の接道義務を満たすことができます。

隣地の所有者と使用貸借(無償で借りる)契約が結べれば、まったくお金をかけることなく再建築不可物件の接道義務を満たせるのです。多くの場合は有償の賃貸借契約となるでしょう。

ただし、有償無償を問わず土地を借りている状態は非常に不安定なもの。隣地所有者の意向しだいでは、解約されても不思議ではありません。

そのため隣地を借りて接道義務を満たした場合、隣地を購入した場合に比べて不動産の担保価値が低く見積もられるため、ローン審査を通すのは難しいでしょう。

2-1-3.土地の等価交換で接道義務を満たせる?

隣地の所有者がタダで土地を使わせてくれるケースは非常に少ないでしょう。しかしこちらも支払うお金に余裕がないことが少なくありません。

であれば、お金の代わりに土地を等価交換して再建築不可物件の接道義務を満たすケースも考えられます。

例えば接道部分の土地を必要なだけ譲ってもらい、その代わりに敷地の中から同じ面積or同じ価値の土地を譲ることで、金銭的なやりとりなしで再建築不可物件の接道義務を満たせるのです。

とは言え土地の等価交換は非常に複雑なので、実務的な手続きはプロに相談した方がいいでしょう。

2-2.現に2m以上接している道を建築基準法の「道路」にする方法

次に「現に2m以上の道路に接してはいるが、その道路が建築基準法の『道路』でない場合」についても解説していきましょう。

2-2-1.43条2項2号の許可(但し書き道路)申請する

再建築不可物件の接している道路を建築基準法の「道路」にする方法の一つに、43条2項2号の許可(但し書き道路)があります。

43条但し書き道路と聞いてもピンとこないと思いますが、43条2項2号の許可(但し書き道路)とは、建築基準法第43条に規定された接道義務の例外です。

建築基準法43条
2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
一 その敷地が幅員四メートル以上の道(道路に該当するものを除き、避難及び通行の安全上必要な国土交通省令で定める基準に適合するものに限る。)に二メートル以上接する建築物のうち、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合するもので、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

※参考:建築基準法|e-Gov法令検索

一定基準を満たして建築審査会の同意が得られた道路に接していれば、建物の再建築が可能となります。

ではその基準とは何なのか、条文をまとめてみましょう。

(1)利用者が少数であること
(2)用途・規模について国土交通省例の基準に適合すること
(3)特定行政庁が交通・安全・防火・衛生上支障がないと認めること
(4)敷地の周囲に広い空き地があること

これらの基準が満たされた土地については、再建築ができるというわけです。

ただし道路を所有する地権者全員の同意(印鑑証明書と誓約書)が求められるケースがあります。

また、取れた許可の効力は一回限りで、次の再建築は認められない場合もあるため注意しましょう。

▲ 43条2項2号の許可(但し書き道路)について、詳しく解説しているページはこちら

2-2-2.2項道路の終端の判定を申請する

再建築不可物件の接道義務を満たす方法として、2項道路の終端の判定を申請するのも、よくあるパターンです。

先ほど登場した「2項道路(みなし道路)」。その終端の判定を申請するとは、どういうことでしょうか。

例えば、2項道路を認定する際に実際の道路終端(行き止まり)まででなく、その手前までしか認定していなかったケースがよくあります。

2方向で接道している方が居る場合、どちらかで基準法道路に接していれば接道義務を満たしている事になります。

こういった場合、2項道路を認めてしまうと建て替えの時にセットバックが必要になるため、2項道路と認めずにそのままになってしまう事があるのです。

そういった経緯があり、本来ならば2項道路と判定されても良いはずの所が、地権者が認めなかったため判定されていなかった……そんなケースで「2項道路の終端の判定」を申請することとなります。

住民A「この2項道路はまだ奥があるんだから、行き止まりまでちゃんと2項道路に判定してよ」

住民B「いや。そうすると私も建て替えの時にセットバックが生じるから認めないよ」

職員「……個人間の事は個人間で話し合ってから終端の判定をしてください」

……という風に、2項道路の終端を判定する際にトラブルになる事もかなり多くあります。

※マンションなどは所有・入居している全員ではなく、管理組合が代表するケースが多いのですが、それでも住民説明会を開いて皆さんの承認を得る必要があるのです。

2項道路として認めてもらう際の近隣との交渉はたいてい難航します。

相手を粘り強く説得するためには、交渉のノウハウや法律知識を持ったプロを間に立てるのがセオリー。
しかし道路判定のされていない不動産に接道しているならば、無理に接道義務を満たそうとするより、売却するのがおすすめです。

2-2-3.セットバックすれば接道義務を満たせるは嘘?

インターネットで「再建築不可物件 接道義務」などと検索していると、よく「セットバックで道路幅を広げれば接道義務を満たせるので、再建築が可能になります」といったノウハウ?が散見されます。

しかしこれは順番が逆なんじゃないでしょうか。

セットバックすれば再建築が可能なのではなくて、みなし道路(2項道路)に接道している物件が再建築する際にセットバックしなくてはならないのです。

つまりセットバックすれば建築できる物件を、再建築不可物件というのは難儀があります。

ですので、「セットバックすれば接道義務が満たせて再建築が可能になる」という知識は厳密には違うため、注意した方がいいでしょう。

2-2-4.位置指定道路を申請して接道義務を満たせる?

これまたインターネットで見つけた、再建築不可物件の接道義務を満たせる?ノウハウの一つ。

「位置指定道路を申請して接道義務を満たせば、再建築不可物件も再建築可能になる……」

そもそも位置指定道路とはどういうものか、分かっていればこういうノウハウ?は記述しなかったと思います。

位置指定道路とは建築基準法第42条第1項第5号に規定されるもので、その条文を確認してみましょう。

建築基準法 第42条 第1項
五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの

※参考:建築基準法|e-Gov法令検索

これまたややこしい文言ですが、これは例えば宅地造成・分譲する(開発行為に該当しない小さめの分譲地)時に、その敷地内へのばす道路をイメージすると把握しやすいでしょう。

位置指定道路は特定行政庁に申請して指定を受けるのですが、この位置指定道路は建築基準法上の「道路」に接していなければ指定を受けることができません。

つまり土地に2m以上接している道路が建築基準法上の「道路」でない前提がある以上、位置指定道路を申請して接道義務を満たすという選択肢はそもそもあり得ないのです。

インターネット上には、不動産の実務を知っているとあり得ないようなノウハウ?も少なからず転がっているため、注意した方がいいでしょう。

3.再建築不可物件の接道義務がどうしても満たせない場合、どうする?

さて。ここまで再建築不可物件について、接道義務を満たす方法等について解説してきました。

しかしどうしても接道義務が満たせない!再建築不可物件を取り扱っていると、そんなケースも少なからずあります。

接道義務が満たせず、再建築ができないならば、どうするか。こちらも方法はいくつかありますが、大きく分けると以下の二つに集約されるでしょう。

3-1.再建築不可物件の既存建物を活用する方法

再建築不可物件は再建築が出来なくても、条件を満たせば既存の建物をリフォームして活用することが可能です。

もちろん、リフォームしなくても十分活用できるなら、そのまま使うといいでしょう。

自分で住んでも人に貸しても、あるいは店舗などを営業してもいいですね(業種によってはいろいろと許可を取らなければいけませんが、今回は割愛します)。

3-2.再建築不可物件を更地にして活用する方法

再建築不可物件の建物が、もうリフォームのしようもないほど老朽化しているなら、いっそ解体して更地で活用することを考えましょう。

これまでは「更地だと固定資産税が6倍になるから」と、老朽化した空き家を放置しているケースがよくありました。

しかし空き家を放置すると空き家対策特別法(空き家等対策の推進に関する特別措置法)の適用を受けることがあり、税制優遇の解除や50万円以下の過料、挙句の果てには行政代執行と莫大な請求など散々な目に遭います。

▲ ゴミ屋敷など、空き家を放置するリスクなどについて詳しく解説しているページはこちら

一度更地にした再建築不可物件には建物が建てられないため、レンタルスペースや駐輪場(車が入れにくいため駐車場は厳しい)・資材置き場など少しでも資産として活用したいところですね。

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4.再建築不可物件を売却するにはどうする?

接道義務を満たせず、持て余している再建築不可物件を活用するのもいいですが、不動産を持っていると維持コストもバカになりません。

もういっそのこと、再建築不可物件を売却したいと思った方も少なくないことでしょう。そうなると、誰にどのように売却するかが大切になってきます。

ここでは、再建築不可物件をどこに売却したらより有利か、それぞれ解説していきましょう。

4-1.再建築不可物件を知人等に売却する(個人売買)

持て余した再建築不可物件の売却先として、手ごろな不動産を欲しがっている知人がいるなら、その人に売るのはどうでしょうか。

あなた「土地、買ってよ」

知人「いいよ、買うよ」

極端な話、これでも法的には売買契約は成立します。

が、そう理屈通りにいく訳ないのはご存じのとおりです。まして不動産取引は権利関係が複雑なため、十分な知識のない一般人同士で円満に完結できるほど甘くありません。

知人「おい、再建築不可物件って何だよ!家が建て替えられないなんて聞いてないぞ!」

あなた「ちゃんと言ったぞ。聞いてないお前が悪い!文句があるならカネを払え!」

……などなど。個人売買は最も手っ取り早いと思いきや、トラブルの温床。現実的な選択肢とは言えないでしょう。

4-2.再建築不可物件の売却を不動産会社に仲介してもらう

というわけで、やっぱり餅は餅屋。再建築不可物件の売却は不動産会社に仲介してもらうのが現実的です。ただし、ここでも問題が発生する可能性があります。

「この物件は売却できませんよ」

再建築不可物件は確かに買い手がつきにくいですが、絶対に売れないという訳ではありません。

ではなぜ「売却できない」なんて言われてしまうのか……それは不動産会社にとって儲けが少ないからです。

不動産会社は再建築不可物件の売却を仲介することで、仲介手数料をもらいます。

しかしその金額は法律(宅地建物取引業法第46条)で上限が決まっており、資産価値≒物件価格が安い再建築不可物件の売却を仲介したところで、あまり収益が上がりません。

さすがに「儲からないから」とは言いにくいため、何やかんやと理由をつけて断られてしまうことが少なくないでしょう。

4-3.再建築不可物件を買取専門業者に買取りしてもらう

個人間売買は危険だし、不動産会社に仲介してもらうのも難しい……となれば、再建築不可物件を買取専門業者に買取りしてもらうのはどうでしょうか。

買取専門業者は、再建築不可物件など売却が難しい不動産に付加価値をつけて売却することを前提としています。

そうした負動産再生(今回のケースなら接道義務を満たす等)のノウハウをもっているからこそ、再建築不可物件も買取りが可能です。また、売却の仲介ではないので仲介手数料もかかりません。

ただし不動産の買取りを謳ってはいても、実際には自社で買取りをしておらず、買取専門業者に仲介して仲介手数料を請求する会社もあります。

その場合は仲介手数料が発生してしまうため、あらかじめ自社で買取りをしている業者なのか、事前にチェックしておきましょう。

5.再建築不可物件でお悩みならURUHOMEへ

以上、再建築不可物件の接道義務について徹底解説してきました。再建築不可物件で悩まれている皆様のご参考になれば幸いです。

それにしても、再建築不可物件の接道義務を満たすには非常に高いハードルがそびえています。

ご自分で住まわれるなら何とかそのハードルを越えねばなりませんが、接道義務を満たして誰かに売却しようと考えているなら、いっそ再建築不可物件をそのまま買取りしてもらった方が合理的でしょう。

もし再建築不可物件でお悩みでしたら、当サイトURUHOMEを運営しているドリームプランニングへご相談くださいませ。

当社は2005年の創業から神奈川県・東京都を中心に日本全国の再建築不可物件などニッチな不動産を積極的に自社買取りしており、今回もお客様のお役に立てるかと思います。

再建築不可物件の買取査定は完全無料、最短ではご依頼から2時間で査定・2日で売却できたケースもございました。

持て余している再建築不可物件のスピード売却&現金化をご希望でしたら、一度ドリームプランニングまでご相談くださいませ。

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