「境界未確定の不動産でも売却できるの?」
ニッチな不動産買取りでおなじみドリームプランニングでは、お客様から日々こうしたお悩み相談をいただきます。

結論から言うと、境界未確定の不動産でも売却することは可能です。ただし、誰でも簡単に売却できる訳ではありません。

そこで今回は、境界未確定の不動産を売却する方法や境界未確定の状態を解消する方法などを徹底解説。
皆さんが境界未確定の不動産を売却するご参考にどうぞ!

【この記事は、こんな方に向けて書きました!】

著者情報

境界未確定の不動産を売却するには?トラブル事例や解決方法など徹底解説!with image|URUHOME

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人

法政大学工学部建築学科卒、中堅不動産仲介業者を経て、株式会社ドリームプランニングに入社。底地、再建築不可、市街化調整区域内の土地など、特殊な土地の売買を多く手掛ける。2020年8月より代表取締役に就任

著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、2005年の創業より境界未確定の不動産を買取りする専門業者として日本全国で訳アリ物件を買取してまいりました

大変ありがたいことに神奈川・東京をはじめ日本全国から不動産のご相談を頂いており、5,000万円位までの不動産であれば最短2日で買取りさせていただくことも可能です。

境界未確定の不動産売却でお困りでしたら、こちらからお気軽にご相談くださいませ。

  1. 境界未確定の不動産でも売却できる!
  2. 境界未確定のデメリット
  3. 境界未確定によるトラブル事例
  4. そもそも境界とは何か
  5. 境界未確定問題はなぜ起きるのか
  6. 境界未確定問題を解決する方法・期間・費用は?
  7. 境界未確定しないままで不動産を売却する方法
  8. 境界未確定の不動産でお悩みなら、URUHOMEへご相談を

1.境界未確定の不動産でも売却できる!

冒頭に伝えたとおり、境界未確定の不動産でも売却できます。

別に境界未確定の土地を売却する上で法律的な制限はかからないからです。

要するに、境界未確定の不動産を売却できるかどうかは、買主次第と言えるでしょう。

ただし、多くの買主は境界未確定の不動産を買いたがらないかも知れません。

その理由は、境界未確定によるトラブルが予想されるからです。

2.境界未確定のデメリット

境界未確定の不動産には、どんなデメリットがあり、トラブルが起こるのでしょうか。

ここでは考えられる限りのデメリットを解説していきます。

2-1.資産評価が低く住宅ローンの担保にできず、融資を受けにくい

境界未確定の不動産は、購入に際して住宅ローンを組むのが難しい傾向が見られます。

金融機関は境界未確定の土地を、近隣とのトラブルを抱えている(少なくともトラブルのリスクがある)と判断するでしょう。

トラブル対策費用を織り込むと、土地の資産評価価値を低くおさえねばならず、その結果ローンの担保能力が不足してしまうのです。

境界未確定の不動産を購入するには、現金一括払いか金利の高いノンバンクのローンを利用するか、あるいは追加の担保を入れて融資を受ける必要があるでしょう。

2-2.境界未確定のままでは分筆がむずかしい

インターネット上で「境界未確定の不動産は分筆ができない」とする旨の記事を見かけたことはないでしょうか。
しかしこれはケースバイケースで、境界未確定であっても、絶対に分筆できないという訳ではありません。

例えば明らかに土地が仕切られているような場合については、その仕切り線から1m下がった位置を境界と見なして分筆できる実務的処理も自治体によってあります。

1m下がるのは、誤差があった場合に備えて余裕を見ているのでしょう。これも当局の判断によってケースバイケースですしょう。

ただしこの手続きは誰でも簡単に認められるものではなく、境界未確定の不動産を分筆するハードルが高いのは間違いありません。

2-3.分筆できないと、売却がむずかしい

分筆ができないと、土地を広いままで売却しなければなりません。

一般に土地が広いとそれだけ高値で売却することになるため、購入のハードルが上がってしまいます。

先ほど解説したとおり境界未確定の土地はローン融資が下りにくいため、なおさら売却に不利です。

まとめて購入してくれる方が見つかればいいのですが、そういう資金的な余裕のある方はもっと好条件の土地を検討する探してしまうでしょう。

土地を分筆できるよう、境界未確定の状態は解消しておきたいところです。

3.境界未確定によるトラブル事例

境界未確定の不動産は、隣地とのトラブルが発生するリスクを常に抱えていることになります。

「ウチはお隣さんと仲がいいから大丈夫だよ!」と思われるかも知れませんが、互いの好意に依存した関係ほど、こじれた時が大変なものです。

どんなトラブルが想定されるか、こちらで解説しておきましょう。

3-1.越境による利用トラブル

境界未確定ということは、どこまでが自分の土地で、どこからが相手の土地なのか分かりません。

せめてブロックなどの何かの目印があれば良いのですが、敷地境界を識別できるものが何もないと、困ったことになります。

境界が分からないのをいいことに、敷地を譲り合って使おうとせず、物や車を置いてしまう方もいるでしょう。
筆者が知っている限りでは、ゴミを不法投棄する輩までいました。

越境だと抗議しようにも、どこからが境界か分からない以上は文句の言いようもありません。
相手の良識に委ねるよりほかないため、実に歯がゆい問題ですね。

3-2.建物や工作物による越境

物を置くくらいならまだどかせますが、境界未確定の部分に建物を増築したり物置を設置したりする手合いがいるかも知れません。

なかなか撤去できないことから、抗議されたくらいでどかすつもりはないでしょう。かなり悪質なケースですね。

力づくでどかすとより大きなトラブルに発展してしまうため、まずは誠意をもって話し合い、必要に応じて粛々と法的手続きをとりましょう。

3-3.自分が加害者?になってしまう場合も

境界未確定と聞くと、何となく周囲の隣地から越境被害を受けるイメージを抱くかも知れません。

しかし、実は自分自身が知らぬ間に他人の土地を占有していたというケースも多くあります。

中には「境界線の認識がズレていた」程度のレベルではなく、自分の敷地だと思っていた土地が実はまったく知らない第三者の場所で、堂々と他人の土地を占有していたというケースも実はよくあります。

こういった場合は、購入した時に不動産屋から何も説明を受けていなかったという事もあります。

悪意が無かったとはいえ、他人様に迷惑をかけてしまうのは忍びないもの。
そんなことにならないよう、なるべく早めに境界を確定しておきたいところです。

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4.そもそも境界とは何か

境界と一口に言っても、実務的には大きく3つに分類されます。

公図上(法律上)の境界である「筆界」と、所有者同士で合意した境界である「所有権界」。そして第3者が占有している状態を示す「占有界」について、それぞれ解説していきましょう。

4-1.公図上の境界「筆界」

筆界(ひっかい)とは不動産登記法第123条1項1号に定義された法律的な境界を言います。

筆界の歴史は古く、明治時代の税制度の改革を目的とした地租改正によって、土地の測量を実施したことに始まります。

この時に土地の範囲を区画する線を決めたことが現在の筆界に繋がっており、最初に決めた筆界を原始筆界と言います。

そもそも当時の測量は縄を使って測量しており、税金に影響する事からわざと小さく測量するなど精度が低い状態のまま公的な資料として利用されてきました。

この筆界が現在法務局で「公図」として備え付けられているものに繋がっているのですが、筆界は登記によってしか変更が生じないとされ、所有者同士の合意などによって変更できないものとなっております。

このように筆界はより公的な意味合いがあることからも「公法上の境界」とも呼ばれます。

不動産登記法 第123条 1項
一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。

筆界に関する条文を見てみると小難しい文言が並んでいますが、要するに「一筆の土地を囲む法律的な境界線」と覚えればいいでしょう。

ちなみに筆(ひつ/ふで)とは、土地を数える単位です。広さは関係ありません。登記された土地ごとに1筆(いっぴつ/ひとふで)、2筆(にひつ/ふたふで)……と数えます。

また登記されていない土地についても、ある程度のかたまった土地(一帯)を一筆(この場合は「ひとふで」と訓読みする方が多い)と俗用する方もいますが、その場合は本当に一筆として登記されているのか確認しておきましょう。

4-2.所有者同士で合意した境界「所有権界」

上記のように土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして決められた「筆界」に対して、隣接する土地所有者の所有権の境界を「所有権界」と言います。

所有者同士が認識している所有権の境界という事から「私法上の境界」とも呼ばれています。

所有権界は、お互いの筆界を融通し合って所有権を認め合ったりすることもあり、「筆界」よりも現場の事情に適している=使い勝手のよいことがほとんどです。

ただし、融通し合っている土地の所有権を分筆しないまま厳密に登記することは難しく、ほとんどの場合は口約束(よくて覚書程度)ですませてしまっているのが現状です。

例えば、ブロックを設置していない土地で、「ここからここまでは私の土地。そこからそこまでがあなたの土地」と話し合いで取り決めたとしても、当事者が生きている&仲がよい内はそれでいいのですが、仲違いしてしまったり、土地を子供が相続したりした時にトラブルが発生してしまいます。

「親同士は勝手に境界について話し合ってたみたいだけど、公図を見てもそこからそこは私の土地だよね」

相続した人からすれば、親同士の取り決めなど無いと同じようなもの。互いの善意を前提とした取り決めは、こじれた時が一番厄介になってしまうのです。

4-3.所有権を持たない第3者による「占有界」

土地を誰かに貸していたり、あるいは災害のどさくさで更地となった場所を占有したり。そんな第三者が「自分がこの範囲の土地を使っている」ことを示すのが占有界です。

民法では、自分の土地でないと知っていても20年間占有していると、取得時効によって所有権を移転=自分のものにすることが可能となります(第162条)。

民法
(所有権の取得時効)
第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

【意訳】他人のものを自分のものにするために20年間使っていたら、自分のものにできる。ただしトラブルなく、堂々と自分のものとして使っていること。

2 他人のものを自分のものだと思い込んで使っていた場合は、10年後に自分のものとできる。ただし「自分のものだと思い込んでも無理はないよね」と客観的に判断できる状態(善意無過失)であること。

文中「平穏に」とあるのは、元の所有者から「その土地は私が所有しているから返してくれ」と言われないこと。言われたらダメです。居座っても不法滞在になります。

地主の立場であれば「自分の土地に誰かが居座っていたら、ちゃんと自分の所有権を主張しないと、合法的に奪われてしまいますよ」ということを覚えておきましょう。

5.境界未確定問題はなぜ起きるのか

原則として、土地の境界について法律的に正しいのは筆界です。

ただし筆界は生活の実情にそぐわないことが多く、往々にして所有権界や占有界が幅を利かせることになります。

本来であれば筆界に合わせてきちんと使うか、所有権界などに合わせて筆界を変更する手続き(分筆・合筆登記など)をとるべきなのですが、なかなかそうもいきません。

ここではなぜ境界未確定問題が起こるのか、その原因例を解説していきましょう。

5-1.先代同士の取り決めが、時間の経過でうやむやに

境界未確定問題の原因として多いのが、先代以前で境界を取り決めていたケース。

「親の代で取り決めたらしいけど、どっちも亡くなってしまったからよく分からない」

こういう方は少なくないでしょう。日ごろから交流があれば、改めて話し合いで境界を確定すれば事足りる話です。

しかし中には証拠がないのをいいことに、ここぞとばかり領土拡大?を図る手合いもいます。

「亡くなった親父は、ここまでがウチの敷地だと言っていたぞ!」

「そんな無茶な。こっちの生活も考えてくれ!」

……などなど。記録を残しておかさないと、後からこういうトラブルが絶えません。
なので取り決めに際しては、確実にエビデンス(主張の根拠。覚書や協議記録など)を残しておきたいものです。

5-2.境界と無関係にブロック塀などを設けてしまった

法律とか筆界とか難しいことはよく分からないけど、お隣さんの敷地と何の仕切りもないのは落ち着かない。だからとりあえず、適当にブロック塀とか設けておこう……。

そもそも筆界なんてものはあいまいで、昔は大らかだったので「まあ何となく」でもそれが境界として認識されていたので良かったのです。

これはこれで生活上困らないし、それを境界のように取り扱ってもいいのですが、いざ不動産を売却しようと思い、法務局で公図を取り寄せて筆界を調べてみたら、現況と明らかに違っている。

境界確定をしようと思っても、昔の「まあ何となく」決めたブロック塀の境界と、公図から推測する筆界があまりにも違い、境界確定が出来ないというケースもあります。

こうした事にならないよう、所有している不動産はキッチリと境界を確定しておくのがベストです。

5-3.境界標が破損・滅失してしまった

土地には境界を示すため、境界標が埋設されています。境界標の設置については民法223~224条に定められており、設置・保存にかかる費用は隣地所有者との折半です。

民法
(境界標の設置)
第二百二十三条 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。
(境界標の設置及び保存の費用)
第二百二十四条 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。

条文には「境界標を設けることができる」とあるので、不要なら設けなくてもいいのですね。

境界標を結んだ線で囲まれた範囲が自分の敷地となるのですが、境界標は場所によってただ地面に刺してあるだけのものも多いため、引っこ抜かれないとも限りません。

そうでなくても工事中に壊してしまったり、境界標の意味を知らない人が捨ててしまったりなど、以外になくなってしまうものです。

他にも昔は木製の杭を境界標とすることが多かったため、風雨に朽ち果ててしまうことや、コンクリートや、金属製の境界でも経年劣化などによって、どこにあるか分からなくなってしまうこともあります。

5-4.気がついたら境界標が復活していた

さて、境界標がなくなったと思ったら、いつの間にか復活していました。でも、心なしかこっちへ寄っている=ウチの敷地が狭くなっているような……そんなお悩み相談がありました。

これはお隣さんが悪気なく境界標を設置したのか、それともドサクサ紛れに敷地拡大を図ったのか……どう対処したものでしょうか。

ちなみに、境界標を勝手に破壊・撤去・移動してしまうことは犯罪です。具体的には刑法第262条の2「境界損壊罪」で5年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑に処される可能性があります。

刑法
(境界損壊)
第二百六十二条の二 境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

もしお隣さんや利害関係者がそういう事をしてしまいそうな時は、それとなく伝えてあげるといいかも知れませんね。

5-5.隣地の建物や工作物等が越境して居座っている

お隣さんが建てた建物や工作物が敷地を越境し、居座ってしまうパターンです。

先ほど紹介したブロック塀のケースとは異なり、話し合いを経ないで強引に事を進めてしまうケースがしばしば見られます。

簡単にどかせないことが分かっている分、相手は故意に行っている≒話し合いには応じない可能性が高いでしょう。

「このままはぐらかし続ければ、向こうもいちいち訴訟など起こさず、そのうちに泣き寝入りするだろう」

そんなふてぶてしい魂胆が見え透いてうんざりしますね。しかしここは毅然とした対応が必要です。

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6.境界未確定問題を解決する方法・期間・費用は?

さて、境界未確定の不動産は何かとトラブルの温床であることが分かっていただけたかと思います。

そこで、ここでは境界未画定問題を解決するための手続きを詳しく解説していきましょう。

6-1.境界確定測量を行う期間と費用は?

土地の境界を確定させるためには、境界確定測量を行う必要があります。気になる期間や費用などをチェックしておきましょう。

6-1-1.境界確定測量に必要な期間は約3~4ヶ月

  • 土地家屋調査士など(※)に境界確定測量を依頼……1~2日
  • 測量に必要な資料(公図、登記簿謄本など)を収集……約1週間
  • 現地の事前調査、現況測量を実施……約2~3週間
  • 依頼者・隣地所有者など立会いで境界確認作業……約1ヶ月
  • 確定測量と、確定測量図の作成……約1ヶ月
  • 登記申請……1日(登記完了まで約1週間~10日)

(※)測量そのものは測量士でも可能ですが、登記申請などの手続き代行は土地家屋調査士にしかできないため、最初から土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。

隣地所有者が協力的で、比較的スムーズに進んだ場合、境界確定測量は約3~4ヶ月かかります。

もし隣地所有者が非協力的であったり、行方不明であったりした場合は更に日数を要することになるでしょう。

また、隣地所有者が自治体であった場合も、立会いのスケジュール調整などに時間がとられるケースが多くあります。

6-1-2.境界確定測量に必要な費用は30~50万円以上

  • 資料収集……3~5万円が相場
  • 事前調査……5~13万円/一式が相場(土地の広さなどによる。以下同じ)
  • 現況測量……7~17万円/一式が相場
  • 境界確認……2~4万円/境界点1点あたりが相場
  • 確定測量……5万円~/一式が相場
  • 登記申請……3万円~/一式が相場

これらを合計すると、境界確定測量に必要な費用は30~50万円以上が相場と言えるでしょう。

一般的な住宅で40坪位までの敷地であれば、隣接地の所有者1人につき10万円位というのが相場です。なので、例えば隣接地の所有者が4人だった場合、40万円位が相場となります。

所有者が増えるほど、敷地面積が広くなるほど境界確定の費用は高くなります。

ただし、資料収集については自分で役所や法務局へ行けば取得できるので、あらかじめそろえることでいくらかの節約が可能です。

登記申請も法的には自分で行えるため、代行手数料を節約できそうな気がします。しかし手続き(精密な図面を作成する等)が難しいため、費用対効果を考えると現実的ではないと思っておきましょう。

ちなみに、私道などの境界確定の場合、権利者が多く境界確定に100万円以上することも多くなってきます。私道を所有している方は境界確定すべきか慎重に判断しましょう。

6-2.筆界特定制度を利用する期間と費用は?

境界確定測量を行う際、隣地所有者が非協力的であるなど、スムーズに行かないケースも少なくありません。

そうなると通常は境界確定訴訟(裁判)によって決着をつけることになりますが、不動産登記法第123~150条(第6章 筆界特定)に定められている筆界特定制度を利用する選択肢もあります。

筆界特定制度は相手の立会いなしでも筆界が特定でき、特定された筆界をもとに分筆登記なども可能です。

ただし筆界特定はあくまで法務局によって「便宜上ここを筆界とする」という判断に過ぎず、新たな境界を確定するものではありません。

つまり法的拘束力はなく、特定された筆界に不満があれば、相手が境界確定訴訟を起こしてくるリスクもあります。

もちろんあなたにとって満足できる筆界が特定される保証もないため、筆界特定の結果に不満があれば境界確定訴訟を起こすことも可能です。

6-2-1.筆界特定に必要な期間は

筆界特定の申請から完了までにかかる期間は、一般的なケースで1年弱~1年半ほどとなります。

状況がよほどシンプルであればもっと早く完了するケースもあるでしょう。しかし大抵は関係者の人数や事案の複雑度合いに応じてこれ以上の期間を要するパターンが大半です。

6-2-2.筆界特定に必要な費用(1)法務局への申請手数料

筆界特定の費用には、大きく(1)法務局への申請手数料(収入印紙、印紙税)と(2)測量費用等があります。

(1)手数料の計算式は以下の通りです。

固定資産評価額÷2×0.05(5%)=A金額
A金額÷B単位(端数切り上げ)×C単価=納付額

A金額B単位C単価
区分ア100万円以下の部分10万円ごと800円
区分イ100万円超500万円以下の部分20万円ごと800円
区分ウ500万円超1,000万円以下の部分50万円ごと1,600円
区分エ1,000万円超10億円以下の部分100万円ごと2,400円
区分オ10億円超50億円以下の部分500万円ごと8,000円
区分カ50億円超の部分1,000万円ごと8,000円

【例:土地の固定資産評価額が5,000万円であった場合】
5,000万円÷2×0.05=125万円
区分ア(100万円以下の部分)については10万円ごとに800円なので、
100万円÷10万円=10
800円×10=8,000円となります。
100万円を超える区分イ(500万円以下の部分)については20万円ごとに800円なので、
25万円÷20万円=1.25⇒2(端数切り上げ)
800円×2=1,600円となります。
区分ア8,000円+区分イ1,600円=合計金額9,600円を申請時に仮納付しましょう。

仮納付というのは、申請後の調査状況等によって法務局から追加の納付が請求されるためです。

追加の納付額はケースバイケースとなるため、詳しくは法務局で確認して下さい。

6-2-3.筆界特定に必要な費用(2)測量費用

筆界特定に際して、法務局の選任した測量実施者による測量が行われます。その費用も申請者が負担することになるので織り込んでおきましょう。

測量費用は土地の状況にもよりますが、民間で境界確定を行うより割高になるケースが多く、一般に40~80万円以上かかってくるのが普通です。

なお、こちらから資格者代理人(土地家屋調査士など)に申請を依頼した場合、法務局の選任した測量実施者への支払いは不要になります。

なのでもし土地家屋調査士の知り合いがいれば、その方にお願いしたほうが費用を抑えられる可能性が高いでしょう。

6-3.境界確定訴訟を起こす期間と費用は?

筆界特定の結果に納得ができない、どうしても境界を確定させたい場合については、裁判所を通じて境界確定訴訟を起こすことになります。

筆界特定と違って裁判所が法定拘束力のある判決を下すのですが、一般的な民事訴訟と異なる特殊ルールがあるので確認しておきましょう。

(1)裁判所は原告・被告双方の主張に関係なく、独自に境界を確定します。
(2)土地を共有している場合は、共有者全員が原告か被告になります。
(3)和解や調停はできません。問答無用で裁判所が境界を確定します。
(4)勝訴・敗訴という概念がないため、訴訟費用は当事者双方が負担します。

訴訟の流れは基本的に一般の民事訴訟と同じですが、期日の中で現地見分の機会が設けられる点が特徴です。現場を確認した上で、裁判官が適切と思われる境界を確定します。

総括すると「判断に従うのでは任せるから、現地を見た上でとにかく境界を確定して下さい」と訴えているのですね。

判決が確定した後は、被告・原告の双方が法的に拘束されます。気に入らないから従わないということはできません。

6-3-1.境界確定訴訟に必要な期間は?

境界確定訴訟を起こすと、訴訟の提起から判決までにおおむね2年以上はかかるケースがほとんどです。

訴訟を提起してから約1ヶ月後に第1回の口頭弁論期日が指定され、それから概ね1ヶ月に1回ペースで期日が設定されます。

原告の主張や被告の反論が展開され、それぞれが証拠を用意したり、現地見分したりしながら境界のあるべき姿を裏づけていくのです。

裁判所の判決は有無を言わさぬ強制力を持っているからこそ、境界の確定は慎重に臨みます。その結果として、判決が出るまで2年以上かかってしまうのは仕方のないところでしょう。

6-3-2.境界確定訴訟に必要な費用は?

境界確定訴訟に必要な費用は、大きく(1)現地の測量費用(2)弁護士費用(3)訴訟手続き費用の雑費に分けられます。

(1)測量は土地家屋調査士に依頼するのが一般的で、費用は土地の広さや状態によって異なるものの、概ね40~80万円位になります。

(2)弁護士費用は法律事務所によって異なるものの、おおむね着手金と成功報酬+実費で請求するところが多いようです。

【着手金の一例】経済的利益(訴額)の5.5%+8~10万円
【成功報酬の一例】経済的利益(判決額)の11%+18~20万円

着手金は成否にかかわらず支払い、成功報酬は勝ち取った金額について支払います。

ただし境界確定訴訟には勝訴も敗訴もないため、訴額≒土地の固定資産評価額を基準として支払いが発生するでしょう(法律事務所により異なる)。

また、実費とは調査や資料取得に要した交通費や手数料などです。

(3)訴訟手続きの必要費用とは、裁判所に納付する印紙代(印紙税)や書類をやりとりする郵便費用などを言います。

印紙代は訴額によって異なり、金額がかなり細かく分けられているためここには一例を載せておきましょう。

【裁判手数料・印紙税の一例】

訴額訴えの提起(地方裁)控訴の提起(高等裁)上告の提起(最高裁)
1,000万円5万円7.5万円10万円
2,000万円8万円12万円16万円
3,000万円11万円16.5万円22万円
4,000万円14万円21万円28万円
5,000万円17万円25.5万円34万円
6,000万円20万円30万円40万円
7,000万円23万円34.5万円46万円
8,000万円26万円39万円52万円
9,000万円29万円43.5万円58万円
1億円32万円48万円64万円
※参考:手数料|裁判所

訴額1億円を超える訴訟の手数料については、裁判所へお問い合わせください。

郵便費用は、当事者の人数や郵送資料の量によって異なりますが、概ね数千円程度に収まるものと思われます。

6-4.所有権確認調停を依頼する期間と費用は?

これは境界を確定する手続きとは違うのですが、裁判所を通じて所有権界の確認調停(要するに話し合い)を図ることも可能です。

「境界未画定問題は何とかしたいけど、お隣さんと訴訟まで起こしてしまうのは……」と思ってしまう奥ゆかしい方はこちらもご検討ください。

あくまで話し合いですが、裁判所の調停委員が間に入ってくれることで相手も感情的になりにくく、協議がスムーズに進むケースが多くありました。

▲当社ドリームプランニングで所有権確認調停を起こした事例を紹介しています。こちらもどうぞ!

ただし、あくまで話し合いなので、相手が応じなければ始まりません。また応じさせる拘束力もありません。

また境界確定をしてくれするものではなく、所有権の範囲を話し合いによって取り決めるものになります。

取り決めについて双方が納得した内容は裁判所が調停調書にまとめ、この調停調書は判決と同じ法的効果をもつ強力なものとなります。

また、実務ではこの時に決めた所有権界をもって筆界として登記する事も場合によっては可能です。

【ポイント】
所有権確認調停は、話し合いに応じさせる拘束力はないが、話し合いの結果にまとめられた調停調書には判決と同じ法的拘束力がある。
また、話し合いで決めた所有権界が筆界として登記できることもある。

所有権確認調停にかかる期間はおおむね6ヶ月程度、費用は調停を求める金額によって小刻みになっているため、例を以下に紹介します。

所有権確認調停を求める金額手数料金額(カッコ内は訴訟の場合)
1,000万円2.5万円(5万円)
2,000万円3.7万円(8万円)
3,000万円4.9万円(11万円)
4,000万円6.1万円(14万円)
5,000万円7.3万円(17万円)
6,000万円8.5万円(20万円)
7,000万円9.7万円(23万円)
8,000万円10.9万円(26万円)
9,000万円12.1万円(29万円)
1億円13.3万円(32万円)
※裁判所HPより

※1億円を超える案件の調停につきましては、裁判所へお問い合わせ下さい。

境界確定訴訟に比べて大幅に安くなりますね。お互い相手に話し合う余地が残っている場合は、ぜひとも活用したいところです。

6-5.地図訂正申出・地積更正登記を行う

境界未確定問題が解消されたら、法務局に対して地図訂正申出と、地積更正登記の申請しましょう。

境界未確定の土地は、公図の上で(1+2+3)のように表記されていますが、これを1・2・3と明確に区分するのです。

また、境界が確定されたことで明確になった地積についても更正登記しましょう。大抵は地図訂正申出と一緒に行います。

手続きは土地家屋調査士に依頼するのが一般的ですが、費用は事務所によって数万円(測量なし)から数十万円(測量込み)と差が大きいため、複数社に見積もりをとって確認した方がいいでしょう。

6-6.できれば境界に沿って塀を設置するなど明示する

こうして名実ともに境界問題が解決したら、できれば誰が見ても「これが正しい境界である」と分かるよう、明示するのがおすすめです。

ブロック塀やフェンスを設置するなどが多いですが、よくあるのが「境界線はブロック塀のどっち側か?それとも真ん中?」問題。これをハッキリしておかないと、寸土をめぐって争いが起きかねません。

※ちなみにブロック塀自体の所有権は、特に取り決めがない限り双方の共有と推定されます(民法第229条)。また設置&メンテナンス費用は双方の折半です(民法第226条)。

ブロック塀をどのように設置するのか、あらかじめ双方で合意しておきましょう。

6-7.境界未確定問題を解決させる方法・期間・費用まとめ

境界未確定の解決方法期間(目安)費用(相場)
境界確定測量3~4ヶ月以上数十万円以上
筆界特定1年弱~1.5年以上訴額等により数十万~数百万円
境界確定訴訟2年以上訴額等により数十万~数百万円
所有権確認調停6ヶ月以上訴額等により数万~数十万円
地図訂正申出(測量なし)数日以内数万円程度
地図訂正申出(測量あり)3~4ヶ月以上数十万円以上
地積更正登記(測量なし)数日以内数万円
地積更正登記(測量あり)3~4ヶ月以上数十万円以上
境界明示(ブロック塀設置)規模により3~7日程度(一般宅地)グレードにより2.0~5万円/m以上
境界明示(フェンス設置)規模により2~3日程度(一般宅地)グレードにより1.5~10万円/m以上
※詳細については、各項目をおさらいして下さい。

ここまで、境界未確定の問題を解決する方法について徹底解説してきました。ざっと読んだだけでも、なかなか一筋縄ではいかないことは分かっていただけたのではないでしょうか。

境界を確定させると一度決めたら、かなりの労力と費用、そして時間がかかることを覚悟しなければなりません。

軽々に着手してしまう前に、本当に境界未確定の不動産をどうするべきか、十二分に検討されることを強くおすすめします。

7.境界未確定のまま売却する方法

境界未確定の不動産について、境界を確定するためには膨大な労力と費用が必要なことが分かりました。

しかし、一般の方はそこまで出来ない方がほとんどなのではないでしょうか。できたとしても、なるべく手間をかけず売却したいものです。

なのそこでこちらでは、境界未確定のままで不動産を売却する方法を解説して参ります。

7-1.境界未確定でも承諾してくれる買主に売却する

最初の方でお伝えした通り、境界未確定でも買主さえ承諾してくれる≒不利な条件を受け入れてくれるのであれば、売却は可能です。

ケースバイケースですが、別に境界未確定でも困らない土地は決して少なくありません。

例えば資材置き場用に郊外の土地を購入されたお客様は「別にモノを置くだけだから、厳密な面積にはこだわらないし、わざわざ分筆する気もない」とのこと事でした。

近隣関係に問題を抱えていなければ、境界未確定でも差し迫って困ることはないでしょう。

そうした大らかな土地であれば、境界未確定でもこだわらないニーズは意外にあるものです。

境界未確定だからと諦めず、買主を探していきましょう。

7-2.実測面積でなく、公簿売買で売却する

境界未確定だから、実際の面積を測ることはできません。だけど、公簿上ではとりあえず面積が決まっています。

※登記簿の「地積(面積)」欄を見て、小数点以下が書かれていなければ、どこか境界未確定の部分があります。

この公簿上の面積をもとに境界未確定の不動産を売却する公簿売買も選択肢に浮上するでしょう。例えば売却に際して、こんな感じ取り決めをするイメージです。

「とりあえず公簿に70㎡とあるので、この土地を70㎡の面積として扱います。いつか実際に測ってみて、多少の誤差があっても文句は言いません(ごくざっくり意訳)」

文句を言う、とは具体的に契約不適合責任を追及したり、売買面積との差額精算を要求したり等をイメージして下さい。

多少の誤差、とは人ごとに感覚の違いはあるものの、面積の誤差10%を超えたらさすがに黙ってはいないかも知れません。別にこだわらない人もいるかも知れませんが……。

ちなみに、売却した土地が公簿面積よりも広かった場合、特約がない限り売主は売却代金の増額を要求できません。
これは最高裁の判例(2001年11月27日)が出ています。

※参考:平成12(受)375 債務不存在確認請求本訴,不当利得請求反訴事件

売主は売却した土地の価値を正しく把握していなかった経営上のミスであるのに対し、買主はお得な買い物をしただけ=過失がないのに、後から追加代金を請求されてはたまりません。

だから最高裁は買主を保護する判決を出したのでした。売主はあくまで自己責任となります。

なので公簿売買で境界未確定の不動産を売却する時は後悔のないよう、概略であっても土地の面積など、より正確な把握に努めましょう。

7-3.買取り専門業者に売却する

境界未確定の土地を売却するなら、買取り専門業者への売却も選択肢として有効です。

大きなメリットとしては、以下3つが挙げられるでしょう。

(1)現状のまま、境界を確定せずに売却できることもある
(2)直接売却なので、仲介手数料がかからないこともある
(3)境界未確定による契約不適合責任が免責になることもある

買取り専門業者は境界未確定の不動産取引に精通している=数多くこなしているため、コストを抑えた再生ノウハウを持っています。

ここが一般の不動産会社に比べて強みとなっており、多くの不動産会社が敬遠してしまうような物件でも売却に応じてくれるでしょう。

今まで解説してきた境界確定の手間暇が一切ナシで売却できるのは嬉しいですね。
また、他人への売却仲介でないため、手数料もかかりません。

ただし自社で買取りをせず、他社へ仲介している会社は仲介手数料をとるので、ちゃんと自社買取りしている会社へ売却しましょう。

そして境界未確定の不動産売却につきまとう契約不適合責任を免責にしてくれるのは最大のメリットと言えます。
後から責任を追及されるリスクがなくなれば、心置きなく売却できますね。

境界未確定の不動産を売却するなら、これらの条件を満たしている買取専門業者への売却がおすすめです。

8.境界未確定の不動産でお悩みなら、URUHOMEへご相談を

以上、境界未確定の不動産に関するデメリットやトラブル事例、境界確定方法・期間・費用など考えつく限りを徹底的に解説してまいりました。

境界未確定の不動産を抱えることがいかに大きなリスクで、境界確定が大変であるかがご理解いただけたかと思います。

境界未確定の不動産でお悩みなら、当サイトURUHOMEを運営しているドリームプランニングへの売却もご検討くださいませ。

当社は2005年の創業以来、神奈川県・東京都をはじめ日本全国各地で境界未確定の不動産を買取り。皆さんのお悩み解決を手伝ってまいりました。

永年の不動産取引でつちかったノウハウが、今回も役立てられると思います。

境界未確定の買取査定は完全無料。最速のケースでは、ご連絡をいただいてから2時間で査定完了(資料等が揃っている場合)、2日で買取させて頂いたこともございました。

境界未確定の不動産でお悩みでしたら、ぜひドリームプランニングにご相談くださいませ。

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