「不動産屋が自宅をニンバイ(任売)するよう勧めてきたけど、説明を聞いてもよく分からなかった。どういうことか教えて!」
「任売(任意売却)と競売の違いってナニ?」
ニッチな不動産でおなじみドリームプランニングでは、そんなお悩み相談が寄せられます。
そこで今回は、競売と任売(任意売却)の違いを徹底解説!みなさんのご参考にどうぞ。
【この記事は、こんなお悩みを持つ方に向けて書きました】
- 競売と任売(任意売却)の違いを知りたい!
- そもそも競売・任売(任意売却)が何か分からない!
- 自宅が競売される前に、一刻も早く自宅を任意売却・現金化したい!
著者情報
株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人
著者が経営する株式会社ドリームプランニングは、2005年より日本全国のニッチな不動産を専門的に買い取ってまいりました。
どんなに売却が難しい物件でも買取りさせて頂きますので、なかなか売却できずお困りの不動産がございましたら、こちらからお気軽にご相談くださいませ。
- 【結論】競売よりも任売の方が絶対おすすめ
- 任売(任意売却)とは何か?
- 競売とは何か?競売の流れはどうなる?
- 任売(任意売却)と競売の違いまとめ
- 自己破産・個人再生とは?
- 任売(任意売却)ができないケース
- 任売(任意売却)や競売でお悩みなら、URUHOMEへご相談を
1.【結論】競売よりも任売(任意売却)の方が絶対おすすめ
細かい話はどうでもいいから、任売(任意売却)について、手っとり早く教えて下さい!という方向けに、まず結論から申し上げます。
任売(任意売却)の方が、競売よりも絶対におすすめです。
細かいことを覚えるのがめんどくさい方は、これだけ覚えてください。
「じゃあ、その任売(任意売却)というのはどうすればいいんですか?」
任売(任意売却)は不動産会社や専門業者の担当者にお任せしてもいいのですが、中にはそれだと不安に思われる方もいらっしゃることでしょう。
次の章から任売(任意売却)について詳しく解説していきますから、参考になさって下さい。
2.任売(任意売却)とは何か?
任売(任意売却)とはどのような時に行うのか?どんな流れでどんなメリットがあるのか?これから詳しく解説していきます。
それと合わせて、任売(任意売却)を行う上でハードルもあるため、頭の片隅にとどめておきましょう。
2-1.任売(任意売却)の流れ
任売(任意売却)とは住宅ローンの滞納などで期限の利益を喪失した後、自宅が競売にかけられてしまう前に自分の意思で任意に売却することを言います。
住宅ローンの滞納から任意売却を完了するまでの流れを、ざっと解説しましょう。
(あ)住宅ローンの返済を滞納する
(い)金融機関から督促状が届く
(う)督促状を無視すると、金融機関から催告書(期限の利益喪失予告通知)が届く
(え)催告書も無視すると、金融機関から期限の利益喪失通知が届く
期限の利益喪失とは、住宅ローンを分割払いできする権利(期限の利益)を失い、残った債務の一括払いを要求されます。
もちろん一括払いできればいいのですが、住宅ローンを滞納するくらいだからそれは難しいでしょう。
このまま放置し続けるておくと、数ヶ月以内に自宅は競売にかけられてしまいます。
競売にかけられると、自宅を不利な条件で手放し、かつ退去しなくてはなりません。
それを防ぐため、自分から自宅を売却任売(任意売却)しようというのが任売(任意売却)いうのです。
あなたが自宅を任売(任意売却)する時の流れが、こちらになります。
(1)現在の資産と負債を把握する
(2)不動産会社を選び、自宅を査定してもらう
(3)債権者に確認、任売(任意売却)の合意をもらう
(4)不動産会社と媒介契約を締結、任売(任意売却)開始
(5)買い手が見つかれば、債権者の合意を得て売買契約を締結
(6)不動産の決済・引き渡し・所有権移転登記
(7)残った債務の返済
ゆっくりしていると強制的に競売が始まってしまうので、任売(任意売却)はスピードが勝負です(任意売却の期間設定も、債権者の合意が必要なので注意しましょう)。
不動産会社でも、任売(任意売却)の取り扱いに不慣れだと、手続きにかなりの時間を食ってしまいます。
だから任売(任意売却)のパートナーとなる不動産会社・専門業者の選定はしっかりと行いましょう。
2-2.任売(任意売却)のメリット
冒頭から強くおすすめしているとおり、任売(任意売却)は競売に比べて大きなメリットがたくさんあります。
2-2-1.任売(任意売却)の方が競売より高く売りやすい
]例えば任売(任意売却)による売却金額。競売だと一般的な相場の50~70%がいいところ。ずいぶん買い叩かれてしまうのですね。
しかし任売(任意売却)なら、多少の制約はあっても市場価格に近い相場で売却できます。じっさい多くのケースで70~90%の売却価格となりました。
2-2-2.任売(任意売却)ならプライバシーが守られやすい
自宅が競売に出されると官報で公開され、債務者の経済状況や個人情報が明かされてしまいます。
それが任売(任意売却)であれば、おおむね一般の不動産取引と同様のためプライバシーが晒されることはありません。
2-2-3.他にも任売(任意売却)はメリットがたくさん
他にも任売(任意売却)は、退去日について融通が利きます。
なので、時間的に余裕をもって行動すれば、我が家を追い立てられる追われるようなストレスを感じなくてすむでしょう。
競売だと、売却された金額のすべてを滞納した住宅ローンの返済にあてられてしまいます。
なので、引越し費用なども自腹で用意しなくてはなりません。
一方で任売(任意売却)なら、引越し費用など最低限の資金は取り分けられるため、経済的余裕が生まれますね。
こうしたメリットが多いため、できれば競売されてしまう前に任売(任意売却)したいものです。
2-3.任売(任意売却)のハードル
しかし、どんなケースでも必ず任売(任意売却)ができる訳ではありません。
任売(任意売却)のハードルは大きく以下の二つです。
(1)債権者の合意が必要
(2)任意売却できないまま、タイムリミット=強制競売になる可能性も
2-3-1.任売(任意売却)には債権者の合意が必要
任売(任意売却)には何かと債権者の合意が必要です。大きく次の事柄について、債権者の合意を得なくてはなりません。
・自宅を任売(任意売却)してよいか
・任売(任意売却)の期間はいつまでかについて
・その相手に任売(任意売却)してよいか
債権者が一人ならその人(住宅ローンであれば金融機関)に合意をとればいいのですが、債権者が複数の場合はその全員から合意をとる必要があります。
また債権者の立場からすると、任売(任意売却)は競売に対する猶予でもあるため、なるべく待ちたくありません。
だから「3ヶ月だけなら待ってあげる」といったように、あらかじめ任売(任意売却)の期限が切られてしまうのです。
そして自宅の買手が見つかっても、その人に任売(任意売却)してよいかの判断も債権者に委ねられます。
ちゃんとした人物かを見極めないと、そもそも債権を回収できるか不安だからです。
基本的には何から何まで債権者の合意なしに事を進められないのが、任売(任意売却)のデメリットと言えるでしょう。
2-3-2.任意売却できないまま、タイムリミット=強制競売になる可能性も
言うまでもなく、自宅が競売にかけられるのを避けようと任売(任意売却)に出したからといって、必ずしも買い手が見つかるとは限りません。
先ほどのケースだと「3ヶ月だけ待ってあげる」と猶予された期限内に買い手が見つからなければ、そのまま強制競売に移行してしまいます(そもそも競売は強制なのですが……)。
なので自宅を任売(任意売却)すると決めたなら、少しでも早く動いて買い手を見つけなければ、結局は骨折り損となってしまうでしょう。
3.競売とは何か?競売の流れはどうなる?
さて、ここまで「任売(任意売却)と競売なら任売が絶対おすすめ!」と解説してきました。逆に言えば「競売は絶対に避けたい」ということになりますね。
いったい競売とは何でしょうか。なぜそんなに避けたいのでしょうか。これから詳しく解説していきましょう。
- 3-1.競売の大きな流れ
- 3-2.競売の流れ(1)保証会社による住宅ローンの代位弁済
- 3-3.競売の流れ(2)抵当権が実行され、自宅が競売にかけられる
- 3-4.競売の流れ(3)自宅が差押さえられる(ただし住み続けることは可能)
- 3-5.競売の流れ(4)現状調査・最低売却価格の決定
- 3-6.競売の流れ(5)競売開始・入札&開札
- 3-7.競売の流れ(6)決済と所有権移転登記・引渡命令
- 3-8.競売にかけても、債務が残った場合は
3-1.競売の大きな流れ
住宅ローンの返済を滞納し続けると、期限の利益を喪失してしまうまで点は任売(任意売却)の時と同じです。
ここでは期限の利益を喪失してから競売にかけられてしまうまでの流れを見てみましょう。
(1)金融機関の債権(住宅ローン)を、保証会社が代位弁済する
(2)抵当権が実行され、自宅が競売にかけられる
(3)自宅が落札され、所有権の移転登記が行われる
(4)落札者によって退去させられる
(5)残った債務を支払う
(6)債務を支払い切れなければ、自己破産なども
3-2.競売の流れ(1)保証会社による住宅ローンの代位弁済
代位弁済(だいいべんさい)とは聞きなれない言葉ですが、要するに「立て替え払い」「肩代わり」とイメージして下さい。
債務者にしてみれば、支払い義務の中身は変わらず、支払う先が金融機関から保証会社に代わっただけです。
3-3.競売の流れ(2)抵当権が実行され、自宅が競売にかけられる
多くの場合では、住宅ローンを組むとき、購入する自宅を担保に抵当権を設定しています。
抵当権(ていとうけん)を簡単に言うと「もし住宅ローンの返済を滞納したら、自宅は借金のカタに持って行くからね(古い?)」という権利です。
ここでは住宅ローンの返済を滞納しているのですから、債権者は心おきなく自宅をカタに持っていけます。これが抵当権の実行です。
抵当権を実行するため、債権者は裁判所に対して競売の申し立てを行います。事情が事情ですから、ほぼ間違いなく競売が認められるでしょう。
3-4.競売の流れ(3)自宅が差押さえられる(ただし住み続けることは可能)
競売開始が決定されると、債務者に対して競売開始の決定通知が届きます。同時に、裁判所の書記官が自宅を差押さえた旨の登記をおこなうでしょう。
差押え登記をされると、1ヶ月間にわたり債務者の名前と自宅住所が官報に記載されてしまいます。
ただし差押えられたとは言っても、落札・所有権移転登記されるまでは自宅に住み続けることが可能です。
3-5.競売の流れ(4)現状調査・最低売却価格の決定
競売開始の決定から約1ヶ月以内に、裁判所から派遣された不動産鑑定士が自宅を内覧を行い、査定します。
不在であっても鍵を強制的に解錠するので、居留守を使うことはできません(鍵の強制解錠費用は、債務者の負担です)。
そして約2ヶ月程度で自宅の査定評価を完了し、最低売却価格(最低落札金額)を決定します。この金額が債権者の合意を得るための基準となることが多いようです。
3-6.競売の流れ(5)競売開始・入札&開札
競売開始の決定から6ヶ月以降に、いよいよ競売が実施されます。自宅の情報がインターネット上に公開され、間取りや室内写真、最低売却金額などが掲載されるのです。
室内がキレイであろうがなかろうが容赦なく写真を公開され、プライバシーに対する配慮などありません。
競売は競売開始の公告から約1ヶ月後に開始、1週間にわたって行われます。そして入札締め切りから1週間後に開札が行われ、落札者(買受人)が決定するのです。
3-7.競売の流れ(6)決済と所有権移転登記・引渡命令
買い請け人が落札金額を全額納付すると、裁判官の職権によって自宅の所有権移転登記が行われます。
この瞬間をもって、債務者が手放した自宅内にいることは不法占拠となるのです。引越し時期などもは自由に決められません。
極端な話、まだ引越し先が決まっていなくても債権者が「出ていけ」と言えば、ただちに出ていかねばならないのです。りません。
買受人の立ち退き要求や、裁判所からの引渡命令に逆らって居座り続ければ不動産侵奪罪(ふどうさんしんだつざい。刑法第235条の2違反)に問われ、10年以下の懲役が科せられる可能性があります。
もちろん現場には裁判所から執行官が派遣され、力づくで強制退去。そして強制退去にかかった費用も、すべて債務者負担となるので覚悟しなければなりません。
3-8.競売にかけても、債務が残った場合は
さて、競売によって自宅を叩き売りされてしまった後も、債務が残った場合は当然それも支払わねばなりません。
もちろん一括払い、支払い切れなければ自己破産や個人再生といった手続きが必要になるでしょう。後ほど解説します。
4.任売(任意売却)と競売の違いまとめ
以上、任売(任意売却)と競売について、両者の違いを解説してきました。
少し長くなってしまったので、任売(任意売却)と競売の違いを一覧表にまとめてみましょう。
任売(任意売却) | 競売 | |
売却金額(相場) | 市場価格の7~9割 | 市場価格の5~7割以下 |
プライバシー | 保護される | 公開される |
退去日 | 時間的余裕を持ちやすい | 買受人の要請で即時退去 |
引越し費用 | 最低限は捻出しやすい | 出ない(全額返済に充当) |
債権者の合意 | 必要 | 不要 |
アドバイス | 専門家から受けられる | 原則として自己対応 |
時間的制約 | 多少の猶予(債権者の合意) | 極めてタイト |
全体的に競売よりも任売(任意売却)の方が圧倒的に有利になります。
何かにつけて債権者の合意が必要となる点は面倒ですが、それを補ってあまりあるメリットを考えれば、すぐにでも任売(任意売却)に向けて行動を起こすべきでしょう。
5.自己破産・個人再生とは?
さて、任売(任意売却)しかり競売しかり、自宅を手放してもまだ残っている債務については当然支払わねばなりません。
先ほど少し言及した自己破産・個人再生についてもごくざっくり解説しておきましょう。
5-1.自己破産とは?
自己破産(じこはさん)をざっくり説明すると、債務を返済しきれなくなった個人の方が、裁判所に破産を申し立てて免責(債務の免除)を求める手続きです。
ただし自己破産の手続きをしても、必ず免責してもらえるとは限りません。
また、自己破産してから復権を得るまでの期間中は就職や転居、借入(クレジットカード発行など)等について、一定の制限を受けます。
自己破産すると官報に氏名と住所が公開されてしまうため、社会的信用を大きく落としてしまうリスクも忘れないでください。
5-2.個人再生とは?
個人再生(こじんさいせい)をすごく簡単に解説すると
「債務を3年程度のに分割払いとし、それでもまだ残った=支払い切れない分は免除してもらうよう、裁判所に申し立てる制度」
と言ったところでしょうか。
個人再生であれば、一部とは言え借金をコツコツ返していく前提なので、自宅に住み続けることも可能です。
ただし個人再生のハードルは非常に高いです。住宅ローンレベルの巨額な債務においては認められることがほとんどなく、現実的な選択肢とは言えません。
6.任売(任意売却)ができないケース
さて、これまで任売(任意売却)について徹底的に解説してきました。できれば競売を避けて任売を実現させたいところです。
しかし先ほど少しふれた通り、任売(任意売却)は必ずできるものではありません。
ここでは任売(任意売却)ができないケースについて解説しておきましょう。
6-1.債権者全員の同意がとれない
任売(任意売却)の前提条件として、債権者全員の合意が必要です。
金融機関が意地悪するとは考えられませんが、例えば買主が見つかっても十分な経済的信用がない場合、合意してくれないこともあるでしょう。
債権者が合意してくれなければ、任売(任意売却)は進められません。
6-2.期限内に売却できないとタイムリミット⇒競売に
先ほど解説したとおり、債権者が合意してくれた期限内に任売(任意売却)ができないと、タイムリミットで強制的に競売となってしまいます。
普通に自宅を売却する場合でも、人気のない物件であれば数ヶ月から数年単位で売却できないケースは珍しくありません。
期限の利益を喪失したら、競売へのカウントダウンが始まっています。任売(任意売却)は時間との勝負ですから、慌てず迅速に対応しましょう。
7.任売(任意売却)や競売でお悩みなら、URUHOMEへご相談を
以上、任売(任意売却)について徹底的に解説してきました。今回は分かりやすさ重視のため住宅ローンの滞納を例にしているため比較的シンプルにしていますが、実務的にはより複雑となっているため、状況を整理する必要があるでしょう。
任売(任意売却)について、何をしたらいいか分からずお悩みでしたら、当サイトURUHOMEを運営するドリームプランニングへご相談くださいませ。
当社は2005年の創業以来、神奈川県・東京都を中心に任売(任意売却)物件を多数取り扱いしてまいりました。今回もお客様の悩み解決に役立てると思います。
任売(任意売却)物件の買取査定は完全無料。最速のケースでは、2時間で査定完了&2日で売却完了できました。
一刻一秒を争う任売(任意売却)のお手伝いは、ぜひともドリームプランニングをご用命くださいませ。