著者情報
株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人
著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、2005年の創業より空き家の買取り専門業者として日本全国で訳アリ物件を買取してまいりました。
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- 空き家対策特別措置法って何?
- 空き家対策特別措置法で何がどうなる?
- 空き家対策特別措置法の特定空き家、管理不全空家とは?
- どんな物件が特定空き家、管理不全空家になるの?
- 空き家対策特別措置法の特定空き家に指定された例
- 空き家を放置しないようにするには?
- 民間事業者と連携した空き家の取り組み
- 空き家に利用出来る補助金はある?
- 空き家の売却ならURUHOME
1.空き家対策特別措置法って何?
総務省の土地統計調査によると、空き家の総数は1988年から2018年にかけて、1.5倍(576万戸→849万戸)に増加しました。
適切な管理が行われていない空家等が倒壊するなどの安全面はじめ、害虫の発生や不法侵入など、地域の衛生面や防犯面で悪影響を及ぼしております。
こうした問題から生活環境の保全を図るため、空き家の活用を円滑化することを目的とした空き家対策特別措置法(空家等対策の推進に関する特別措置法)が2014年に制定されました。
1-1.2014年「空き家対策特別措置法」の制定
2014年に制定された空き家対策特別措置法により、倒壊の危険性が高いなど周囲に著しく悪影響を及ぼす空き家を市区町村が「特定空家」に指定できるようになりました。
市区町村は特定空家の所有者に対して指導や勧告などを行い、従わず放置する場合は特定空き家の強制撤去・取り壊しなどが可能となっています。
1-2.2023年「空き家対策特別措置法」の改正
しかし特定空家の指定に至らない段階の空き家については、市区町村は指導や勧告が行えず、増え続ける空き家に対処しきれない状況が続いていました。
そこで2023年には空き家対策特別措置法を改正。空き家対策の更なる強化が図られます。
改正法では「特定空家」の前段階として「管理不全空き家」カテゴリーを新設。「特定空家」にまで悪化しないよう、予防的措置を講じるよう改善指導や勧告を行えるようになりました。
合わせて固定資産税における住宅用地の特例解除(建物がある住宅用地は固定資産税が1/6に優遇される特例。次章で詳説)も可能となったのです。
2.空き家対策特別措置法で何がどうなる?
- 2-1.税金が6倍になる?
- 2-2.相続人が取得した空き家を譲渡した場合の税金が安くなる
- 2-3.市町村で固定資産税等の情報を活用
- 2-4.空き家等及びその跡地の活用促進
- 2-5.空き家に対する措置の促進
2-1.税金が6倍になる?
住宅用地にかかる固定資産税や都市計画税は、建物があると固定資産税が最大1/6、都市計画税が最大1/3まで減税されます。これを「住宅用地の特例」と言い、よく「土地に建物があると税金が安くなる」というのはこれのことです。
しかし空き家対策特別措置法によって特定空家や管理不全空家の勧告を受けてしまうと、固定資産税や都市計画税の住宅用地特例の対象から除外されます。
つまり土地上に建物があっても、それが特定空き家や管理不全空家として勧告を受けると税制優遇の特例がなくなり、固定資産税や都市計画税を正規どおり納付しなくてはなりません。
2-2.相続人が取得した空き家を譲渡した場合の税金が安くなる
空家の活用を促進するため、空き家対策特別措置法では税制面の優遇措置も用意されています。
それは「被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例」と言われ、相続した空き家を売却して一定の要件を満たすと、売却益から3,000万円が控除される税制優遇を受けられるものです。
この税制優遇を受けるためには、下記の3つの要件すべてに当てはまる必要があります。
- 1981年5月31日以前に建築された建物であること。
- 区分所有建物登記がされている建物(マンション等)でないこと。
- 相続の開始直前時点で被相続人が一人暮らしであったこと。
つまりマンション等はダメ、1981年6月1日以降に建てられた建物もダメなど、厳しい要件があります。
2-3.市町村で固定資産税等の情報を活用
従来、秘密漏えいに該当するおそれがあり、同じ市町村内でも税務部局から提供できなかったのですが、市町村内部で固定資産税等に関する情報の活用が可能になりました。
これにより、今までは空き家として放置していても所有者が特定されずにいたものが、市町村でも空き家等の実態把握や所有者の特定をしやすくなりました。
2-4.空き家等及びその跡地の活用促進
市町村による「空家等活用促進区域」の指定により、中心市街地や、地域の再生拠点、観光振興を図る区域などにおいて、建築基準法における接道規制や用途規制によって建て替えが出来ないなどの理由により、今まで活用されなかった空き家に対して、空き家の建替や用途の変更による活用等を促進します。
簡単に言うと、今まで建築基準法の問題で建て替え出来なかった物件が、場所が良ければ建て替え出来るようになる可能性があるという事です。
区分 | 区域数 (市区町村数) |
指定済み | 0(0) |
指定予定 | 44(32) |
令和6年度 | 10 (7) |
令和7年度以降 | 17(12) |
時期未定 | 17(13) |
合計 | 44 |
※令和6年3月31日時点 国土交通省・総務省調査(空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について)より
また市町村がNPO法人や、社団法人を「空家等管理活用支援法人」を指定することにより、当該支援法人は所有者や活用希望者への情報提供や相談対応、空き家の活用又は管理に関する普及啓発等の業務を行うことができるようになりました。
区分 | 法人数 (市区町村数) |
指定済み | 9(8) |
指定に向け検討中 | 119 (90) |
※令和6年3月31日時点 国土交通省・総務省調査(空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について)より
2-5.空き家に対する措置の促進
特定空き家の除去を円滑化するために、市町村町に報告徴収権や緊急時における代執行による除去制度の創設、所有者不明時の代執行などに関して、確定判決無しで費用徴収できるなど、空家除去までの手続きが円滑化されるようになりました。
また、財産管理人による空き家の管理を市町村町に専任請求を認め、相続放棄された空き家等に対応できるようになりました。
要は、所有者が分からなくても危険な空き家は除去される可能性があるという事です。
3.空き家対策特別措置法の特定空き家、管理不全空家とは?
ところで、今まで出てきた特定空き家、管理不全空家とはどういったものなのでしょう?
それぞれの定義についてここでは解説します。
3-1.特定空き家とは?
特定空家等については以下の様なものと定義されています。
- そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
- そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
3-1-1.特定空き家の具体的措置
また、特定空き家については、該当しそうな空き家について事前調査が行われます。
事前情報の収集
- 空き家等への立ち入り調査
- 固定資産税情報の内部利用
- データベースの整備
更に特定空き家の指定からは、下記の様な手順で強制執行により建物を除去され、代執行による費用を徴収される可能性が有ります。
- 特定空き家の認定
- 助言又は指導
- 勧告………固定資産税等の住宅用地特例除外(固定資産税最大6倍に)
- 命令………50万円以下の過料
- 戒告
- 代執行………代執行に要する建物解体費用の徴収
3-1-2.特定空き家に対する措置状況
2024年3月31日時点における国土交通省・総務省調査による「空き家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況」のレポートにおいて、特定空き家の措置状況ついては、以下のようになっております。
年度 | 助言・指導 | 勧告 | 命令 | 行政代執行 | 略式代執行 | 緊急代執行 | 合計 |
平成27年度 | 2,194 (121) | 60 (24) | 6 (2) | 2 (2) | 8 | – | 2,270 (125) |
平成28年度 | 3,062 (203) | 215 (73) | 16 (10) | 10 (10) | 28 (24) | – | 3,334 (310) |
平成29年度 | 4,058 (275) | 304 (94) | 37 (27) | 16 (16) | 40 (39) | – | 4,515 (301) |
平成30年度 | 4,524 (325) | 379 (107) | 43 (28) | 21 (21) | 51 (40) | – | 5,015 (359) |
令和元年度 | 5,320 (398) | 389 (116) | 48 (34) | 18 (18) | 67 (57) | – | 5,895 (442) |
令和2年度 | 5,530 (428) | 409 (121) | 36 (26) | 10 (9) | 67 (57) | – | 6,218 (485) |
令和3年度 | 5,364 (447) | 454 (131) | 32 (20) | 16 (15) | 64 (57) | – | 5,930 (505) |
令和4年度 | 4,568 (447) | 416 (129) | 43 (31) | 24 (24) | 66 (63) | 5 (5) | 5,390 (469) |
令和5年度 | 4,246 (374) | 352 (103) | 42 (21) | 56 (53) | 119 (96) | – | 6,077 (518) |
小計 | 39,180 (850) | 3,589 (458) | 456 (219) | 213 (151) | 510 (263) | 5 (5) | 43,953 (894) |
※()内は市町村数
※令和6年3月31日時点 国土交通省・総務省調査(空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について)より
3-2.管理不全空家とは何?
管理不全空家等は適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれのある空き家と定義されています。
市町村長は、管理不全空家等の所有者等に対し、特定空家等にならないようにするために必要な措置をとるよう指導することができます。
また、市町村長が指導をした場合において、状態が改善されず、そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれが大きい場合は、修繕、立木竹の伐採などの具体的な措置について勧告することができます。
また、勧告を受けた管理不全空家等については、既に説明しているように固定資産税・都市計画税の住宅用地特例から除外され、固定資産税・都市計画税が3倍から6倍になることがあります。
なお、管理不全空家等については、周辺の生活環境に及ぼす影響が、特定空家等ほど大きくはなっていないことなどから、命令や代執行のような 強い公権力の行使に係る措置は規定されていません。
3-2-1.管理不全空き家の具体的措置
また、管理不全空き家についても、該当しそうな空き家について事前調査が行われます。
事前情報の収集
- 空き家等への立ち入り調査
- 固定資産税情報の内部利用
- データベースの整備
また、勧告され、住宅用地特例の対象から除外されるまで、下記の様な順番をたどります。
- 管理不全空き家の認定
- 指導
- 勧告………固定資産税等の住宅用地特例除外(固定資産税最大6倍に)
3-2-2.管理不全空き家に対する措置状況
2024年3月31日時点における国土交通省・総務省調査による「空き家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況」のレポートにおいて、管理不全空家の措置状況ついては、以下のようになっております。
指導 | 勧告 | |
令和5年度 | 1091 (92) | 0(0) |
※()内は市町村数
※令和6年3月31日時点 国土交通省・総務省調査(空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等について)より
4.どんな物件が特定空き家、管理不全空家になるの?
では、どのような物件が特定空き家になるかという点において国土交通省は「管理不全空家等及び特定空家等に対する措置に関する適切な実施 を図るために必要な指針(ガイドライン)」において、次にご紹介するような判断基準を示しております。
ただ、下記の様な例以外においても、個別の事案に応じて特定空き家や管理不全空き家と判断されることもありますので、ご注意ください。
4-1.特定空き家の判断基準
国土交通省において、特定空き家となる判断基準について下記のように例示しています。
空き家の状態 | 判断箇所、状態の例 |
そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 | (1)建築物の傾斜-部材の破損など不同沈下等の状況により建築物に著しい傾斜が見られるか (2)基礎-大きな亀裂、ひび割れ、破損などの発生、基礎と土台に大きなずれが発生しているか (3) 柱・梁など―構造耐力上主要な部分である柱、はり、筋かいに大きな亀裂、多数のひび割れ、変形又は破損 が発生しているか否か、腐食又は蟻害によって構造耐力上主要な柱等に大きな断面欠損が発生しているか (4)屋根-全部又は一部において不陸、剥離、破損又は脱落が発生しているか、緊結金具に著しい腐食があるか (5)外壁-剥離、破損又は脱落が発生しているか否かなどを基に総合的に判断する。 (6)給湯器等-転倒が発生しているか (7)屋外階段又はバルコニー―全部又は一部において腐食、破損又は脱落が発生しているか (8)門又は塀-全部又は一部においてひび割れや破損が発生しているか |
著しく衛生上有害となるおそれのある状態 | (1)建築物又は設備等の破損等により以下の様な状態にある・吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い状況・浄化槽等の放置、破損等による汚物の流出、臭気の発生があり、地域住民の日常 生活に支障を及ぼしている (2)ごみ等の放置、不法投棄による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障がある |
適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態 | (1)適切な管理が行われていない結果、既存の景観に関するルールに著しく適合しない状 態となっている。 (2)その他、以下のような状態にあり、周囲の景観と著しく不調和な状態・屋根、外壁等が、汚物や落書き等で外見上大きく傷んだり汚れたまま放置されて いる・多数の窓ガラスが割れたまま放置・立木等が建築物の全面を覆う程度まで繁茂 |
その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態 | (1)立木の腐朽、倒壊、枝折れ等が生じ、近隣の道路や家屋の敷地等に枝等が大量に散らばっている (2) 空家等に住みついた動物等が原因で、以下の状態にある・動物の鳴き声その他の音が頻繁に発生し、地域住民の日常生活に支障を及ぼして いる・動物のふん尿その他の汚物の放置により臭気が発生し、地域住民の日常生活に支 障を及ぼしている (3)建築物等の不適切な管理等が原因で、以下の状態にある・門扉が施錠されていない、窓ガラスが割れている等不特定の者が容易に侵入でき る状態で放置されている。・周辺の道路、家屋の敷地等に土砂等が大量に流出している。 |
4-2.管理不全空き家の判断基準
国土交通省において、管理不全空き家となる判断基準について下記のように例示しています。
空き家の状態 | 判断箇所、状態の例 |
そのまま放置すれば(倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある)の特定空家等に該当することとなるおそれのある状態(管理不全空家等) | (1)屋根の変形又は外装材の剥落若しくは脱落 (2) 構造部材の破損、腐朽、蟻害、腐食等 (3) 雨水浸入の痕跡 (4) 擁壁のひび割れ等の部材の劣化、水のしみ出し又は変状 (5) 外壁上部の外装材、屋根ふき材若しくは上部に存する手すり材、看板、雨樋、給湯設備、屋上水槽等の破損又はこれ らの支持部材の破損、腐食等 (6) 軒、バルコニーその他の突出物の支持部分の破損、腐朽等 (7) 立木の大枝の剪定、補強がなされておらず、折れ又は腐朽 が認められる状態 |
そのまま放置すれば(著しく衛生上有害となるおそれのある)特定空家等に該当することとなるおそれのある状態(管理不全空家等) | (1) 吹付け石綿の周囲の外装材又は石綿使用部材の破損等 (2) 排水設備の破損等 (3) 清掃等がなされておらず、常態的な水たまりや多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる状態 (4) 常態的な動物の棲みつきが敷地等に認められる状態 |
そのまま放置すれば(適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている)空家等に該当することとなるおそれのある状態(管理不全空家等) | (1) 補修等がなされておらず、屋根ふき材、外装材、看板等の色褪せ、破損又は汚損が認められる状態 (2) 清掃等がなされておらず、散乱し、又は山積したごみ等が 敷地等に認められる状態 |
そのまま放置すれば(その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である) 空家等に該当することとなるおそれのある状態(管理不全空家等) | (1) 排水設備の破損等又は封水切れ (2) 駆除、清掃等がなされておらず、常態的な動物の棲みつき 又は多量の腐敗したごみ等が敷地等に認められる状態 (3) 通常の雪下ろしがなされていないことが認められる状態 (4) 、常態的な動物等の棲みつき等が 敷地等に認められる状態 |
5.空き家対策特別措置法の特定空き家に指定された例
5-1.北海道室蘭市の行政代執行の事例
敷地南側のコンクリート製擁壁が崩落し、斜面下の家屋の一部が損壊したため、所有者に対し擁壁の撤去と法面の安定化、建物除却を働きかけたが、経済的理由により危険状態を放置
崩落した擁壁や法面を放置すると、建物の倒壊の危険が高まり、隣接地への二次被害が発生するおそれがあるなど緊急性が極めて高いため、平成28年8月に擁壁の撤去と建物除却等の代執行を実施
物件概要 | ・昭和35年築 ・木造平屋建て ・コンクリート擁壁の崩落 |
措置に至る経緯 | ・敷地下の住民(被害者)からの通報 ・固定資産税の税情報、登記簿謄本 ・建物及び土地所有者(同一者1名)より所有者特定 ・土木・建築技術職員5名で立ち入り調査 ・庁内所管課内の判断により、国のガイドラインに照らし合わせて特定空家等に該当すると判断、特定空き家に認定 ・平成28年4月 指導・助言 |
措置の経緯 | ・勧告 平成28年5月11日 ・命令同年5月20日(戒告6月28日) ・代執行同年8月3日 ・撤去作業完了 同年10月31日(延べ約73日) ・撤去等の費用・約840万円(建物所有者に請求予定) |
5-2.福岡県飯塚市の行政代執行の事例
平成21年8月に近隣住民から倒壊のおそれがあるとの苦情があり、市は所有者に対し自主解体を働きかけてきたが、隣家の火災による延焼被害や解体費用の捻出が困難等を理由に、放置状態が継続
平成27年10月に建物の一部が損壊し、隣家に屋根材の落下被害が発生。このまま放置すると倒壊することは不可避で、通学路である前面道路及び隣接家屋に危害を及ぼすことは確実であり、緊急性が極めて高いとして、平成28年8月4日に代執行を実施
物件概要 | ・不詳 ・木造 ・2階建て ・2棟(延床面積約204㎡) ・1棟は屋根が崩落、倒壊 ・他の棟も傾斜し、倒壊のおそれあり |
措置に至る経緯 | ・近隣住民からの苦情相談 ・固定資産税情報、登記簿等より所有者特定 ・応急危険判定等の技術職1名と担当 職員1名の2名で立ち入り調査 ・国のガイドラインに基づく独自基準に照らし合せて担当課内で判断、特定空き家に認定 ・平成28年2月18日他:助言・指導 |
措置の経緯 | ・勧告 平成28年6月13日 ・命令 同年7月13日 ・代執行 同年8月4日 ・撤去作業完了 同年8月19日 ・撤去等の費用 約200万円(建物所有者に請求中) |
6.空き家を放置しないようにするには?
ここまでご説明して、空き家を放置すると管理不全空き家や、特定空き家に指定され、固定資産税が最大6倍になったり、最悪行政代執行により解体されてしまう事が分かってきました。
空き家として放置しないようにするため、解体するのか、改修するのか、賃貸に出すのか、売却するのかを、親族間で決めておく必要があります。
大抵の場合は、空き家は相続によって発生する事が多いのですが、ご家族が施設に入ったからという理由で、売るに売れずに空き家になっているというケースも少なくありません。
ですので、どうなったらどうするのかという事を事前に話しておくことをお勧めします。
6-1.空き家の活用サービスを検討
空き家をどうしようと考えた時は、まずは7項でご説明するような団体に相談してみたり、当サイトURUHOMEを運営するドリームプランニングにご相談頂くことをお勧めいたします。
また、市区町村によってはNPO法人や民間事業者と提携などを行い、サービスを紹介している事もあり、URUHOMEの運営元のドリームプランニングでも、空き家相談や、当社と提携する関連団体をご紹介する事も可能です。
6-2.空き家を改修して賃貸に出す
空き家を賃貸するために、改修することも一つの方法です。
この方法の場合、初期費用を要しますので、自己資金をお持ちの方でないと難しいというデメリットがあります。また、改修した空き家に必ず借り手がつくとも限りません。
まずは空き家改修の前には、そもそも既存の建物の安全性が確保されるかなどを知るためにも、建築士などの専門家に相談する事をお勧めいたします。
6-3.空き家を解体する
近隣にご迷惑をかけてしまうなら、固定資産税や都市計画税が上がってしまったとしても解体するのも一つの手段です。
8項でもご紹介するように、自治体によっては補助金を受けられることもあります。空き家がある市区町村のウェブサイトで調べるか、窓口に問い合わせてみましょう。
6-4.空き家を売却する
空き家を活用する団体を見つけるのも難しい、空き家を改修するのにも、解体するのにも費用がかかる。
そんな時は、いっそのこと売却も検討してみると良いでしょう。
空き家を売却してしまえば、固定資産税や都市計画税といった税負担から解放されますし、何より近隣の方に迷惑をかけてしまったり、誰も借り手がつかないまま不安に苛まれる事も無くなります。
当サイトURUHOMEを運営するドリームプランニングは、2005年の創業より、日本全国の空き家を買い取ってまいりました。
底地や再建築不可物件、市街化調整区域や階段接道、事故物件やゴミ屋敷まで、どんな不動産も買取可能ですので、空き家でお困りでしたらお気軽に声をおかけ下さい。
7.民間事業者と連携した空き家の取り組み
特定空き家や管理不全空き家として指定され、そのまま放置しておくと大変な事になる事はよくわかったと思います。
しかし「空き家にしておくのももったいない」「空き家問題をなんとか解決したいけど、何か事例を知りたい」と考える方も多くいらっしゃると思います。
そんな時には、下記の様な団体に連絡してみると何か良い答えが見つかるかもしれません。
対応策 | 事業主体 | 連携先 |
学生と連携した空き家活用事例の実践 | CANVAS合同会社 | 市、大学 |
高校生による空き店舗活用施設の運 営と実態調査の実施 | すみれリビング株式会社 | 市、大学、商工会、商店街振興組合 |
勉強会の開催やパンフレット作成等による住民への周知 | 長野県司法書士会 | 県、市、住宅自治協議会 |
自治会による空き家の発生予防と適正管理の実施(H30,R01) | 一般社団法人チームまちづくり | 市、自治会、県、司法書士、税理士 |
終活の啓発と地域による後見体制の構築(H30,R01) | 特定非営利活動法人まちづくりHAPPY | 市、商工会、金融機関、社会福祉協議会 |
エンディングノートの作成 | 神奈川県居住支援協議会 | なし |
ニュータウンにおける空き家発生の 抑制 住み替え前に住宅の改修設計、利活用方法の検討 | 洛西NTアクションプログラム推進会議 住宅・拠点関係ワーキンググループ | 市、区役所、商店街連合会、UR 住宅再生事業部、都営住宅支援課 |
市民と協力した空家マップの作成 | 特定非営利活動法人 かけがわランド・バンク | 市、特定非営利活動法人 |
航空写真による空き家の判別と情報の一元化 | 国際航業株式会社 | 市、公益財団法人(建築士会) |
空き家買取再販による所有者及び利用者のニーズへの対応 | 一般財団法人 下川町ふるさと開発振興公社 | 町、大学、金融機関、建設業協会、 不動産業者、建築家 |
買取再販による再価値化と所有者と利用者のマッチングの実施 | 公益社団法人 和歌山県宅地建物取引業協会 | 任意団体(空家対策推進協議会)、 一般社団法人(建築士会)、司法書 士会、弁護士会、行政書士会、土 地家屋調査士会 |
インスペクション・既存住宅売買瑕疵保険の普及啓発 | 公益社団法人大阪府建築士会 | 府 |
鉄道、金融と連携した流通モデルの構 築(H30,R01) | 東京都調布市 | 電鉄、信用金庫 |
空き家パトロールの実施と空き家サブバンクの実施 | 栃木県小山市 | 高等専門学校、警察署 |
インスペクションやツアーの実施による 物件の状態の明確化 | 三重県大台町 | 一般社団法人(古民家再生)、任意 団体(空き家対策)、商工会 |
複合シェアサービス型賃貸住宅による 利用に向けた検討 | 株式会社九州経済研究所 | 市、建築士事務所、建築士事務所 |
また、当サイトURUHOMEを運営するドリームプランニングでは、日本全国の空き家の買取を行っております。
お困りの空き家がございましたら、お気軽にご相談ください。
8.空き家に利用出来る補助金はある?
空き家対策特別措置法の成立や改正によって、今まで空き家を解体しないでおくことで、固定資産税の減税を受けられていました。
しかし今後はそのままにしておいても固定資産税が上がってしまう事もありますし、行政代執行によって解体されてしまうこともあります。
近隣の所有者へ迷惑をかける事を考えたら、いっそのこと解体してしまおうと言う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時に活用できる補助金はあるか気になるところだと思います。
実は、自治体によっては補助金を受けて空き家を解体する事も可能ですが、所得制限などもあるので、該当する自治体の方は調べてみると良いと思います。
また、下記の自治体以外でも空き家の除去費用を一部負担してくれる自治体はあるので、最寄りの自治体に最新の情報を確認してみましょう。
秋田県鹿角市 | 新潟県上越市 | 兵庫県神戸市 | 和歌山県海南市 | |
事業名 | 危険老朽空き家除却費補助金交付要綱 (H25.4.1) | 空き家等及び特定空き家等除却補助金交付要綱 (H28.10.1創設 H29.4.1見直し) | 老朽危険空家等対策に係る技術的援助等実施要綱 [解体除却助成制度] (H25.7.1) | 老朽危険空家除却工事補助事業 (H28.4.1) |
対象建築物 | 市内に存する個人所有のもの 建て替え、土地の譲渡を目的としないこと 実態調査で危険度、緊急度が最も高いランクと判定など | 空き家等及び特定空き家等であること 親等内の人の建て替えを目的に除却する建物ではないこと | 勤告相当の老朽危険家屋等 | 老朽危険空家の認定を受けた建築物 居住しなくなってから1年以上経過している市内の建築物 居住用、又は延べ面積の1/2以上が居住用の建築物 |
対象者 | 市税に滞納がなく、登記事項証明書等に所有者として記載されている者、相続人 主たる生計維持者の前年の所得が460万円未満等 共有の場合は除却に関する全員同意が得られているなど | 登記事項証明書に所有者として記載されている者、相続人 市税を滞納していない者 市税所得割が非課税世帯のほか、世帯員の合計所得金額が課税21.47万円を超えない世帯 法定相続人または空き家等の所有者 | 勤告相当老朽危険家屋等の所有者等 条例の指導・助言・勧告に従って解体除却する者 所得が460万円以下 法人でない | 老朽空家の所有者、相続人 H28年度の世帯の所得金額の合計が460万円未満であること(公営住宅入居基準と同じ) 市税を滞納している世帯員がいない |
補助金額 | 解体・撤去処分に要した工事費の1/2以内、上限50万円 | 解体・運搬・処分に要する費用の1/2、上限50万円 | 解体・除却工事に要する経費の1/2かつ60万円以内 | 除却(解体・撤去)工事費の2/3、上限60万円 |
対象事業 | 解体撤去業者に請け負わせる老朽危険空家等の全てを除却する工事 | 解体工事及び廃材等の収集運搬処分に要する経費で登記事項証明書第2項の登録を受けた者に請け負わせるもの | 条例の指導・助言・勧告に従って除却する工事 | 老朽危険空家の全てを除却する工事 建設業法の許可、又は解体工事業の登録を受けた者に請け負わせる工事 |
補助実績 | H25〜28年度の4年間:7件 H29年度:3件 | H28.10〜H29.3月末:2件 H29年度:4件 | H25〜28年度の4年間:16件 H29年度:5件 | H28年度:5件 H29年度:12件 |
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