「再建築不可物件には手を出すな」

格安の物件を見つけて購入を相談したら、そんなアドバイスを受けました。再建築不可物件とはどんな物件なのでしょうか。

そこで今回は不動産取引のプロが、再建築不可物件について分かりやすく徹底解説。
再建築不可物件のメリット・デメリット、活用・売却対策までとことんレクチャーいたします!

【この記事は、こんな方に向けて書きました】

著者情報

再建築不可物件とは?メリット・デメリットと対策を徹底解説!with image|URUHOME

高橋 樹人

法政大学工学部建築学科卒、フリーカメラマンを経て、某中堅不動産仲介業者で7年勤務、成績優秀者賞等を受賞、月間最高売り上げ1800万円。退社後、株式会社ドリームプランニングに入社、底地、借地、再建築不可、市街化調整区域内の土地など、特殊な土地の売買を多く手掛ける。2020年8月より代表取締役に就任

著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、日本全国の再建築不可物件や底地・借地などの特殊な不動産を専門的に扱う為、多数のご相談を頂いております。

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URUHOMEは、私達の積み上げてきたノウハウが不動産のお悩みを抱えていらっしゃる方々の問題解決に少しでもお役に立てればと思い、「ニッチな不動産のお悩み解決サイト」として立ち上げました。

再建築不可物件などお悩みの不動産がございましたら、
こちらからお気軽にご相談くださいませ。

  1. 再建築不可物件とはどんな物件?なぜ再建築不可なのか?
  2. 再建築不可物件のメリットは?
  3. 再建築不可物件のデメリットは?
  4. 再建築不可物件をどうする?活用する?売却する?
  5. 再建築不可物件でお悩みなら、URUHOMEへご相談を

1.再建築不可物件とはどんな物件?なぜ再建築不可なのか?

まず、再建築不可物件とはどんな物件を指すのでしょうか。

「読んで字のごとく、建物の建て替え(再建築)ができない(不可)物件だから再建築不可物件って言うんじゃないの?」

はい、その通りです。しかし、それだけの認識だと再建築不可物件の利活用や売却には不十分です。

なのでここでは「なぜ再建築不可なのか」その理由まで深堀りしておきたいと思います。

1-1.接道義務を満たしていないから

接道義務を満たしていない

建物を建てる土地は、建築基準法の道路に2メートル以上つながっていないといけません。これは「接道義務」と呼ばれ、建築基準法で定められているものです。

建築基準法
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
一 自動車のみの交通の用に供する道路
二 地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。)内の道路

※参考:建築基準法|e-Gov法令検索

逆に言えば「建築基準法の道路に2m以上つながっていない土地に建物を建ててはならない」ということになります。

再建築不可物件はこの接道義務を満たしていないため、一度建物を解体してしまうと再び建物を建てることができないのです。

そう聞くと「再建築不可ということは、一度建物が建っているはず。何で、建物を建ててはいけない土地に建物が建っているの?」という疑問が湧いてくることでしょう。

実は、接道義務=建築基準法が定められる前から建っていた建物が、この再建築不可物件となっているケースが多くあるのです。

こういう建物を既存不適格建築物と言いまして、法律ができる前から建っていた建物については不適格を見逃してくれるけど、建て替える/建て直す時には現行法の規制を受けます。

(ちなみに、建てる時点で違法状態でありながら建てた建物=違法建築物とは違うものです)

その他にも接道義務を満たしていないパターンがこちら。

  • 道路には接しているが、その道路が建築基準法で規定する道路ではない
  • 他人の土地に完全包囲され、接道がまったくない囲繞地(いにょうち)
  • 2mは接道しているけれども、通路部分に隣接地の屋根が空中越境している

このように、接道義務が満たせていない土地には建物が建てられないし、既に建っている建物についても再建築不可ということになります。

再建築不可物件と接道義務について『2分で分かる!』

▲接道義務って何?より詳しく解説する記事がこちら

【注意】間口の接道は2m以上あるけど、専用通路部分が他人との共有になっているケースも多々あります。
建築基準法の上では共有者の承諾なしで使用≒再建築できることもありますが、無断で共有者の土地を利用するのはおすすめできません。

1-2.法令や条例に抵触しているから

接道義務以外で法令や条例に抵触している

建築基準法の接道義務を満たしていても、それだけでただちに再建築が可能となる訳ではありません。

例えば建物の敷地が土砂災害防止法の指定(レッドゾーン)にかかっているため構造の制限を受けたり、自治体の条例によって敷地面積最低限度などで再建築できなかったりすることがあります。

(厳密にはレッドゾーンにかかっていても、鉄筋コンクリート造で建てれば建て替えられることがあります)

1-3.市街化調整区域や農地であるから

市街化調整区域とは都市計画法第7条に規定された区域区分の一つで、原則的に建物を建てることができません。

しかし農家やその親族(分家)など、特別な事情が認められれば自分で住むための家を建てることが可能です。

ただし、その家には属人性(その人特有の事情)がついています。そのため、第三者が建て替えることはもちろん、購入しても建物を利用することはできません。

属人性については解除する方法もありますが、話が長くなるため今回は割愛します。

農地についても同様かそれ以上に高いハードルがあるため、市街化調整区域や農地はなるべく手を出さない方がいいでしょう。

▲ 市街化調整区域について徹底解説しているページはこちら

2.再建築不可物件のメリットは?

さて、再建築不可物件とはどんな物件なのか分かったところで、今度は再建築不可物件のメリットについて解説していきます。

2-1.再建築不可物件は相場よりも安く購入できる

再建築不可物件は、その大きなハンディキャップがあるため、あまり高値では取引されていません。

再建築不可物件の取引相場はタイミングや状況によって振れ幅が大きいものの、近隣の類似物件に比べて約50~70%程度と言われています。

売却する時は不利になるものの、購入する時は有利となることから、中古住宅をリフォームするなど用途次第では再建築不可物件のメリットと解釈できるでしょう。

2-2.再建築不可物件は税金が安くなる

再建築不可物件は、その資産価値に比例して固定資産税が安く設定されています。

固定資産税額は固定資産税評価額に標準税率1.4%をかけて算出するのですが、この評価額が近隣類似物件よりも低いため税負担をおさえられるのです。

また、固定資産税評価額は不動産にかかる都市計画税や贈与税・相続税の計算基準ともなります。

そのため再建築不可物件は、一般的な不動産に比べて物件の維持コストや贈与・相続税などの出費もおさえられるでしょう。

▲ 再建築不可物件にかかる税金関係はこちら

2-3.再建築不可物件は不動産投資に有利

もしあなたが不動産投資を考えているのであれば、再建築不可物件は有利に活かせるかも知れません。

投資の利回りを高めるには、収益を高めるか支出をおさえるかのどちらか(できれば両方)が必要となります。

安く購入できる再建築不可物件は初期投資が安くすませられ、税金が安めなので維持コストも安くおさえられるため、不動産投資の利回りを高める上で有利と言えるでしょう。

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3.再建築不可物件のデメリットは?

さて、再建築不可物件はメリットばかりではありません。

ここでは、再建築不可物件のデメリットについてもきちんと向き合っていきましょう。

3-1.再建築不可物件は建て替えできない

再建築不可物件における最大のデメリットと言えば、名前にもなっているとおり再建築(建て替え)ができないことにつきます。

既存不適格建築物にそのまま住み続けることはできますが、一度建物を解体してしまったり、火事や震災で滅失してしまうと再建することができません。

つまり、何かあったら「土地はあるけど家が建てられず、住む場所がなくなる」不安を抱えることになるのです。

また、既存の建物だって数十年は建っているはずですから、そろそろガタが来ている可能性が十分に考えられます。

昔から「住めば都」とは言うものの、あまりにも老朽化した家では心身ともに病んでしまうかも知れません。

3-2.再建築不可物件は住宅ローンなど融資の審査が通りにくい

物事には表と裏があり、再建築不可物件には「安く買える」という表があれば、「高くは売れない」という裏もあるのです。

再建築不可物件に限らず、不動産の土地建物を購入する時は住宅ローンなど金融機関から融資を受けることが多くあります。

金融機関は住宅ローンの担保として購入する不動産を担保にすることが多いのですが、資産価値の低い再建築不可物件を担保として認めることは少ないでしょう。

そうなると、金融機関の眼も厳しくなり、住宅ローンの審査に通らない事態が予想されます。

せっかく再建築不可物件を買いたいと言ってくれても、肝心の住宅ローンが通らなければ、購入する/売却するのは難しいでしょう。

▲ 再建築不可物件を購入する際の住宅ローン・投資ローンについてはこちら

3-3.道路の狭さなど、物理的な問題も

再建築不可の物件は接道義務を満たしていないなど、道路の狭さに起因する物理的な問題もあります。

すぐ考えつくのは車両の出入りしにくさ。自家用車はもちろんのこと、緊急車両が入りにくいのは、いざ有事にちょっと心配ですね。日常的な不便さは言うまでもないでしょう。

またリフォームなどするにしても、工事車両が入れなければ資材を手運びしなければならないなど、費用がかさんでしまう点も見逃せませんね。

4.再建築不可物件をどうする?活用する?売却する?

さて、ここまで再建築不可物件についてメリット・デメリットを解説してきました。

ではその再建築不可物件をどうするか?これから活用&売却方法について解説していきましょう。

4-1.再建築不可物件の活用・接道義務を満たして再建築できるようにする

再建築不可物件を手元に置いておくなら、ただ毎年の固定資産税や都市計画税を払うばかりでは能がありません。

かかる維持コスト分をペイするか、それ以上の価値を得る活用方法を考えたいところです。

再建築不可物件を活用するためには、再建築できる条件を整えてあげることが最も有効と言えます。

多くの場合、接道義務がキーポイントとなるため、接道義務を満たすための方策を解説しましょう。

(1)隣接地を借地・購入する
(2)43条但し書き(2項2号の許可)申請をする

▲ 再建築不可物件を建築可能にする必殺技について知りたい方はコチラ

4-1-1.隣接地を借地・購入する

再建築不可物件に隣接している土地を借りたり購入したりして、2mの接道義務を満たすことでも再建築が可能になります。

パターンとして考えられるのは、こんなところでしょうか。

(1)隣接地を丸ごと購入する
(2)隣接地を分筆してもらった上で購入する
(3)隣接地の一部または全部を借りる(有償・無償)

と、口で言うのは簡単なのですが、実際にはそう都合よくいかないことも少なくありません。

何もない更地ならいざ知らず、場合によっては塀を取り壊すなどもしなければならないケースもあるでしょう。

隣接地を丸ごと購入するのが一番シンプルと思いますが、物件によってはなかなか大金を用意できないものです。

また人間関係や利害の対立など、複雑な事情があるとハードルがより上がってしまう可能性が懸念されます。

4-1-2.43条但し書き(2項2号の許可)申請をする

接道義務が満たせず、しかも隣接地の賃借や購入もできない場合は、43条但し書き(2項2号の許可)道路の申請も視野に入れましょう。

43条但し書き道路とは、建築審査会の許可をとることで再建築不可物件でも例外的に建築が認められる道路をいいます。

建築基準法 第43条 第2項
二 その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

※参考:建築基準法|e-Gov法令検索

以下の3条件を満たすことで、43条但し書き道路(2項2号の許可)の接道義務を満たした物件として再建築できるようになるのです。

(1)再建築不可物件の周囲に広い空き地があること
(2)特定行政庁が交通上・安全上・防火上・衛生上の支障がないこと
(3)建築審査会の同意を得ていること

ただし、43条但し書き道路については建築のたびに新たな許可申請が必要となり、必ずしも許可が下りるとは限らないため注意しましょう。

▲ 43条但し書き(2項2号の許可)について、より詳しい解説はこちら

4-1-3.隣接地の一部または全部を借りる(有償・無償)

建築基準法は、2mの接道を確保するために、全て自分の土地である必要はありません。他人の土地を借りて2mの接道を確保できれば、それでも建築出来てしまうのです。

ただ、この場合は土地を貸した方は建て替えるときに、貸した土地を敷地として算入できなくなるため、後々トラブルに発展する事も良くあります。

また、他人の土地を借りて建物を建てる事が出来ても、借りた側はローンを組むのが非常に難しいのが現実です。

なぜなら、銀行もお金を貸すのに他人から借りた土地を使って建てた家、敷地に対して安全な担保とみなせないのです。

4-2.接道義務を満たさないまま再建築不可物件を活用する

接道義務を満たせれば再建築が可能となりますが、そのためのハードルはけっこう高め。

では、接道義務をあえて満たさず、再建築不可のまま(既存建物または更地)で活用する方法も解説していきたいと思います。

4-2-1.既存の建物をリフォーム・リノベーションする

再建築不可物件であっても、建築確認が不要な範囲内であればリフォーム・リノベーションは可能です。

ただし、接道義務を満たしていないために工事車両や重機が入りにくく、手作業となるためコストが割高になるのは否めません。

自分で住むなら満足度プライスレスですが、賃貸や売却など不動産投資の対象として見ているならば、利回りの足を引っ張ってしまうことになるでしょう。

4-2-2.建物を解体して更地で活用する

建物がリフォーム・リノベーションも難しいくらいボロボロだった場合、無理に建物を残そうとせず、いっそ解体して更地で活用する手段も視野に入れた方がいいかも知れません。

更地であれば敷地の広さや地域のニーズに応じて、資材置き場でも太陽光発電でも、様々な活用法が考えられます。

家庭菜園として貸し出すなどもいいし、あるいはただ広場のまま遊んだりイベント会場にしたりなんかも楽しそうです。

ただし、接道義務を満たしていないため自動車を入れるのは非常に大変になります。駐車場は難しいでしょうが、駐輪場くらいになら活用できるかも知れませんね。

4-3.再建築不可物件の売却はどうする?

さて、再建築不可物件は活用するのが難しいので、いっそ売却するのはどうでしょうか。

再建築不可物件の売却方法はいくつか考えられるので、それぞれ解説していきます。

▲ 再建築不可物件を売却せず放置するとどうなる?知りたい方はこちらをどうぞ

4-3-1.知人・友人など個人間で売却する

再建築不可物件を売却するとき、一番手っ取り早いのが知人や友人などに直接買い取ってもらう方法です。

地主「あそこの土地、買ってよ」
友人「あぁ、いいよ」

民法上はこんな口約束でも売買契約は成立してしまいます。が、言うまでもなく代金のやりとりや引き渡し・登記手続きなど、面倒な手続きを避けて通れるわけではありません。

しかもプロの不動産業者とは異なり、伝えるべきこと(例えば今回のように、再建築不可なこと等)を伝えそびれるなど、トラブルの火種がばらまかれがちです。

友人「おい、再建築不可って何だよ!お前が『家の建て替えができる』って言ってたから、もう解体しちまったんだぞ!俺の住む家をどうしてくれる!」

他にも代金の支払いや残置物の処理など、トラブル事例は枚挙にいとまがありません。

一番手っ取り早いようでいて、実はいちばんリスキーなのが素人同士の個人間売買と言えるでしょう。

4-3-2.不動産会社に売却を仲介してもらう

再建築不可物件を個人間で売却するのが大変なら、不動産取引のプロである不動産会社に売却を仲介してもらうのはどうでしょうか。

不動産のことは不動産会社。餅は餅屋ですが、面倒な一切合切を丸投げできる訳ではなく、注意が必要な点があります。

不動産会社だからと言って、どんな種類の不動産取引でも手馴れている訳ではありません。

中には売却しにくい物件や、売却できても金額の安い物件については、コストの割に利益が上がりにくいため敬遠する業者が少なくないのです。

特に再建築不可物件のような癖のある物件は最初から手を出さず、断ってしまう業者は実に多い現状があります。

このページにたどり着いたあなたも、不動産会社に売却の仲介を断られてしまったのではないでしょうか。

4-3-3.再建築不可物件を買取り専門業者に買取りしてもらう

再建築不可物件を持て余してしまった時は、再建築不可物件など売却が難しい不動産を専門に買取りしている買取り業者に助けを求めるのがおすすめです。

専門の買取り業者は、再建築不可物件を買取りして先ほど紹介してきた裏ワザを使って再建築を可能にすることに特化しています。

だから一般的な不動産会社が敬遠してしまうような癖のある再建築不可物件でも買取りできるのです。

また、不動産会社に売却を仲介してもらうと発生する仲介手数料がかからないのも魅力の一つと言えるでしょう。

ただし、再建築不可物件の買取りを謳っていても自社では買取りをせず、他社への買取りを仲介する業者は仲介手数料がかかるので要注意です。

5.再建築不可物件でお悩みなら、URUHOMEへご相談を

以上、再建築不可物件についてメリット・デメリットと活用・売却方法について徹底解説してきました。

総合的に考えると、再建築不可物件を再建築可能にする裏ワザや抜け道はあるものの、無理に再建築可能とする労力をかけるよりは売却してしまった方がいいでしょう。

再建築不可物件を売却しようとお考えでしたら、当サイトURUHOMEを運営しているドリームプランニングまでご相談くださいませ。

当社は2005年の創業以来、神奈川・東京を中心に日本全国各地のニッチな不動産取引を取り扱ってまいりました。

永年つみ上げた取引ノウハウがあるので、今回もお客様のお悩みを解決するお手伝いができるでしょう。

買取り査定は完全無料、最短ではご連絡から2時間で査定、2日で売却できたケースもございます。

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