「雨漏りしている家って売却できるの?」
「そもそも雨漏りの原因って何?」
「雨漏りしない家ってどんな家?」
「雨漏りしたら火災保険が下りるってホント?」
雨漏りのある不動産など訳ありの不動産を買取している私たちにはこのようなご相談が寄せられます。
そこで今回、雨漏りした家の売却方法や雨漏りの原因、修繕費用などについても現役不動産社長の私が詳しく解説いたします。
著者情報

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人
著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、2005年の創業より雨漏りした家などの、訳ありな不動産を専門的に取り扱うため、多数の不動産トラブルの相談を受けておりました。
大変ありがたい事に日本全国から不動産のご相談を頂いており、無料査定を行い、1億円位までの物件であれば最短2日でお買取りさせていただくことも可能です。
ご売却にお困りの不動産がございましたら、こちらからお気軽にご相談くださいませ。
1.雨漏りの部位と原因、修繕費用は?
雨漏り原因の前に、まずは雨漏りを箇所についてご説明すると、大体は以下の5つのどこかであることがほとんどで、雨漏り箇所ごとに原因を解説してまいります。
- 屋根
- 外壁
- 窓サッシ
- ベランダ
- 天窓

1-1.屋根からの雨漏りと修繕費用
屋根からの雨漏りは、屋根材が割れたりすることによる雨漏りと、谷樋や板金の劣化からくる雨漏りがあります。
尚、屋根からの雨漏りの場合、後述しますが部分的な補修5万円~、屋根の葺き替え150万円~とかなり開きがあります。
まずは、それぞれの雨漏り原因についてご説明します。
◆ 屋根材のズレ、割れ、浮きなどによる雨漏り
屋根材は瓦屋根とスレート屋根に大きく大別され、瓦屋根はズレや割れたりすることにより雨漏りが発生します。
またスレート屋根の場合は、経年劣化により屋根自体が浮いてくることによって雨漏りが発生します。
◆ 谷樋や棟板金の経年劣化による腐食
谷樋とは、屋根と屋根が谷のようになっている部分の事を言います。
谷樋は歪んだり、曲がったりして雨が溜まりやすくなり、錆びて穴が開くことにより雨漏りが生じます。
棟板金とは、屋根と屋根が山のようになっている頂点になっている部分の金属板を指します。ここは釘などで固定されているのですが、経年劣化により釘が緩むことで雨水が侵入してきます。
1-2.外壁からの雨漏りと修繕費用
◆ コーキングの劣化や外壁の亀裂による雨漏り
サイディングと言われる外壁の壁材のすき間などのコーキングが劣化してひび割れたり、すき間ができることで雨漏りが発生することがあります。
また、サイディング自体が経年劣化により割れたり、変形したり、釘が抜けた穴などから雨水が侵入することもあります。
コーキングの打ち替えは5万円位からでも出来ますが、外壁を丸ごと交換となると150万円くらいからになります。
リフォームの価格・費用、業者の選び方など、お役立ち情報をまとめたメディア|リフォームポータル編集部
1-3.窓サッシの雨漏りと修繕費用
◆ サッシの劣化による境目からの雨漏り
窓サッシは周囲にコーキングが充填されており、コーキングが劣化することによりひび割たり、サッシを固定している釘などが緩んだりすることで、そこから雨水が侵入してくる事があります。
後述しますが、5万円ほどでも目地の修理は出来ますが、サッシ交換となると10万円~が一般的です。
1-4.ベランダの雨漏りと修繕費用
◆ 笠木や外壁との取り合いからの雨漏り
笠木とは、手すりなどが付いている所を指します。
笠木は日差しや風雨によって錆びるなどにより、雨水が侵入しやすくなります。
また、取り合いと呼ばれる笠木と壁の接合部分などは、コーキングが劣化することで、雨漏りすることがあります。
◆ 防水シートの劣化による雨漏り
ベランダの床はウレタンやFRPといった素材で防水工事がされておりますが、日差しなどによって経年劣化し、ひび割れや剥がれが発生することにより雨漏りが生じます。
防水シートの修繕の場合、10万円くらいからでも修繕は可能です。
1-5.天窓の雨漏りと修繕費用
◆ ゴムパッキンや防水シートの劣化による雨漏り
天窓の周辺は、水切り板金が取り付けられていますが、錆びによって劣化することなどにより雨漏りが生じます。
天窓は雨漏りが生じやすいのでこれから建てる方は注意が必要です。
一般的には、ゴムパッキンを変えれば修繕可能なことが多く、その場合は5万円~で修繕可能です。
2.雨漏りしにくい家なら修繕して売却出来る
一度雨漏りをした家の場合、修繕しても再度雨漏りする可能性もあり、解体して土地として売ることも視野に入れた方が良いのですが、雨漏りをしにくい家であれば修繕してそのまま売却も可能です。
雨漏りをしない家というのはありませんが、構造的にシンプルな家が雨漏りがしにくいと言われています。
では、どんな家が雨漏りしにくいか見ていきましょう。
◆ 「切妻屋根」が最も雨漏りに強い
構造的に一番シンプルな屋根形状である切妻屋根で、軒がきちんと出ていて、屋根勾配がきちんと取れているものが、最も雨漏りに強いと言われています。
また、接合部もシンプルであることからメンテナンスも一番楽で安価に出来ます。
ただ、屋根の最上部が雨漏りの原因になることが多いので、注意が必要です。
◆ 「木造住宅」の方が雨漏りに強い
鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べると、木造は外壁と透湿防水シートで2重の防水対策がされているため、雨漏りがしにくいといわれています。
ただ、あくまで鉄筋コンクリート造などと比べれば、まだましという程度です。
外壁に関しては、サイディングの方が雨漏りしにくいとか、吹付のほうが雨漏りがしにくいという事はなく、建物の構造がシンプルで、開口部や取合部といわれる部材同士の接合部が少ないほど雨漏りがしにくいといわれています。

3.雨漏りをしてしまった家は火災保険が適用される?
雨漏りをしてしまっているのであれば、保険を適用させて修繕してから売却してはと思うかもしれませんが、保険を適用させる場合、自然災害によるものでないと保険が適用されず、経年劣化や人的な被害による雨漏りは火災保険は適用されません。
保険適用されるのは次のようなケースです。
種別 | 原 因 | 症 状 |
風 災 | 台風、暴風、竜巻などによって 被害が発生した場合 | ・強風による屋根や壁の変形や 破損・飛来物による建物の破損 |
雪 災 | 大雪などによって被害が発生した場合 | ・積雪による建物への重圧による被害・ 雪崩などによる建物の破損 |
雹 災 | 雹によって被害が発生した場合 | ・雹による建物の破損 |

3-1.雨漏りの保険には免責金額がある
保険には免責金額があり、方法としては自己負担額があらかじめ決められているものと、損害額に下限金額が決められていて、それを越えないと保険適用されないケースがあります。
保険内容 | 適用方法 | 例 |
自己負担額が決められている場合 | 自己負担額を超えた分のみ保険適用される | 自己負担額10万円、損害額100万円の場合 90万円が保険適用(100万円-10万円) |
損害額の下限金額が決められている場合 | 下限金額以上なら全額保険適用される | 下限額10万円、損害額100万円の場合 100万円が保険適用 下限額10万円、損害額5万円の場合保険適用なし |
4.雨漏りした家の売却方法
雨漏りした家に住み続けるわけにもいかず、修繕して住むか、売却するか悩むところです。
また、雨漏りのある家を相続した場合も同じく売却に悩まれている方からのご相談を多数お受けします。
雨漏りしたお家を売却する際は、「雨漏りをしている」若しくは「したことがある」事実を買主さんに告知をしなければなりません。
具体的には、「いつ雨漏りしたか」「現在まだ雨漏りをしているか」「修繕をしているかどうか」を『物件状況報告書』と『重要事項説明書』に記載しないと、場合によっては損害賠償請求をされてしまう可能性もあります。
この項では、雨漏りをした不動産の3つの売却方法と注意点なども解説してまいります。

4-1.雨漏りした家を修繕して売却する
雨漏りを修繕して売却する方法については、一度雨漏りした家はきちんと修さないと再度雨漏りする可能性もあるため注意が必要です。
また、修繕する業者により精度にはかなりバラツキがあるので、業者選びは慎重にしましょう。
平成21年以降に建てられた住宅であれば「住宅瑕疵担保履行法」が成立され、新築後10年以内の建物であれば、費用負担なしで住宅事業者に補修請求できるので、築年数が浅い物件であればこの制度を利用すると良いでしょう。
雨漏りの箇所別の修繕費用の目安は以下の通りです。
修理箇所 | 補修箇所と費用 | 修繕箇所 |
屋根の修理 | ・部分的な補修 5万円~ ・棟の修繕など 15万円~ ・屋根の葺き替え 150万円~ | ・屋根材の部分的な補修 ・棟、谷樋などの交換 ・屋根を葺き替える |
外壁の修理 | ・外壁のひび割れ 10万円~ ・コーキング打ちかえ 5万円~ ・外壁張り替え 150万円~ | ・ひび割れ箇所にシーリングをする ・コーキング打ちかえる ・外壁張り替え |
窓サッシの修理 | ・コーキング打ちかえ 5万円~ ・サッシ交換 10万円~ | ・コーキング打ちかえる ・サッシを丸ごと交換する |
ベランダの修理 | ・防水工事 10万円~ | ・防水層の修繕 |
天窓の修理 | ・天窓のパッキン交換 5万円~ | ・天窓のパッキンの交換 |
尚、前述しているように、雨漏り箇所を修繕して売却する場合でも、いつから雨漏りがあって、いつ修繕したかという事をきちんと買主に説明する必要がありますので、注意しましょう。
4-2.雨漏りした家を解体・更地にして売却する
雨漏りの被害が大きい場合、折角修繕してもまた雨漏りする可能性もあり、更地にして売却することもお勧めです
私が担当をさせていただいたお客様も、雨漏りをした家を何度も修繕したけれども、結局どこが原因か分からず雨漏りが続いたため、結局建物を解体して売却のお手伝いをさせていただいた方もいらっしゃいます。
また、雨漏りで大変なのは、建物が傷むだけでなく、湿気の為にシロアリが発生したりして2次被害もありうることです。
解体して売却するのが良いか、修繕して売却するのが良いか、そのまま売却するのが良いか悩むような場合、一度どのような売却方法が良いか不動産業者に相談してみましょう。
ちなみに、もし解体する場合の解体費の目安は以下の通りです。
構造 | 解体費 | 廃材処分費 | 30坪の場合 |
木 造 | 2.5万円~(坪) | 1.5万円~(㎥) | 130万円~ |
鉄骨造 | 3.5万円~(坪) | 3万円~(㎥) | 250万円~ |
RC造 | 4万円~(坪) | 3万円~(㎥) | 300万円~ |
一般的な30坪の木造2階建ての場合、130万円位で解体できることが多いのですが、樹木やブロック塀、カーポートなど敷地に定着しているものなどがあると、値段が高くなっていきます。
また、残土が出るような場合も追加費用が必要で、例えば30坪の建物の解体と、樹木とカーポート、残土処理のある50坪の土地の整地を含む土地の場合、直近の事例では230万円ほどかかることもありました。
このように、一戸建てを解体する場合、整地費用も必要になってくるため、解体するかどうかは不動産業者の意見も聞いた上で慎重に判断しましょう。
4-3.雨漏りした家を雨漏りしたまま売却する
雨漏りを修繕したり、建物を解体するにはまとまった資金が必要な上、一般の方に売却すると契約不適合責任を負うのが一般的な流れです。
そのため、引き渡し後に雨漏りが再発したり、更地にしても浄化槽などの地中埋設物が発見された場合、追加で修繕費用や埋設物の除去費用が発生することがあります。
こういったことを避けるために、買取の専門業者に売却するのも一つの方法です。
5.雨漏りした家を売却するならURUHOME
当サイトURUHOMEを運営するドリームプランニングでは、2005年の創業以来、東京・神奈川を中心に全国で雨漏りのある不動産など他社様では買い取りが難しい不動産でも、積極的に買取をしてまいりました。
また、エリア的に買取りが難しい不動産も全国の提携する不動産買取業者をご紹介させていただきますので、お気軽にご相談くださいませ。
