崖・傾斜地

傾斜地の基礎工事【5分で分かる!工法、費用、注意点】



『傾斜地や崖地に家を建てたい方、また傾斜地を所有して売却できない方必見』基礎工事の注意点と価格についてお答えいたします!

「傾斜地・崖地って安いし家を建てたい」「傾斜地・崖地を所有しているけど中々売れない」とそんなお悩みを抱えていらっしゃる方に、なぜ傾斜地が安くて、売りにくいか、それは基礎工事が難しく高いからです!

私も長年不動産仲介の営業をしておりましたので、傾斜地にある土地をご購入頂いた事、ご売却のお手伝いをさせて頂いた事もありますが、思ったよりも大変な事が色々とありました。

この記事をお読み頂けた方に、そんな経験から傾斜地の基礎工事にどのような注意点があり、費用がどの位で、何をすべきか、どうしたら売れるかについて解説してまいります。

また、崖地を所有していて「崖崩れが怖い」とお悩みの方も3項で助成金についてご説明しておりますので、最後までお読みいただけましたら幸いです。

1.傾斜地・崖地における基礎工事の問題点

1-1.安全上の問題が高い

傾斜地・崖地の土地をこれから購入されて家を建てようという方は結構いらっしゃると思います。崖といっても30度を超える角度をなす傾斜は崖と定義されるため(高低差1mであってもです)割と身近な所で接する機会があると思います。

宅地造成工事規制区域内でなければ厳しい安全基準である宅地造成工事規制法がかからず、建物が建築基準法に適合して入れば良いのですが、基準法に適合していれば必ず安全とも言えません。

私のお客様でも以前住んでいたお家が、昨年の台風で朝起きたら敷地の半分が崖崩れして無くなっていたという方もいらっしゃって、一命を取り留めたという方もいらっしゃいました。

その方は敷地の方もきちんと土留めの工事をしておけば良かったと悔やみ、結局は買ったときの半分程の価格で何とか買い手さんが付き手放したそうです。

近年の自然災害を考慮し、安全上のリスクや予算を考えた上で、建物だけでなくどのように傾斜地部分の安全対策をするか考えなくてはなりません。

1-2.費用が高い

崖地、傾斜地で基礎工事をする際、工法によりますが、鉄筋コンクリートの基礎工法とした場合、結構な費用がかかります。「車両がどこまで入っていけるか」「傾斜が何度位か」「残土がどの位の量になるか」「近くに駐車スペースがあるか」などで価格もかなり変わります。

例えば一宅地の工事だと、一番高かった工事で幅20m位、高さ2~4m位の所でセットバックの為に擁壁の築造替えをしたときには1000万円以上かかりましたので、高低差によっては基礎一体擁壁でも同程度かかることがあります。

1-3.様々な法規制がかかる

崖地・傾斜地で基礎工事をする際には各自治体の崖条例、宅地造成工事規制法、急傾斜法、土砂災害防止法など様々な法律をクリアしなくてはならない事が多いです。

これらはそれぞれ別の許認可が必要だったり、技術基準が違う事もあるので、建築まで時間がかかったり、許認可の為の費用が多くかかることがあります。

2.傾斜地・崖地で基礎工事をする際の費用

2-1.鉄筋コンクリートの基礎一体擁壁を施工する場合

傾斜地で基礎一体型擁壁を造る場合の目安となる価格は、あくまで国税庁の傾斜地の宅地造成費の金額票を参考にすると以下の通りです。

東京・神奈川・千葉埼玉・茨城・群馬静岡・愛知・三重
3度超5度以下18600円/㎡18400円/㎡18100円/㎡
5度超10度以下22800円/㎡22600円/㎡22200円/㎡
10度超15度以下34900円/㎡34600円/㎡33500円/㎡
15度超20度以下49500円/㎡49100円/㎡47000円/㎡
20度超25度以下54700円/㎡54400円/㎡52100円/㎡
25度超30度以下57900円/㎡57100円/㎡55300円/㎡
令和2年度 財産評価基準 傾斜地の宅地造成費

上記表はあくまで参考になります。具体的な例を挙げると、最近行った基礎一体型の擁壁工事の場合、普通のお家で高さ1.5m位、30坪位で残土処理も含め150万円位で施工出来ました。

また、以前行った工事ですが、下のような基礎一体型の擁壁工事を行い、基礎工事のみで50万円位でした。

残土が無ければこの位の工事で50万円位でした。

2-2.鉄骨杭基礎工法

名称は色々とありますが傾斜地でよく使われる工法で、宅地を造成せずに杭基礎と鉄骨の基礎を一体化させた工法です。造成費がかからない分安くできるため、傾斜や地盤にもよりますが、200~500万円位で出来ることが多いです。

山林にある別荘地など、傾斜がきつく宅地造成するほど利用頻度が少ない住宅の場合に良く採用される工法となっております。

平成の初めころは市街地でも同じような工法で家を建てておりましたが、最近はこのような工法で家が建てられる事は少なくなりました。

3.傾斜地・崖地で基礎工事をする際にどうすれば良いか?

3-1.崖の工事の場合一定の要件を満たせば自治体より防災助成金が支給されることがあります

要件は自治体によって結構異なりますが、例えば横浜市の場合ですと以下のような要件があり、市で定めた単価により算出した金額、又は工事費の1/3の内いずれか少ない額で上限額が400万円になります。(川崎市は工事費用の1/3かつ上限300万円)(横須賀市は工事費の1/2かつ上限500万円まで)(大田区は工事費用の1/3かつ高さ5m以上の場合500万円まで)

・建築基準法又は宅地造成等規制法が定める基準に適合した、擁壁工事又は切土・盛土工事。

・擁壁の築造に伴い原則として従前の崖と高さが変わらず、平坦地が広がらない工事。

・交付決定を受けた年度の2月28日までに完了報告書を提出することができる工事。ただし、復旧工事又は市長が必要と認めた工事を除く。

横浜市建築局企画部防災対策課より

横浜や川崎、横須賀等傾斜地の多い自治体には助成金に多く予算が当てられておりますが、藤沢市などは「危険ブロック塀等の安全対策工事費助成制度」といって工事費の1/2(上限30万円、5年間売買と譲渡は禁止)と自治体によって予算も要件も全く違うので、詳しくは自治体の建築課や土木課に確認しましょう!

3-2.前述した鉄骨杭基礎工法を使ってみる。

定住する住宅であえてこの工法を使うことは少ないですが、別荘地などであれば鉄骨杭基礎は施工費用的にも、工期の短縮のために有益です。

建築確認も取得できますが、あえてデメリットとしては、鉄骨が露出してしまうため経年劣化の進行が早く、鉄筋コンクリートの擁壁ほどの耐久性は見込めません。

4.傾斜地・崖地の土地を売却するには?

4-1.近くの不動産業者に相談し、買い手を探す

もしここまで記事を読んでいただいているとすれば、傾斜地の基礎工事が大変でどうしても費用がかかってしまうのはお分かりいただけたかと思います。

売却する際には、近くの不動産業者に行き、不動産を売りに出す媒介契約を結んで売却する方法があります。ただ、傾斜地や崖地は非常に売却が難しいため、売却が長期にわたるとその間に傾斜地でがけ崩れが起こってしまう可能性も無くはありません。

知り合いの方の中では、崖崩れでは無いですが売却期間中に壊れたフェンスから人が転落して骨折し、所有者が損害賠償請求をされたというケースもあります。

4-2.傾斜地専門の業者に買ってもらう

また、傾斜地を所有していて崖崩れが起こってしまい、歩行者がけがを負ったりしてしまった場合、なんらかの工事による崖崩れであれば傾斜地の所有者は「工作物責任」を負い、自然のがけで所有者に過失がなければ所有者は責任を負いません。

工作物責任(こうさくぶつせきにん)とは、土地の工作物の瑕疵によって他人に損害を与えた場合に、工作物の占有者・所有者が負う賠償責任をいう。(民法717条)土地工作物責任ともいう。

原則として責任を負うのは工作物の占有者で、工作物の占有者が損害防止のために必要な注意義務を果たしている場合には工作物の所有者が賠償責任を負う。(民法717条但し書き)

wikipediaより 民法717条

717条1項は貸している家でも貸主が賠償責任をを負う可能性があるという事です。

自然のがけに関して「過失がない」と証明するのも難しいことですし、住宅地に今あるがけは何らかの工事によって生じた可能性が高いので、基本的には崖崩れによる事故は所有者か占有者の責任になってしまいます。

2019年発表の主な海溝型地震評価結果では、M7級の地震は「青森県東方沖及び岩手県沖北部」で90%程度以上、「宮城県沖」で90%程度、「茨城県沖」で80%程度と高い確率で予想されております。

何かあってからでは手遅れになってしまいますので、少しでも所有している傾斜地に危険を感じたら、きちんと責任をもって工事をしてくれる業者に買い取ってもらうのが安全です。

URUHOMEを運営するドリームプランニングでは、再建築不可や傾斜地などのニッチな不動産を専門に買取を行っておりますので、宜しければこちらの無料査定だけでもご利用くださいませ。

著者情報

株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人

法政大学工学部建築学科卒、フリーカメラマンを経て、某中堅不動産仲介業者で7年勤務、成績優秀者賞等を受賞、月間最高売り上げ1800万円。退社後、株式会社ドリームプランニングに入社、底地、借地、再建築不可、市街化調整区域内の土地など、特殊な土地の売買を多く手掛ける。2020年8月より代表取締役に就任

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