崖・傾斜地

崖条例『傾斜地で建築する為に』



敷地が崖の上か下にある場合に条例で建物に制限がかかります。
崖条例(建築基準法第19条4項)がどんなもので、どんな時に制限を受けるかについて解説します。

崖の上や崖の下にお家を建てる時、建築する建物に制限がかかります。

具体的には”
崖下の建物は一部を鉄筋コンクリート”にしたり、
”崖上の建物は基礎を深くしたりする”ことが必要になります。


建築基準法では 崖に近接する建物は「安全上適当な措置を講じなければならない
と定められておりますが、
具体的にどのような決まりかは自治体毎の条例によって定められております。


これが「崖条例」と呼ばれるもので、自治体によって異なるので注意が必要です。
(※例えば神奈川県の中でも、神奈川県の条例と横浜市・川崎市・横須賀市などの条例で異なります)

今回は「崖条例とは何か?」「地域ごとにどのように異なるか?」
について詳しく解説いたします。

著者情報

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株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人

法政大学工学部建築学科卒、フリーカメラマンを経て、某中堅不動産仲介業者で7年勤務、成績優秀者賞等を受賞、月間最高売り上げ1800万円。退社後、株式会社ドリームプランニングに入社、底地、借地、再建築不可、市街化調整区域内の土地など、特殊な土地の売買を多く手掛ける。2020年8月より代表取締役に就任

著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、
日本全国の崖・傾斜地や底地・借地などの特殊な不動産を専門的に取り扱うため、
多数の不動産トラブルの相談を受けておりました。

当サイトURUHOMEは、私達の積み上げてきたノウハウを

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1.崖条例とは(建築基準法第19条4項)

1-1.崖条例とは

崖条例とは自治体ごとに定めている建築基準法施行条例の通称で(東京都は建築全条例第6条)(神奈川県は建築基準条例第3条など)で、高さが2mもしくは3mを超える崖の上、もしくは崖の下に建築物を建築する場合、崖上にあっては深基礎または杭基礎などにより擁壁構造に影響を及ぼさないようにする崖下にあっては高基礎や待ち受け擁壁などで崖崩れが起こった際に建物に影響がないようにしなくてはならないことを言います。

崖条例は自治体ごとによって定められており、それぞれルールが異なります。

建築基準法では崖について19条4項で「建築物ががけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合においては、擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならない」と定められているのみで、具体的な記述はありません

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北区HPより

1-2.崖条例の適用範囲

各地方自治体で定めている崖条例により建物に制限を受ける範囲は崖の下端から崖の高さの1.5倍~2倍が崖条例の適用範囲となります。

この範囲内では構造上安全と認められるような基礎もしくは擁壁をもつ建物でないと建築できません。

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北区HPより

1-3.擁壁の維持と管理

擁壁の維持・保全の責任は、擁壁所有者にあります。特に次の事項は管理するうえで注意しましょう。

  • 擁壁の下の土を掘って取ったりしない。
  • 擁壁の高さ以上に土を盛ったりしない。
  • 擁壁の上の土地に多量の水をまいたり、池などを造って水をためたりしない。
  • 擁壁の上の敷地には、その荷重を見込んで擁壁の安全を確かめたもの以外の建物やその他の構造物を築造しない。

擁壁の保全については所有者責任が生じるため、現在崖近くにご自宅を所有されている方の中には、崖地近接住宅移転事業といって、建物除去等に補助金が出る場合もあります。
お引越しを考えられているかたは、こちらの記事もご参考になさってみてくださいませ。

がけ地近接等危険住宅移転事業とは?【誰でも分かる要件と内容】

2.自治体ごとの崖条例の具体例

2-1.神奈川県の崖条例(神奈川県建築基準条例 第3条)

神奈川県でも横浜市、川崎市、横須賀市、相模原市、鎌倉市、厚木市、平塚市、小田原市、秦野市、茅ヶ崎市、大和市については、独自に建築基準条例を制定しているので、神奈川県建築基準条例はそれ以外の市について適用されます。

崖の高さの2倍以内に建物を建てる場合、深基礎や擁壁などを作る必要があるのは他と同じですが、崖の上部が盛土で高さ2.5m以下勾配が 45 度以下、斜面を芝などで覆ったものも適用されないというのが他の条例と異なります。

高さ 3 メートルを超えるがけの下端(がけの下にあっては、がけの上端)からの水平距離が、がけの高さの 2 倍以内の位置に建築物を建築し、又は建築物の敷地を造成する場合(特別警戒区域内において居室を有する建築物を建築する場合を除く。)には、がけの形状若しくは土質又は建築物の位置、規模若しくは構造に応じて、安全な擁壁を設けなければならない。

神奈川県建築基準条例 第3条

2-2.横浜市の崖条例(横浜市建築基準条例)

他の自治体の場合、がけが30度を超えれば崖条例がかかることが多かったのですが、横浜市の場合は「軟岩(勾配70度以下)」「風化の著しい岩(勾配50度以下)」「砂利、真砂土、硬質関東ローム、硬質粘土その他これらに類するもの(勾配45度以下)」「軟質関東ロームその他これに類するもの(勾配35度以下)」と地質と角度によって崖条例がかからないものもあります。

高さ3mを超える崖の下端から水平距離が崖の高さの2倍以内の位置に建築物を建築し、または建築物の敷地を造成する場合においては、崖の形状もしくは土質または建築物の規模、構造、配置もしくは用途に応じて安全上支障がない位置に規則で定める規模及び構造を有する擁壁または防土堤を設けなければならない。

横浜市建築基準条例及び同解説より 第3条崖

2-3.東京、千葉の崖条例(東京都建築安全条例・千葉県改正建築基準法施行条例)

東京、千葉の場合は崖条例の但し書きなども複雑なものが無く、シンプルな条文になっております。

高さ2mを超えるがけの下端からの水平距離が崖高の2倍以内のところに建物を建築し、または建築敷地を造成する場合、高さ2mを超える擁壁を設けなければならない。

東京都都市整備局 東京都建築安全条例

3.崖条例にかかる土地の売買で注意すべき点

3.崖条例にかかる土地の売買で注意すべき点

崖条例にかかる土地の売買の際に、現にある擁壁などが検査済みを取れているかなどが需要なポイントになります。工作物などとして検査済みが取れており、建築士の見解で擁壁の再築造などが必要ない場合は問題が無いですが、検査済みが無い場合については、擁壁のやり直しや、前述している深基礎、高基礎、擁壁の再築造などが必要になるので注意が必要です。

傾斜地・がけ地を高く売るには?【横浜・川崎編】

以上、崖に近接する土地の売買をする際は、自治体によって崖条例がかかるかどうかも異なるため、注意が必要です。

崖条例などで擁壁の再築造が必要なため、売却するにも売れない、売りにくいとお悩みの方はこちらからお気軽にご相談くださいませ。

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