「建て替えができない再建築不可物件を安く買い、リフォームして高く売りたい」
最近の不動産投資ブームと相まって、そんなご相談をいただくことが多くなりました。
ところで、再建築不可物件のリフォーム/リノベーションはどこまで可能なのでしょうか。
今回は再建築不可物件のリフォームについて、どこまで可能なのか・気になる費用や注意点などを分かりやすく徹底解説していきます!
【この記事は、こういう方向けに書きました。】
- 再建築不可物件のリフォーム/リノベーションを検討している方
- 再建築不可物件のリフォーム/リノベーションについて詳しく知りたい方
- 再建築不可物件でお悩みの方
著者情報
株式会社ドリームプランニング 代表取締役 高橋 樹人
著者が経営する「株式会社ドリームプランニング」は、日本全国の再建築不可物件や底地・借地などの特殊な不動産を専門的に買取りする為、多数の相談を頂いてまいりました。
買取査定は完全無料、1億円程度であれば、現金決済可能。東京・神奈川・千葉・埼玉・京都・大阪・兵庫・愛知は特に多く買取実績がございます。
お悩みの不動産がございましたら、こちらからお気軽にご相談くださいませ。
- 再建築不可物件のリフォーム/リノベーションはどこまで可能?
- 再建築不可物件のリフォーム/リノベーションで注意すべきポイントは?
- 再建築不可物件のリフォーム/リノベーション費用は?
- そもそも再建築不可物件とは?メリット・デメリットは?
- 再建築不可物件を売却する方法は?
- 再建築不可物件のリフォームでお悩みならURUHOMEへご相談を
1.再建築不可物件のリフォーム/リノベーションはどこまで可能?
それではさっそく始めましょう。
再建築不可物件のリフォーム/リノベーションを検討する上で、まず気になるのが「どこまでリフォーム可能なのか」ですよね。
どこまでがリフォームとして許されて、どこからが許されない再建築なのか……この線引きを見誤ると、せっかくリフォームしたのに工事中止や原状回復、最悪解体を命じられかねません。
そんな事態は避けたいので、ここでは建築基準法を確認し、再建築不可物件のリフォームがどこまで可能なのかを確認しておきましょう。
- 1-1.建築確認が不要な範囲でリフォーム/リノベーション可能(建築基準法第6条第2項)
- 1-2.4号建物は再建築不可物件でもリノベーション可能はウソ?
- 1-3.【重要】4号建物の特例が2025年4月に変わる予定
1-1.建築確認が不要な範囲でリフォーム/リノベーション可能(建築基準法第6条第2項)
再建築不可物件は、基本的に建築確認が必要となる建築行為ができません。
ここで言う建築行為には、リフォームやリノベーションも含まれます。
建築基準法 第6条第1項 【クリックで全文表示】
(建築物の建築等に関する申請及び確認)
第六条 建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
一 別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が二百平方メートルを超えるもの
二 木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
三 木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
※参考:建築基準法|e-Gov法令検索
※条文が長い上、いきなり読んでもパッと理解できるものではないため、読み飛ばしても問題ありません。
ただし、例外として建築確認が不要となる場合があり、その場合に限っては再建築不可物件でもリフォームやリノベーションが可能です。
建築基準法 第6条 第2項
※参考:建築基準法|e-Gov法令検索
2 前項の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。
(1)防火地域or準防火地域の外で
(2)工事部分の床面積が合計10㎡以下の増築・改築・移転工事
については、建築確認が不要となります。
だから、再建築不可物件のリフォームやリノベーションをしたい時は、この規定内でなら行えるというわけです。
逆に言うと、防火地域もしくは準防火地域だと床面積の合計が10㎡以下であっても建築確認は必要となるため、再建築不可物件のリフォームやリノベーションはできません。
リフォーム/リノベーションしたい再建築不可物件が防火地域/準防火地域に該当するかどうかは、事前に調べておきましょう。
1-2.4号建物は再建築不可物件でもリノベーション可能はウソ?
リフォーム/リノベーションしたい再建築不可物件が建築基準法第6条第1項第4号に規定されている「4号建物」に該当する場合、再建築不可物件でも大規模修繕が可能というコラムがネットでは散見されますが、これは間違いです。
何が誤解を生んでいるか見ていきましょう。
(建築物の建築に関する確認の特例)【クリックで全文表示】
第六条の四 第一号若しくは第二号に掲げる建築物の建築、大規模の修繕若しくは大規模の模様替又は第三号に掲げる建築物の建築に対する第六条及び第六条の二の規定の適用については、第六条第一項中「政令で定めるものをいう。以下同じ」とあるのは、「政令で定めるものをいい、建築基準法令の規定のうち政令で定める規定を除く。以下この条及び次条において同じ」とする。
一 第六十八条の十第一項の認定を受けた型式(次号において「認定型式」という。)に適合する建築材料を用いる建築物
二 認定型式に適合する建築物の部分を有する建築物
三 第六条第一項第四号に掲げる建築物で建築士の設計に係るもの
2 前項の規定により読み替えて適用される第六条第一項に規定する政令のうち建築基準法令の規定を定めるものにおいては、建築士の技術水準、建築物の敷地、構造及び用途その他の事情を勘案して、建築士及び建築物の区分に応じ、建築主事の審査を要しないこととしても建築物の安全上、防火上及び衛生上支障がないと認められる規定を定めるものとする。
建築基準法 第6条第1項第4号【クリックで全文表示】
四 前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法(平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
※参考:建築基準法|e-Gov法令検索
……これだけ読んでもよくわかりませんね。
ざっくりと解説しますと、4号建築というものに該当する建物は建築や大規模修繕の際の構造計算が不要という事です。
つまり構造計算が不要なだけであって、建築確認は必要なので、再建築不可物件の建築確認を取得しないで大規模修繕をすることは出来ないのです。
再建築不可物件は接道義務を満たしていないため、建築確認を取得する事が出来ないため、結局は再建築できません。
では、4号建築とは何でしょう?まずは4号建築に該当するための最低の要件を見ていきましょう。
特殊建築物の場合(建築基準法第6条第1項第1号)
- 特殊の用途に使う床面積の合計が200㎡以下のもの
木造建築物の場合(建築基準法第6条第1項第2号)
- 階数は地下を含め2以下のもの
- 延べ面積が500㎡以下のもの
- 建物高さが13m以下のもの
- 軒の高さが9m以下のもの
木造以外の場合(建築基準法第6条第1項第3号)
- 階数は1階のみ
- 延べ面積が200㎡以下のもの
この上で、以下の様な条件のいずれかに該当していなければなりません。
4号建物(建築基準法第6条第1項第4号)
第1~3号の条件をクリアしつつ、以下のいずれかに該当する建物
(1)都市計画区域内もしくは準都市計画区域内の建物
(2)準景観地区(景観法第74条第1項に規定)内の建物
(3)都道府県知事が関係市町村の意見を聞いて指定する区域内の建物
1-2-1.大規模修繕・大規模模様替えって何?
大規模修繕や大規模模様替えに該当しなければ建築確認は不要です。
ですので、まず大規模修繕や模様替えが何か見ていきましょう。
国土交通省のレポートによると修繕とは、経年劣化した建築物の部分を、既存のものと概ね同じ位置に概ね同じ 材料、形状、寸法のものを用いて原状回復を図ることをいいます。
また、大規模の修繕とは、修繕する建築物の部分のうち、主要構造部(壁、柱、床、は り、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2 超)にわたり修繕することをいいます。
一方、模様替えとは、建築物の構造・規模・機能の同一性を損なわない範囲で改造することをいいます。
また、大規模の模様替えとは、模様替えをする建築物の部分のうち、主要構造部(壁、 柱、床、はり、屋根又は階段)の一種以上を、過半(1/2 超)にわたり模様替えをすることをいいます。
※参考:法律上の手続きと補助・融資等の制度 001064904.pdf (mlit.go.jp)
つまり、スケルトンリフォームのような主要構造部の過半以上を修繕や模様替えすることは大規模修繕・模様替えに該当し、本来は建築確認が必要なのです。
1-3.【重要】4号建物の特例が2025年4月に変わる予定
国土交通省によると、省エネ基準の適合義務化に合わせて、4号建物の建築確認手続きが見直されるそうです。
※参考:設計者・工務店の皆様へ 2025年4月(予定)から4号特例が変わります 国土交通省
再建築不可物件が隣接地を借りれるなどしてもし建て替え出来るようになったとしても、構造計算が必要なものが多くありますので、ざっと覚えておきましょう。
見直しポイントは以下の3つ。
(1)建築確認・検査および審査省略制度の対象範囲が変更に
(2)確認申請の際に構造・省エネ関連の図書提出が必要に
(3)令和7年(2025年)4月から施行予定
(1)建築確認・検査および審査省略制度の対象範囲が変更に
これまで4号建物とされてきた木造戸建て住宅について、2階戸建と平屋戸建(延べ面積200㎡超)は「新2号建築物(現2号建築物に含められる)」として審査省略制度の対象外になります。
この「新2号建築物」についてはすべての地域で建築確認・検査(大規模な修繕や模様替えも含む)が必要となり、審査省略制度の対象外とされるようです。
延べ面積200㎡以下の木造平屋戸建については「新3号建築物」として現3号建築物に加えられ、都市計画区域「等」内に建築する場合は建築確認・検査が必要となります。
(2)確認申請の際に構造・省エネ関連の図書提出が必要に
これまで4号建築物については、確認申請書や図書(一部省略)を提出すれば足りました。
新3号建築物については、現状維持のようです。
しかし、新2号建築物は構造計算が必要になります。
2.再建築不可物件のリフォーム/リノベーションで注意すべきポイントは?
さて、再建築不可物件をリフォームやリノベーションを行う上で、注意すべきポイントは何でしょうか。
以下に解説していきますので、しっかり確認して満足できるリフォームやリノベーションを実現しましょう。
- 2-1.リフォームで対応可能か着手前に確認する
- 2-2.再建築不可物件のリフォーム注意点①白アリの被害はないか
- 2-3.再建築不可物件のリフォーム注意点②雨漏りの被害はないか
- 2-4.再建築不可物件のリフォーム注意点③建物の傾きはないか
- 2-5.再建築不可物件のリフォーム注意点④地盤は軟弱ではないか
- 2-6.その他、再建築不可物件の注意すべきポイント
- 2-7.再建築不可物件のリフォームは費用が高くなりがち
- 2-8.再建築不可物件のリフォームローンは基本組めない
2-1.リフォームで対応可能か着手前に確認する
再建築不可物件をリフォーム/リノベーションする上で、何より大切なのは「リフォームやリノベーションで対応可能な状態かどうか」これにつきます。
極端な話、上の建物はリフォームやリノベーションでピカピカにしたけど、基礎が崩れかけていて今にも倒壊しそう……という状態では本末転倒です。
いくら上辺だけキレイにしても、中はボロボロ……そんな物件を他人様に賃貸・売却などした日には、契約不適合責任を問われかねません。
またリフォームとは基本的に、建物の主要構造部を1/2以下の範囲で直すことを言います。先ほどご説明しているように1/2を超えて手をかけると大規模修繕・模様替えと見なされ、建築確認が必要となってしまいます。
最初はリフォームで対応できると思って着工してみたものの、後からあれよあれよと範囲が広がり、とうとう1/2を超えてしまったなんて事態になったら目も当てられません。
もちろん建築許可はとれず、無理やり工事を強行すれば違法建築物として原状回復か最悪解体を命じられてしまうでしょう。
そんなことにならないよう、まずは再建築不可物件の全体をくまなくチェックして、どこまでリフォームの手を加える必要があるのか把握しておくことを強くおすすめします。
2-2.再建築不可物件のリフォーム注意点①白アリの被害はないか
建物の大敵と言えば、まず思いつくのは白アリ。余談ながら、白アリという名前ですが、実はゴキブリの仲間なんだそうです。
再建築不可物件のリフォーム/リノベーションを考える上で、何はなくとも白アリ検査は必須と言えます。
「ウチは木造じゃなくて鉄筋コンクリートだから大丈夫だよ」と思っている方もいるかも知れませんが、鉄筋コンクリートでもまったく木材を使用していない訳ではないので、すべての建物で白アリには注意しましょう。
2-2-1.白アリ検査の費用は?
一般的に業者の白アリ点検は無料のところがほとんどです。
ただし建物構造によって特殊な機材を使うなどすると有料になるケースもあるため、ある程度見積もっておくと安心でしょう(相場はおおむね5,000~10,000円程度)。
点検してもらうのは床下や屋内、建物の周辺まで、入念にチェックしてもらいます。
白アリは水分に敏感なため、チェックと同時に雨漏りや漏水などもあれば教えてくれるでしょう。
白アリがいれば駆除が必要ですし、被害があればその部分の修繕が必要となりますが、それと同時に予防も必要となります。
2-2-2.白アリ予防の方法は?
白アリ予防は業者に任せてもいいのですが、自分でできる方法もあります。
(1)縁の下を掃除する
(2)餌になる段ボールや木材を放置しない
(3)周辺の草刈りをする
(4)市販の防除剤を散布する
(1)は筆者の経験ですが、家を建てた職人さんが木材加工時に発生した大鋸屑(おがくず)を放置し、縁の下に散らばっている物件がありました。それが白アリの餌となってしまいます(普通は掃除するんですけどね)。
(2)も同じで、白アリの餌があれば白アリが寄ってくるのは当たり前。
なので餌となるものは徹底的に排除しましょう。
(3)は餌の除去に加え、風通しをよくして湿気を抜く上でも重要になります。
業者に依頼すると相応の人件費がかかるので、ここは節約したいところです。
(4)はホームセンターに売っているものを、可能な範囲で散布しましょう(難しければ業者に依頼)。
中には木材の防腐効果が含まれているものもあり、費用対効果が大きいのでおすすめします。
2-3.再建築不可物件のリフォーム注意点②雨漏りの被害はないか
再建築不可物件に限らず、雨漏りは家屋の大敵。
放置しておくと、建物の消耗が急激に加速してしまうので、ここは徹底的にチェックしましょう。
雨漏りは屋根だけでなく、窓枠など外部と接している部分が多く、また雨漏りが屋内から見えないところで進行している「隠れ雨漏り」も多数あります。
一般人が目視した限りですべて把握できるものではないので、再建築不可物件の雨漏り点検は業者に依頼するのがベターです。
2-3-1.雨漏りの調査費用・方法は?
再建築不可物件の雨漏り調査を依頼する場合、気になるのが調査費用。調査方法によってピンキリですが、おおむね以下の相場となっています。
- 目視調査:~5万円
- 電気抵抗調査:3~13万円
- 発光塗料調査:5~28万円
- 散水調査:5~37万円
- ガス調査:15~37万円
- 赤外線調査:2~55万円
ほかにも足場の仮設や高所作業車が必要となったりすると、別途料金が発生する場合があるため、トータル70~100万円ほどの余裕資金を用意したいところです。
なお、これらの相場より極端に高すぎる/安すぎる場合は「なぜその価格になる/できるのか」必ず業者に確認しておきましょう。
2-3-2.雨漏りの修繕費用は?
再建築不可物件に雨漏りが発見された場合、決して放置するわけにはいきません。
そこで修繕が必要となるのですが、気になる費用はおおむねこのような相場となっています。
雨漏りの修繕費用例 【クリックで全体を表示】
【雨漏りの応急処置】
コーキング(シーリング)処理:3~7万円
ブルーシート処理:5~万円(面積による)
【本格的な雨漏り修繕・屋根の場合】
瓦屋根:1~2万円/㎡
スレート屋根:0.6~0.8万円/㎡
ガルバリウム鋼板:0.6~0.9万円/㎡
仮設足場:0.1~0.2万円/㎡
既存材の撤去:0.2~0.7万円/㎡
ルーフィング(2次防水):0.1~0.3万円/㎡
廃材処分費:8~15万円
換気棟:3~5万円/㎡
唐草(屋根の端末押え材)等:0.2~0.3万円/㎡
【本格的な雨漏り修繕・屋上の場合】
ウレタン防水:0.5~0.9万円/㎡
FRP防水:0.6~1万円/㎡
シート防水:0.5~1.3万円/㎡
【本格的な雨漏り修繕・外壁の場合】
全体的に50~180万円
サイディングカバー工法:0.8~1.3万円/㎡
透湿防水シート:0.1~0.2万円/㎡
下地調整(カチオンフィラー):0.1~0.3万円/㎡
外壁塗装:0.2~0.7万円/㎡
シーリング:0.1~0.3万円/㎡
タイルクリヤー防水:0.5~0.8万円/㎡
【本格的な雨漏り修繕・ベランダ&バルコニーの場合】
30~200万円
塗装・サイディング張替え・床面防水:一式
【本格的な雨漏り修繕・サッシ&天窓の場合】
50~200万円
サッシ新設:5~13万円/ヶ所
透湿防水シート:0.1~0.3万円/㎡
サイディングカバー工法:0.8~1.3万円/㎡
【本格的な雨漏り修繕・室内天井の場合】
7~30万円/6畳間(目安)
天井の張替え:7~25万円/6畳間
板目カバー工法:10~20万円/6畳間
雨漏り点検だけで済めばいいのですが、雨漏り修繕が必要になると大きな費用が発生するのですね。
これらの費用を織り込んだ上で、再建築不可物件のリフォームに着手すべきか検討した方がいいでしょう。
2-4.再建築不可物件のリフォーム注意点③建物の傾きはないか
再建築不可物件をリフォーム/リノベーションする上で、建物の傾きも見逃せません。
建物の傾きは水平器(ホームセンターで数百円~数千円で買えます)を使ったり、ビー玉を置いたり(勝手に転がれば傾きがある)で確かめることができます。
ほんのわずかならそのままで大丈夫なことも多いですが、体感で分かるほど大きく傾いている場合は、対策した方がいいでしょう。
ちなみに、建物の傾きを調べる場合は床だけでなく、リビングやキッチンなど複数個所で確かめるのがお勧めです。
これも筆者の経験ですが、床は水平なのにキッチンのコンロ部分にだけ傾きがあって、フライパンにひいた油が偏ったりなどしていました。
また1階は水平なのに、2階だけ傾いているなんてパターンも考えられます。
2-4-1.建物の傾きは自分で直せる?
建物の傾きを業者に直してもらう場合、状況や工法によって200万円以上してしまうため、自分で直したいと思う方も多いでしょう。
そこで油圧ジャッキを使って土台を持ち上げ、傾きがなくなったらスペーサーブロックや石板・鉄板をはさんで水平を保ちます(ジャッキアップ工法)。
業者に依頼するよりもケタ違いに安く仕上げることができますが、重量物を扱うため危険がともなうことや、床下に入ったり床板をはがしたりしてそれをキレイに復旧できるか等も考えなくてはなりません。
少しでも自信がないと思ったら、ここは安全と確実性のためにも業者に依頼した方が無難でしょう。
また、ごく軽微な傾きであれば床を張り直す時に水平をとる方法も考えられます。こちらは20~50万円くらいで収まることが多いです。
2-4-2.建物の傾きを業者に直してもらう費用は?
建物の傾きを業者に直してもらう場合、先ほど紹介したジャッキアップ以外にも、こちらの工法があります(※価格は中央値)。
(1)耐圧板工法(耐圧盤工法) 200~400万円
(2)土台上げ工法 200~400万円
(3)薬液注入工法 250~400万円
(4)アンダーピニング工法(鋼管杭) 400~600万円
(5)アンダーピニング工法(コンクリート杭) 250~350万円
これ以上地盤沈下しないと見込まれる場所では土台を持ち上げる(1)~(3)を、更なる地盤沈下が懸念される場所では岩盤まで届く杭を打ち込む(4)~(5)を使い分けるのです。
かなりの高額になるため、地盤の状況に応じて再沈下しないよう慎重に工法を選択する必要があります。
2-5.再建築不可物件のリフォーム注意点④地盤は軟弱ではないか
建物が傾いてしまう大きな原因として、地盤の軟弱さが挙げられます。
見てわかるほど明らかな軟弱地盤なら話が早いのですが、パッと見では分からないけど実は軟弱であるケースも少なくありません。
周囲に建物が立ち並んでいるような地域なら心配ないと思いますが、不安な場合は地盤調査を依頼した方が確実でしょう。
地盤調査に用いられる方法は(1)スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)や(2)ボーリング調査が一般的です。
2-5-1.スクリューウェイト貫入試験(SWS試験)
(1)スクリューウェイト貫入試験では、尖端がスクリューとなっているロッド(棒)に荷重をかけて、回転数などから強度を確認します。
比較的小規模な建物の地盤調査に採用され、四隅と中央部の5ヶ所を調査するケースが多く、ボーリング調査よりも費用が安くできるのがメリットです。
しかし、表層部のガレキや地中に障害物が埋まっているような場所では、正確性に疑問が残るデメリットもあります。
また、SWS試験では10mを超える深度の調査ができません(構造上、摩擦が大きくなるため、信頼性が低下してしまうのです)。
そのため、地盤状況によっては小規模な場合でもボーリング調査を用いた方がいいでしょう。
2-5-2.ボーリング調査
(2)ボーリング調査では地面に縦穴を掘り下げながら、地盤の強さを調べます。1m堀り下げる都度、標準貫入試験を行うのが一般的です。
標準貫入試験とは、掘り下げた穴の底で質量63.5kgのハンマーを、76cmの高さから自由落下させ(打撃し)、30cm貫入させた打撃回数(N値)を記録します。
ボーリング調査では土のサンプルも採取するため、液状化判定も可能です。
ただしSWS試験に比べて調査に時間がかかる難点があり、SWS試験が5ヶ所を半日~1日で調査できるのに対して、ボーリング調査では10m/日ペースなので数日~数週間を要するケースが多くなります。
2-6.その他、再建築不可物件の注意すべきポイント
その他、再建築不可物件をリフォーム/リノベーションする前に注意すべきポイントを挙げておきましょう。
- 水道水 ⇒ 錆び水が出ないか、管の清掃・交換などの修繕履歴を確認
- 給排水管 ⇒ 風呂や洗面所の水詰まりはないか、修繕履歴を確認
- 換気設備 ⇒ 空気の流れはどうか、換気扇等を確認
- 天井・梁 ⇒ 劣化や圧迫感、構造上の制約などを確認
- 外壁・基礎 ⇒ ひび割れや表面はがれ、雨だれのシミなどを確認
- 耐震構造 ⇒ 1981年以前(旧耐震基準)の物件は耐震診断や補強を確認
また建物だけでなく敷地の状況、近隣の環境(立地条件など)についても確認しておくことでメリットのアピール材料にしたり、デメリットのフォロー対策が考えられます。
2-7.再建築不可物件のリフォームは費用が高くなりがち
再建築不可物件のリフォーム/リノベーションについては、再建築可能な物件のリフォーム/リノベーションに比べて、工事費用が高くなってしまいがちです。
なぜなら再建築不可物件は、接道義務を満たしていない≒十分な広さの道路と接していないことが多いため、トラックや重機を入れるのが難しいことが挙げられます。
重量のある建材を人力で運び込むだけのは一苦労、人手は要るし時間もかかるしでコストはかさんでしまうでしょう。
だから一般的な物件のリフォームをイメージして予算を見積もって、いざフタを開けたら大幅に予算オーバーしてしまった……などという事例が後を絶ちません。
それでも資金が続くならともかく、資金不足でリフォーム工事を中断せざるを得なくなってしまった日には、もう踏んだり蹴ったりです。
なんて事にならないよう、再建築不可物件のリフォーム/リノベーションに際しては、再建築不可物件の取り扱いになれている業者に相談するのがいいでしょう。
2-8.再建築不可物件のリフォームローンは基本組めない
再建築不可物件のリフォーム/リノベーション費用がかさみがちなことを解説しましたが、それに加えて再建築不可物件は、基本的にリフォームローンが組めません。
再建築不可物件を購入するための住宅ローンと同じで、融資の担保として提供する再建築不可物件の資産価値が低いため、返済が滞った場合に差し押さえても埋め合わせができないからです。
どうしてもローンを組みたい場合は、別の不動産を担保に入れて融資を受ける不動産担保ローンを組んだり、利率が高く金額も低いノンバンクのローンを組んだりすることが視野に入ってくるでしょう。
また、いずれも金利は割高な傾向があるため、それを織り込んだ返済計画を組むことを忘れてはなりません。
3.再建築不可物件のリフォーム/リノベーション費用は?
さて、再建築不可物件を十分にチェック・購入したら、いよいよ本題のリフォーム/リノベーションに入れます。
資金が潤沢にあるならすべて業者に依頼すれば早いですが、多くの方はそこまで金銭的な余裕もないでしょう。
あるいは資金を節約したい方も少なくないはずですから、再建築不可物件のリフォーム/リノベーションについて、自力で行う場合と業者に依頼する大きく2パターンを解説していきます。
- 3-1.再建築不可物件を自力でリフォームする場合(軽微な場合・上級者向け)
- 3-2.再建築不可物件を業者にリフォーム依頼する場合(重大な場合・初心者向け)
- 3-3.再建築不可物件のリフォームで利用したい補助金は?
3-1.再建築不可物件を自力でリフォームする場合(軽微な場合・上級者向け)
DIY(Do It Yourself/自分でやる)に自信があるなら、自分で出来る部分については自力でリフォーム/リノベーションした方が、人件費もろもろ安く上げられるのは言うまでもありません。
ただし何もかも自分で出来る人は少ないでしょうし、自分で住むならともかく他人様に賃貸・売却するなら自己満足ではすまないのです。
現実的には、技術があって確実に出来るところは自分でリフォームして、精巧さが求められる難しい部分については業者に依頼することになるでしょう。
以下、自力でリフォームする場合の相場例がこちらです。
【難易度・低】
天井、壁の塗装(40㎡)……1~2日/1万円~
床のオイル仕上げ(14㎡)……1~3日/1万円~
棚の塗装・オイル仕上げ……1~2日/1万円~
ドアの塗装・オイル仕上げ……1~2日/1万円~
【難易度・中】
壁紙クロスの張替え(40㎡)……1~3日/2万円~
【難易度・高】
壁の解体(1枚)……2~4日/2万円~
フローリング重ね張り(14㎡)……2~3日/4万円~
ここには最低限の期間や費用を載せましたが、何よりも安全第一。
電気・ガス・水道など資格が必要な工事や、屋根や外壁など高所作業・危険な作業は自分で行わず、業者に依頼するようにしましょう。
3-1-1.やはり再建築不可物件のリフォームは、プロへの依頼がおすすめ
また、実際にリフォームしてみて思うのは、やっぱり仕上がりはプロに劣るクオリティとなってしまいます。
例えば壁紙の張替えなんかでも、隅っこの処理に差が出てけっこう粗が目立つもの。
ことわざに「神は細部に宿る」と言いますが、改めてそれを実感しました。
また、人間はロボットと異なり、施工途中で体力や気力が尽きてしまうこともしばしば。
想定していた以上の時間・日数を食ってしまうケースも少なくありません。
再建築不可物件の自力リフォーム/リノベーションは、支障のない(自身で責任をもって完遂できる)範囲にとどめた方が無難でしょう。
3-2.再建築不可物件を業者にリフォーム依頼する場合(重大な場合・初心者向け)
再建築不可物件のリフォーム/リノベーションに自信がない方は、最初から業者に依頼するのがおすすめです。
先ほども解説したとおり、再建築不可物件のリフォームは通常の物件に比べて費用が割高となるのは覚悟しておかねばなりません。
3-2-1.木造平屋戸建のリフォームで数百万~1,000万円
木造平屋戸建の場合、再建築不可物件のリフォームにかかる費用はおおむね数百万から1,000万円程度が相場となっています。
よくあるのが最低限の水回り(バス、トイレ、キッチン)の改修と壁紙の張替えなど。
これだけでも、部屋の印象はガラッと変わるものです。
他にも畳の和室をフローリングに張り替えたり、窓枠を入れ替えたりなど、限られた予算を有効に活かして再建築不可物件を効果的に生まれ変わらせましょう。
3-2-2.木造2階建のリフォームで1,000~2,000万円
木造2階戸建だと、再建築不可物件のリフォーム費用は1,000万円~2,000万円と大きくはね上がります。
これはフル施工した場合の費用なので、先ほどの自力リフォームと組み合わせたり、ピンポイントでリフォームするなど予算を圧縮したいですね。
3-3.再建築不可物件のリフォームで利用したい補助金は?
ここまで再建築不可物件をリフォームするためにかかる費用を解説してきました。
しかし、リフォームの条件によっては補助金を活用して予算を節約できる可能性があります。
以下に補助金例を紹介するので、ご自身に当てはまるものがないか確認しましょう。
※参考:住宅:住宅リフォームの支援制度 ※令和5年6月16日時点
※参考:地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(令和5年度版)
これらの補助金は予算に達ししだい期限前に終了してしまうことも多いため、実際にリフォーム/リノベーションを検討する際には施工業者を通して確認するのがおすすめです。
4.そもそも再建築不可物件とは何か?
ここまで、再建築不可物件のリフォーム/リノベーションについて「どこまで可能か」や「注意すべきポイント」そして気になる「工事費用」について解説してきました。
しかし中には「そもそも再建築不可物件って何なの?」という方がいるかも知れません。
というわけで、こちらでは再建築不可物件についての基礎知識と、メリット・デメリットなどを解説していきましょう。
- 4-1.再建築不可物件とは①接道義務を満たしていない
- 4-2.再建築不可物件とは②接道義務以外の理由(傾斜、市街化調整区域など)
- 4-3.再建築不可物件のメリット
- 4-4.再建築不可物件のデメリット
- 4-5.接道義務を満たして再建築不可物件を再建築可能にする方法
4-1.再建築不可物件とは①接道義務を満たしていない
再建築不可物件とは、文字通り「再建築が不可能な物件」そのままです。ここで言う建築には、リフォームやリノベーションも含まれます。
再建築不可物件の根拠となっている建築基準法第43条を見てみましょう。
建築基準法 第43条第1項
※参考:建築基準法|e-Gov法令検索
(敷地等と道路との関係)
第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
(以下略)
条文をかみ砕くと、要するに「道路に2m以上接していない土地に、建物を建ててはならない」「法律の施行前から建っている建物については、基準を満たさない限り建て替えてはならない」という意味です。
これを接道義務と言い、再建築不可物件を取り扱う上で大きな障壁となります。
接道義務を満たしていないまま再建築不可物件で再建築してしまうと、工事の中止や取り壊しを命じられてしまうこともあるため、要注意です。
建築基準法 第9条第1項 【クリックで全文表示】
第九条 特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。
※参考:建築基準法|e-Gov法令検索
4-2.再建築不可物件とは②接道義務以外の理由(傾斜・市街化調整区域など)
接道義務以外にも、土砂災害防止法のレッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)にかかっていたり、市町村の条例で敷地最低面積を定めていたりなどの理由で再建築不可物件になるケースがあります。
(※レッドゾーンは鉄筋コンクリート造であれば再建築が認められるケースもあります)
また市街化調整区域や農地などに建っている物件のうち、属人性のあるものについては用途変更(属人性を解除)しないと再建築ができません。
4-3.再建築不可物件のメリット
さて、再建築不可物件と聞いてネガティブな響きを感じた方も多いと思いますが、決して悪いことばかりではありません。
ここでは再建築不可物件のメリットをまとめておきましょう。
4-3-1.再建築不可物件は物件価格が安い
一般的に「家が建てられない物件は取引価格が安い」とされる通り、再建築不可物件もその例にもれず、安く購入することができるでしょう。
浮いたお金で物件をリフォーム/リノベーションすれば、トータルで得になる可能性もあるので、十分に吟味する価値はありそうです。
4-3-2.再建築不可物件は税金が安い
再建築不可物件は資産価値も低く評価されるため、不動産に課税される固定資産税や都市計画税も安くなる傾向があります。
購入コストだけでなく、維持コストも安くなるのは大きなメリットと言えるでしょう。
4-3-3.再建築不可物件は初期費用が安く不動産投資に有利
安く買える/安く維持できる再建築不可物件は、不動産投資において大きな可能性が秘められています。
もちろんケースバイケースですが、資産価値を高める活用が出来れば、通常の物件を購入した場合に比べて大きな利回りが得られるのです。
そのため上級者向けではあるものの、再建築不可物件は不動産投資に向いているとも言えるでしょう。
4-4.再建築不可物件のデメリット
再建築不可物件は「安く買える」ことがメリットと言いました。しかしそれは裏を返せば「高くは売れない」というデメリットと表裏一体です。
また、その名が示すとおり「再建築ができない」という最大のデメリットが存在します。
4-4-1.再建築不可物件はローンを借りるのが難しい
再建築不可物件の大きなデメリットとして、購入に際してローンを組むのが難しい点が挙げられるでしょう。
再建築不可物件は安く買える=資産価値が低いため、ローンの担保としては弱いのです。
もし返済が滞った時、銀行が担保として再建築不可物件を差し押さえても、融資を回収できません。
通常、ローンを組む時はローンで購入する不動産を担保にお金を借ります。それが出来ないとなると、他に担保を用意する必要が出てくるでしょう。
あるいは先ほど言及した通り、割高なフリーローンやノンバンクのローンを利用するなど、不利な条件を呑まねばならない懸念もあります。
4-4-2.再建築不可物件は災害で建物が倒壊・消失するリスク
再建築不可物件とは、その名が示すとおり理由のいかんを問わず、原則として再建築が不可能です。
たとえ地震で建物が倒壊したり、火災の延焼で建物が焼失してしまっても、建て直すことはできません。
もしそれが自宅だとしたら、もうそこには住めなくなります(テントを張るとか、バラックを建てて住むというのは非現実的でしょう)。
そうなると、別にアパートを借りて住むなどしてそちらの家賃も家計を圧迫するため、ローンの支払いが苦しくなることが予想されます(建物がなくなっても、ローンの返済義務は残るのです)。
ローンの返済とアパートの家賃で支払いが滞ってしまうリスクを考えると、金融機関がローン融資を渋ってしまうのは無理もないところでしょう。
4-4-3.再建築不可物件は売却が難しい
資産価値の低さや有事に対するリスクの大きさから、再建築不可物件は一般的に売却が難しい不動産にカテゴライズされます。
これから不動産購入を考えている立場で考えてみれば、他に一般の不動産があるなら、多少安かったところで再建築不可物件にわざわざ手を出そうとは思わないでしょう。
先ほど不動産投資の話もしましたが、不動産投資は出口戦略(終わらせる方法。ここでは不動産の売却による利益確定)が何よりも重要です。
再建築不可物件は不動産投資をする中でも上級者向けの物件なので、購入を申し出てくれる買主・投資家の分母は、かなり狭まってしまうでしょう。
4-5.接道義務を満たして再建築不可物件を再建築可能にする方法
再建築不可物件は、接道義務を満たすことで再建築が可能にできるチャンスがあります。
詳しくは別の記事にまとめているのでそちらをご覧いただくとして、再建築不可物件の接道義務を満たす方法は大きく以下の2つ。
(1)2m以上の間口を確保できてない場合は、確保する
(2)2m以上接している道路を、建築基準法上の「道路」とする
どちらもハードルは高いですが、やってみる価値は十二分にあるでしょう。
5.再建築不可物件を売却する方法
さて、ここまで再建築不可物件のリフォーム/リノベーションする方法や注意点、費用などについて解説してきました。
再建築不可物件を安く購入してリフォームし、付加価値を乗せて賃貸に出すor売却する……そんな不動産投資を夢見ている方も少なくないかと思われます。
しかし、不動産投資は世間やネットで言われているほど簡単ではなく、また再建築不可物件は目利きが明暗を分ける厳しい分野です。
軽々に手を出すのは控えた方がいいですし、いま再建築不可物件を持て余しているなら、付け焼刃でリフォームするより売却した方が無難と言えるでしょう。
では、再建築不可物件を売却するとしたら、その売却先はどこがいいか。考えられる先をピックアップし、それぞれ解説していきます。
5-1.再建築不可物件の個人間売買はリスク大
再建築不可物件の売却先として、最もシンプルなのが個人間売買。
もし知人友人に物件を欲しがっている方がいるなら、多くの方がそっちへ売ろうと思うのではないでしょうか。
あなた「家付き土地があるんだけど、買ってよ」
知人「ちょうど欲しかったんだ。買うよ」
個人間なら、法律的にはこれで契約は成立します。
あなた「ちょっとボロいから、安くしとくよ。リフォームは自分でしてね」
知人「分かったよ。ところで再建築不可物件って何?」
めんどくさい手続きはないし、不動産業者をはさまないので仲介手数料も払う必要がありません。
後は再建築不可物件を引き渡して代金を受け取れば、これで持て余していた再建築不可物件から解放……されると思っていませんか?世の中、そんなに甘くはありません。
知人「おい、再建築不可物件って何だよ!役所に行ったらリフォームできないって言われたぞ!」
あなた「ちゃんと説明したぞ。聞いてないお前が悪い!それより支払いが滞っているじゃないか。文句は代金を払ってからにしろ!」
……などなど、後からトラブルが起こるリスクを抱えているのが個人間売買の怖いところ。
相手がよほど物分かりよく、すべて泣き寝入りしてくれるならともかく、そんなお人よしはそうそういません(人としてどうかとも思います)。
持て余している再建築不可物件を知人に譲るとしても、個人間売買はあまりに危険すぎるので、避けた方が無難でしょう。
5-2.不動産会社に再建築不可物件の売却仲介を依頼する
そこでやはり「餅は餅屋」ということで、再建築不可物件を売却するなら不動産会社の仲介をお願いするのがおすすめです。
不動産会社であれば再建築不可物件についてチェックすべきポイントを網羅できますし、先ほどのような言った/言わないのトラブルを未然に防ぐことができます。
もちろんいくらかの仲介手数料は支払う必要があるものの、トラブルが起きればそれ以上の損害が簡単に出てしまうため、コスパはかなりよいでしょう。
ただし、不動産会社と一口に言っても担当者の知識や経験によって、対応は千差万別。
再建築不可物件のような売却が難しい物件については、うまく対応できない可能性も考えられます。
不動産会社の中でも得手不得手があるため、再建築不可物件をきちんと取り扱えるかどうか、事前に相談して吟味しなくてはなりません。
5-3.再建築不可物件の買取専門業者に買取りしてもらう
そこで候補に挙げられるのが、再建築不可物件の買取専門業者。
一般的な不動産と異なり、再建築不可物件など売却が難しいニッチな不動産の買取りに特化しているため、十分な知識とノウハウを持っているケースがほとんどです。
ただし、再建築不可物件の買取りを謳っていても実際には受付窓口のみで、実際の買取は他社に依頼している不動産会社もあります。
その場合は本来不要な仲介手数料がかかってしまうため、自社で直接買取りしている買取専門業者かどうか、事前にしっかり確認しておきましょう。
6.再建築不可物件のリフォームでお悩みならURUHOMEへご相談を
以上、再建築不可物件のリフォーム/リノベーションについて「どこまでリフォームできるか」「リフォーム費用はどのくらいか」など解説してきました。
再建築不可物件のリフォームは通常のリフォームに比べて費用も手間もかかるため、技術や経験のない方が手を出すのはリスクが高く、基本的におすすめできません。
もし再建築不可物件を持て余しているなら、中途半端にリフォームを考えるより、そのまま売却した方が早いでしょう。
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当社は2005年の創業以来、神奈川・東京をはじめ全国各地の再建築不可物件などニッチな不動産の買取りを専門的に行ってまいりました。今回も、お客様の再建築不可物件でお役に立てるかと思います。
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