これから山林や山林付き土地を購入しようと思っている方、現在所有されている方、山林の境界がよくわからないという方も多くいらっしゃると思います。
そんなお悩みをお持ちの方に山林の境界についてご説明いたします。
著者情報
株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人
著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、日本全国の山林や山林付き物件など特殊な不動産を専門的に買い取ることから、多数の相談を頂いてまいりました。
当サイトURUHOMEは、私達が積み上げてきたノウハウを皆様の不動産に関するお悩み解決に役立てていただきたく、「ニッチな不動産のお悩み解決サイト」として立ち上げたものです。
山林や山林付き物件など、お悩みの不動産がございましたら、こちらからお気軽にご相談くださいませ。
1.山林の境界はどうなっている?
1-1.山林の境界はどこ?
広い山林を所有していて、もしくは所有をこれから所有をお考えで、境界がどこまでか気になる事はありませんでしょうか?
山林の境界は尾根筋、沢筋、目印となる樹木を元に決められていることが多いです。山林の境界はあいまいなところも多く、実際に隣接地の所有者と境界立ち合いをする際に、意見が食い違ってしまうこともあります。
法務局に行っても公図しか備え付けられていないことや、測量図も不正確なこともあるので、取得したら出来るだけ隣接地の所有者立ち合いの元、境界確認を強いたほうが良いです。
1-2.山林の境界がなぜあいまいなところが多いか?
日本の森林面積は約25万㎢ありますが、国土のおよそ3分の2は山林で、多くは地積調査が行われておりません。国土交通省によると、平成30年末時点で山村部の地積調査進捗率は45%程度で、地籍調査がおこわれていない森林は10万㎢もあります。
山村部では土地所有者が高齢化しているため村離れが発生し、境界を知る人が少なくなってきており、境界を知る人や物証が失われてつつあります。山村部の公図についても極めて不正確なものが多く、山林の整備などで問題が生じております。
1-3.効率的手法導入推進基本調査(山林境界基本調査)について
現在、国の地籍調査の推進施策の一環として、山村境界基本調査(令和2年度から効率的手法導入推進基本調査に名称変更)が行われております。これによって、国が全額経費を負担し、土地の境界に詳しいものの踏査で境界情報を調査し、簡易な測量をしたうえで、境界に関する情報を図面等にまとめ保全しています。
令和2年度より実験的に空中写真等を用いた地籍調査の効率化を実施し、現地作業を出来る限り省略しているところもあります。
効率的手法導入推進基本調査が進めば、山林の境界も今よりも明瞭になってくることが期待されます。
2.山林の境界はどうやって調べる?
2-1.山林の境界を調べる方法①林野台帳の確認
林野台帳とは森林法の改正により、市町村が林野台帳という林地の所有者や境界測量の状況の情報を地番ごとに整理したものを公表することになりました。
対象となるものは民有林ですが、登録が無いものもあります。また、林野台帳は、すべての箇所が登記情報と合致しているものでなく、全て実測・確認している訳でもないため、正確な土地の境界を示したものではないことにご注意ください。
- 林地台帳及び地図は、森林の土地の所有権等の権利関係を確定するものではありません。
- 林地台帳及び地図は、森林の土地の境界を確定するものではありません。
- 林地台帳及び地図は、森林の土地の売買等の証明資料として用いることはできません。
平成28年の森林法の一部改正が行われ、「林地台帳」及び「森林の土地に関する地図」を市町村が整備し、公表することとなりました。
2-2.山林の境界を調べる方法②森林簿を確認
林野台帳は平成28年の改正により公表されることになったものですが、従来から森林に関する基本的な情報として利用されてきたものに森林簿というものがあります。
森林簿には、空中写真や聞き取り等によって、森林の所在地や所有者、面積や森林の種類、材積や成長量などの森林に関する情報を記載されておりますが、現地にて実測や確認を行っているものではないため、注意が必要です。
また、納税通知書や登記事項証明書に記載されている地番であっても、森林簿には記載されていないことがあります。
森林簿は基本的に都道府県が作成しておりますが、市町村や森林組合でデータを管理している事もあります。
2-3.山林の境界を調べる方法③境界確認書を作成
前項の「林野台帳の確認」「森林簿」の確認により、おおよその境界はわかるかと思いますが、それでも不安な場合は隣接地の所有者と境界確認を行い、境界確認書を交わしたほうが良いかと思われます。
境界確認の実施は1000坪を超えるような土地の場合、測量にも相当な金額がかかることや、測量精度にもばらつきがあることから、市街地に近い場合のみで十分と言えます。
森林の境界については、市町村などで林野台帳の確認から始めましょう。また、山林の売買をお考えでしたら、山林などニッチな不動産を専門とするURUHOMEまでお気軽にご相談くださいませ。