「不動産を購入しようと思ったら、私道持分がない」と言われた。
「不動産を相続したら私道持分がない」事に気が付いた。
持分が無い不動産って大丈夫なの?と気になる事がありますよね。
結論から言うと、《私道持分はお金を払ってでも持つことお勧めします!》
今回はその理由の解説とともに、私道持分が無い場合のデメリットなどについても触れていきます。
《正しい知識を持ってトラブルに巻き込まれないようにしましょう!》
著者情報
株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人
著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、2005年より日本全国の私道持分がないなどの特殊な不動産を専門的に買い取ってまいりました。
どんな私道持分がない不動産でも買取りさせて頂きますので、お困りの不動産がございましたら、こちらからお気軽にご相談くださいませ。
1.私道持分、私道負担って何?
1-1.私道持分、私道負担とは何か
《私道持分》とは、接している土地の所有者がその道路に対しての持分を有していることを指します。「私道負担とはセットバック部分を指すことが多い」のです。
セットバックとは:「建築の際に前面道路幅員が4mに満たないため、中心から2mまでを道路として提供する事で建て替えが出来るようにする事」を言います。
*私道持分を有していれば私道負担があると言えますが、「セットバック部分がある土地の事を私道持分がある土地」という風にはあまり聞きません。
1-2.私道持分にも種類がある
私道持分には2種類あります。
①道路全体の中の一定の比率分有している場合
②道路の中の特定の場所に特化して有している場合
一言でこれだけの面積とは言い切れないのも特徴的です。
「道路の拡張や整備の順によっては複雑に持分がバラけていることがある」など、私道持分について見ていくことで道路の歴史が垣間見えるのは面白い部分です。
2.私道持分がある場合と無い場合でメリット、デメリットはあるの?
2-1.私道持分がある場合のメリット、デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
《トラブル少ないこと》《担保評価がしやすい》 《道路を利用したい場合に利用できる権利を主張できる。》そのため、他の誰かに一方的に拒まれたり阻まれることは起こりにくい。堂々と使うことができる(境界線などで喧嘩になる例も少ない)。 それゆえ、《金融機関としても担保評価をしやすいというメリット》もあります。 | 《私道持分があるおかげで、整備負担を強いられる事がある》 例えば、 私道で舗装のし直しをしたり水漏れなどのアクシデントが起きた際、持分の分だけ費用の出費を求められることがあります。 持分がなければ我関せずでも大丈夫な事もありますが、比率が多いほど負担も大きくなるリスクを秘めているのです。 |
2-2.私道持分が無い場合のメリット、デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
メリットは少ないです。あえて言うなら以下の2点です。 ・安く買える可能性がある事 ・持分を持っている事による私道の整備費用の負担をしないで済む可能性がある事 | ・通行掘削承諾が必要になる事がある ・担保評価、物件価格が下がってしまう可能性がある |
私道持分が無いと言っても、必ずしも費用負担をしなくてはならないという事ではありません。
《私道所有者で道路の保守や整備の話が出たら、持分を持つことと整備費用を負担する事》をお薦めします。
道路に持分がないと《他人の土地を通過することになり、基本的に通行承諾を得た方が良い》という事になります。
本来は私道でも公益性が確保されているので、《簡単に持ち主が通行を拒むことは出来ません。》
その代わり自動車などを使った通行はダメなどの《条件付きで拒むことは可能》で、自動車が通ると道路の整備負担が高まることが想定されるためこういったことが起こりうるのです。
2-3.私道持分が無くても建て替え出来る?
私道持分が無くても建物の再建築は可能です(建築確認とは関係がないため)。
しかし、以下の場合は《実質再建築が出来ない》ような形になります。
- 私道内持分がなく、掘削の承諾書がない場合 ➤ 私道の掘削も出来ない
- 給排水管の交換が必要になった場合 ➤ 建物は建てられても引き込みが出来ない
現在利用している給排水管が利用できれば掘削は必要ないため、私道持分や掘削承諾は不要です。
ただ、今は給排水管を利用できたとしても将来も同じ給排水管の維持管理をせずに利用できるとは限りません。
せっかく土地を購入しても活用する幅が狭まってしまう場合もあり、そう考えると、結構な大事であると判るでしょう。私道持分がない事による給排水管等の掘削承諾以外にも、私道には色々なトラブルがあります。
3.私道持分ってあった方が良いの?
- 3-1.私道持分が無い方が良い場合もある
- 3-2.でも普通は私道持分はあった方がトラブルも少ない
- 3-3.私道所有者から持分売買か譲渡により取得する方法もある
- 3-4.持分があったほうが住宅ローンも組みやすい
3-1.私道持分が無い方が良い場合もある
ここまで説明すると、「私道持分ってあった方が良いね!」ってなると思いますが、そうではない事もあります。
- 私道持分を持つと整備費用を負担しなければいけない
- 私道持分に応じて私道の整備費用を負担したが、持分を持っていないで利用している人が整備費用を払わない
- 道路でもわずかに税金がかかることがある
という理由から、私道持分を持つことを敬遠する方も居ます。
私道持分を持つことで上記のようなデメリットがある事も確かです。
その為、《私道を利用しなくても公道に接道している場合》は、「私道を利用しない」「私道の持分も持たない」方が余計なトラブルに巻き込まれないで済むこともあります。
3-2.普通は私道持分はあった方がトラブルも少ない
私道持分が無い場合、売却の際に「私道持分を取得するか、最低でも通行掘削の承諾を私道所有者から得ないと銀行融資が出ない、不動産価格が安くなる」と言われる事があるかと思います。
持分を持っていない為に承諾を得ようと私道所有者の所に行ったら、承諾料を請求される事もあります。
しかし、承諾料は法律上で設定されているわけではなく、あくまで当人同士の約束事のようなものです。
とはいっても、地域によっては細かく承諾料が決まっている場所もあり、いくら掛かるかも言い値の範疇を出ません。
こういった事態を避ける為にも私道持分はあった方が良いと思います。
どうしても取得できない場合は通行掘削の承諾を取得するのが一般的です。
通行掘削の承諾については、曖昧にするとそれもそれでトラブルの原因になりますから、覚書など事細かに記載した上で書面を交わすのが安心です。
3-3.私道所有者から持分売買か、譲渡により取得する方法もある
私道の持ち分が無い場合、少しでもいいので(極端な話1/1000)とかでも私道所有者から購入する事をお勧めいたします。
私道所有者が普通の良い方であれば、登記費用だけの負担で譲ってくれることも少なくありませんが、意地の悪い人の場合法外な値段を吹っ掛けてくることも…
こういった方の場合は無理をして買わず、弁護士と相談したり、所有者が変わるまで気長に待ちましょう。
3-4.私道持分があったほうが住宅ローンが通りやすい
私道持分がない場合、銀行の保証会社が担保評価が出ないという事で、住宅ローンが通らないこともあります。
金融機関によって、住宅ローンの審査で持分の有無は問わず、建築確認済証、検査済証があれば大丈夫な金融機関もありますので、金融機関に確認するのが一番確実です。
以上、私道持分は状況に応じて持つか持たないか判断しましょう!
通行掘削の承諾のみ取得する方法もあるので、総合的に考えてどれが一番いいか考えて最善の判断を出来るようにしましょう。
4.私道に接する不動産で困ったら
私道は持分や通行承諾の承諾がないと問題があることや、持分があっても「整備費用負担」や「税負担」があることなどが分かってきました。
しかし、私道の事で困っても相談する人が居なくて困りませんか?
本項では、私道持ち分や通行承諾で困ったとき、売却するときにどのようにすればよいかご説明いたします。
4-1.私道に接する不動産を売却するには?
私道は持分を持っていても持っていなくても、色々と問題が起こりうることを説明してまいりました。
そこで、いっそのこと売却したいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
当サイトURUHOMEを運営するドリームプランニングが、私道に接する不動産を積極的にお買取りさせていただいております。
エリアも東京・神奈川を始め、日本全国で私道に接する不動産、持分のない不動産、通行承諾もない不動産の買取を行っております。
私道に関する不動産の相談件数も年間に300件ほどあり、私道を含む不動産の買取を得意としております。
ですので、東京・神奈川の私道に接する不動産の売却をお考えの際は、私道などニッチな不動産の売買を専門としているドリームプランニングへご相談くださいませ。
4-2.私道に接する不動産の相談をするには?
私道に接する不動産については、当サイトURUHOMEを運営する「株式会社ドリームプランニング」にご相談いただければお買取り可能でございます。
しかし、そもそも売却でなく、私道の通行承諾が取れるかどうかなど、一旦相談してみたいという場合もあるかと思います。
そんな時にお勧めなのが、「不動産SNSウチカツ」です。
「ウチカツ」は、私道の専門の不動産業者に匿名で相談ができるうえ、買取査定も可能で「買取価格査定」「売出し価格」「成約価格査定」を選択できるようになっております。
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