私道通行料について
【どんな時に請求されるか?、支払う必要があるか?】
利用している私道の所有者が変わり
「通行料を支払え」
と言われたことはありますでしょうか?
以前、長崎市青山町で
「私道を取得した不動産業者」が私道を通行している住人に対し
”私道の通行料を請求しトラブルになったケース”がありました。
こんな旧タイプで時代遅れな不動産屋がある事にビックリしましたが
ほんの十数年前まではこういった悪質な不動産業者が沢山ありました。
私道について、通行料を払う必要はあるのでしょうか?
もし請求されてしまった場合どのようにすればよいのでしょうか?
私道トラブルにも詳しいURUHOMEがこれらの問題についてお答えいたします。
著者情報

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人
著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、
日本全国の私道持分の無い物件や底地・借地などの特殊な不動産を専門的に取り扱うため、
多数の不動産トラブルの相談を受けておりました。
当サイトURUHOMEは、私達の積み上げてきたノウハウを
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1.私道通行料を請求されるのはどのような場合がある?
1-1.公道に出るために他人の土地を通らなけらばならない場合
”公道に出るために他人の土地を通らなくてはいけない場合”
通行している土地が他人の土地の時、その”他人地の所有者が変わる”事で
『新しい所有者より通行の禁止』をされたり、
『通行料を請求』されることがあります。
〇通行の禁止に関して
他人の土地を通行していて、所有者が変わったことにより通行を禁止された場合
「囲繞地通行権と言って他人の土地を通ることが出来る権利」
が民法210条で認められています。
この時、”公道に出られない土地を袋地”と言い
”袋地を囲んでいる土地を囲繞地”といいます。
囲繞地通行権は民法で認められますが
下記2-1で説明しているように、場合によって通行権を請求されることがあります。
1-2.2項道路や位置指定道路、開発道路などの持分が無い場合
2項道路や開発道路、位置指定道路の持分が無い場合も通行料を請求されることがあります。
2020年10月に起こった
『長崎市青山町の私道をめぐるトラブル』がこの典型例です。
〇長崎市青山町の私道をめぐるトラブルの概要
この事件では、私道の所有者が2019年11月頃変更になり
2020年夏ごろから「1世帯1万円」「車所有なし3千円」「自動二輪のみ所有5千円」
などの通行料を住民に請求されることに始まりました。
9月下旬頃に「通行料の支払いがされない場合、10月1日から一般車両の進入を禁止する」
住人に連絡があり、10月には私道が封鎖されたという事件です。
この事件の話を聞いた時
「こんな時代遅れな怪しい不動産屋がまだあるのか」とビックリしましたが
ほんの20年程前まではごく当然のように悪質な不動産業者が多くありました。
請求される側からすると
『今まで通行したのに急に通行料を請求されるとは腹立たしい』
と思われるかもしれません。
ただ、請求する側としては
『私道の固定資産税がかかることがある』
『道路が傷んだ場合の維持管理費なども負担しなければならない』
という言い分があるようです。
「こんな不動産屋は潰れてしまえ」と私個人としては思いますが
現在「私道にからむ不動産にお住まいの方」や、
これから「私道絡みの不動産を購入される方」には、本当に注意して頂きたく思います。
2.私道の通行料を請求されたら支払わなければいけない?
2-1.公道に出る為に他人地を通る場合は囲繞地通行権が認められる
民法第210条1では
「他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は
公道に至るため、その土地を取り囲んでいるほかの土地を通って通行することが出来る」
とされています。
既にご説明している通り、これは「囲繞地通行権」と言われるものです。
隣地間の利用の調整のために認められた権利なので
土地所有者の権利の移転と関係なく通行が認められます。
したがって、囲繞地の所有者が変わっても従来通り隣地を通って公道に出ることができます。
袋地通行権によって隣地の通行が認められますが
隣地にとって”最も影響のない敷地を通行しなければならず”(民法211条)
判例では80㎝程度の道であり、車の侵入などは考慮されないことがほとんどです。
袋地の所有者は、囲繞地の『損害の少ない場所を選んで通行』しなければなりません。
そして、通行する場合には、通行に使用する土地の面積に応じて使用料を支払う必要がある場合もあります。
囲繞地通行権は80㎝程度の通路であることが多いです。
囲繞地の通行料を支払う必要があるか否かについては、民法212条で定められており
「その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない
ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる」
とあるので、損害を与えている場合は通行料を支払う必要があると解されます。
また、民法213条では
「分割によって公道に通じない土地が生じたときは
その土地の所有者は、公道にいたるため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。
この場合においては、償金を支払うことを要しない」とあります。
つまり、『土地が分割されて袋地になった場合、通行料は不要』という事になります。
分割によって生じた囲繞地は通行料を払う必要はありません。
しかし、元々囲繞地で損害を囲繞地所有者に与えている場合は償金を支払う必要があると解されます。
その場合、通行する土地の固定資産税×3×1/10とする判例が出ております。
2-2.2項道路や位置指定道路、開発道路などの持分が無い場合
通行する私道が2項道路や位置指定道路、開発道路で持分が無い場合
私道の維持管理や固定資産税の負担のため、私道の通行料が請求されることがあります。
この場合、車両の通行が無く、通行するための道路が私道しかない場合は通行権が認められると解されますが
『車両の通行がある場合については、判例では通行権が否定されている判例と、通行権が肯定されている判例』
があります。
基本的に”私道を車で通行することが認められるためには”
通行することについて「日常生活上不可欠の利益を有する者」であること等の要件を満たす必要があります。
また、私道所有者、私道通行者双方の主張を聞いたうえで、私道の重要度から判決を出している傾向にあります。
通行料については判例が少ないのですが、通行料は否定される傾向にあります。
車両通行については、通行権が認められるケースとそうでないケースがあり、通行料の請求は認められないことが多い
3.私道の通行料を請求されないためにはどうすれば良い?
3-1.囲繞地の通行料を請求されないために
囲繞地で通行料を請求されるのは良くあることですが
請求されないようにするには通行する囲繞地に『通行地役権を設定してもらう』ことや
『通行する囲繞地を購入する』などの方法があります。
通行地役権設定については、かなり専門的なやり方になる為
一般的には「囲繞地の購入」が一番良い方法かと思われます。
特に借地などの場合、長いことつかっていて関係があいまいになっていることが多いため
『囲繞地も袋地も所有者が変わる前に購入の話し合い』をされることをお勧めいたします。
3-2.2項道路、位置指定道路、開発道路の通行料の請求をされないために
2項道路、位置指定道路、開発道路の通行料については基本的に認められないことが多いですが
持分を持ったり、通行掘削の承諾書を私道所有者と交わすことが大事です。
私道を徒歩で通行している分には私道の通行を妨害されることや
通行料を請求されることは考えにくいですが
『新規で車両通行を行う場合』や
『私道の所有者が変わった場合は注意が必要』なので、
通行掘削の承諾を交わすときには、権利を第三者に継承させる旨も記載するようにしましょう。
車両通行を行う場合や、私道の所有者が変わった場合は注意が必要。通行掘削の承諾を交わして、権利を第三者に継承させる旨も記載するようにしましょう。
私道の通行については一概に権利の有る無し、通行料の支払義務の有無については言えず、個別の判断になります
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4.私道トラブルで困ったら
私道に接する不動産は通行料を請求されるケースがあったり、通行権が否定されるケースがあったりなど面倒なことがあることも分かってきました。
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そこで、私道トラブルで困ったとき、売却するときにどのようにすればよいかご説明いたします。
4-1.私道トラブルのある不動産を売却するには【東京・神奈川編】
私道トラブルのある不動産については個々の事情により通行料が発生する場合があることや、通行権が否定されるケースもあることを説明してまいりました。
そこで、いっそのこと売却したいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
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4-2.私道トラブルのある不動産の相談・売却【日本全国編】
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